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創作 霊験 (2)-② 豆吉の災厄

 太えヤツはいる。仲間の顔を被っていても、結局可愛いのは我が身、欲しいのは金。
 豆吉に好きあった相手がいるかもしれないと思うと、どうにも胃の腑の落ち着きが悪いような気がして、油問屋の娘が、もやもやいらいらした日々を過ごす一方、ありゃあ金子だぜ、と陰で言い合う同量も出始めた。


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