カリスマYouTuberヒカルが人々に与える夢　～テレビが失った面白さをYouTubeで実現する～

ラファエル、カジサックを取り上げたからには、この人を取り上げないわけにはいかない。
近いうちにチャンネル登録者300万人に到達するカリスマYouTuberヒカルだ。

ヒカルの名を世間に一躍有名としたのは、この動画だろう。

『当たりはなかった？祭りくじで悪事を働く一部始終をban覚悟で完全公開します』

祭りのくじで、店頭に出されているすべてのくじを買い占め、本当に当たりが入っているのかを検証する企画である。

私も子供の頃、夏祭りでゲームソフト当選を狙って、よくくじ引きをしていたが、出した金額以上の景品が当たった試しがない。

子供も大人も疑問に思うけど、お金をかけなければ検証できないから、あきらめているような内容を、お金を使って検証してくれる。
3000万再生を超える大ヒットを記録するのもうなずける。

他にも、宝くじを1000万円分買っていくら当たるかを検証してみたり、自動販売機でいくら使ったらすべて売り切れになるかを検証してみたり…。
とにかく、普通の人がやりたくても、なかなかやれない、お金を使って検証する企画をやってくれるのだ。

そして、ヒカルは、才能ある人物を見抜き、絶妙なトークと企画で彼らをうまく生かす能力も持ち合わせている。
ラファエル、遊楽舎店長、ピンキー、兄のまえす、シバター、ウタエル、カジサック、ぷろたん、相馬トランジスタらは、ヒカルにその才能を高く評価され、コラボすることによって大きな相乗効果を生み出している。

特にラファエル、シバターと作ったユニット『炎上軍』は、スター性と個性豊かな３人の才能が融合して、面白い動画になる。
トーク力のヒカル、企画力のラファエル、もの申す系のシバター、とそれぞれ異なる個性を持つだけに、３人が揃うとテレビ番組を超える。

彼らがやっているのは、テレビから姿を消した、世間からは多少の批判はあるだろうが、エッジが効いて面白い企画。
島田紳助やとんねるず、全盛期のビートたけしらがやっていたお笑いだ。

ヒカルが考案した、シバターにベンツを買わせようとする企画は、その代表だろう。

『誰かが本当に買います！ヒカラファがシバターにベンツのゲレンデ（1800万円）を買わせようとした結果…』

とんねるずが後輩芸人に時計を買わせる企画をアレンジした企画だが、企画の面白さ以上に、とんでもない結末になってしまうところが素晴らしい。

ヒカルには、お金を使った企画で人々に夢を与えるというコンセプトがあるそうで、シバターと作曲系YouTuberウタエルの才能を最大限に生かした楽曲「俺たち金持ちYouTuber」を発表し、音楽業界の話題もさらっている。

『【シバター監修MV】俺たち金持ちYouTuber/カルxピン（11thシングル）』

現時点で360万再生を記録している。既にメジャーレーベルの大ヒット曲級の再生数を稼いでいるのだ。

この楽曲では、ウタエルの並外れた作曲能力が注目を集めている。シバターの弟子として有名なったウタエルだが、どんな作詞作曲と歌唱もこなせる上に、替え歌を歌っても面白い天才シンガーソングライターである。

さらに、ヒカルは、キングコング梶原が扮するYouTuberカジサックに対しては、登録者30万人のお祝いとして、ドッキリを仕掛ける企画が秀逸だ。
その動画は、何と１時間以上もある長編ながら、最初から最後まで面白い。

『【ドッキリ】カジサックの登録者30万人記念に高級焼肉ご馳走して会計で突然いなくなった結果w』

グルメ番組のような形で始まりながら、徐々にトーク番組の様相を呈してくる。そして、終盤には、ドッキリがあって、その後にさらなる感動の結末が待ち受けている。

テレビ番組のプロでもなかなか作れないような構成を、日常生活の風景を利用してやってのけるヒカルは、天才としか言いようがない。

そして、地方のカードショップ『遊楽舎』店長を一躍有名にしてしまったのもヒカルである。
遊楽舎店長のトークの才能を見抜き、有名YouTuberにさせてしまった。

『遊楽舎で現金100万円分の買い物してみた結果…』

この動画は、ヒカルの遊楽舎店長への愛情が実感できる作品である。

ヒカルの様々な動画を見ていると、かつてテレビが面白いと言われていた頃の企画を堪能できる。

今後、ますますYouTuberがテレビタレント以上に活躍する時代が訪れる。そのとき、おそらく中心となっているのは、ヒカルだろう。