空間がわかる仕組みをつくる、サインやグラフィックのデザインをしています
空間の中のサインやグラフィックのデザインをしている犬山祥子です。この場合のサインというのはペンで署名するアレではなく、矢印やピクトグラムやマップなどで表示されている、空間の中の便利な情報類のことです(一旦、丸めてこう書いておきます)。2011年から今までずっとこの分野のデザイナーとして、提案を行い調整をし、完成まで色々な現場を見てきました。
サインの中でもどんな専門性があるか?
サインにも色々あるのですが、私の専門は大きな建築物の中で人が迷わないようにするための「サインシステム」を作ること、そしてそれぞれのサインのデザインです。建築物の中のUX・UIの部分を担当しているというと分かりやすいかもな、と最近は考えています。
サインシステムやデザインの一環として外壁面の色や壁面グラフィック、床のパターン、インテリアの素材、エリア分けの方法や呼称なども考えることがあります。そもそものプロジェクトのVIに関わることもあります。なので単にサインのデザイナーではなく、空間の情報になる部分は全部守備範囲という感じです。
さらにどんな?という話をすると、グラフィックに重心を置くよりは空間丸ごとで「わかる仕組みをつくる」ことを目指しています。サインのグラフィックが美しく、大きく、強ければ人に理解されるかというと、必ずしもそうではないのです。空間それぞれに「わかる仕組み」は違います。各設計者が考え抜いた建築、場所のアイデンティティや文脈、使う人の属性などを集めて考えて、紐解かれるものだからです。
ポイントとなる地点に立った時空間がどう在ると、人は動線やこの空間の構造を理解しやすいのか。どの結節点にどんな表示があると迷わないのか。どんな要素があるとこの場所らしさが出て空間としてまとまるのか。そんなことを行き来しながら検討します。
浮かび上がる方法は文字の形を変えることかもしれないし、大きく色をつけることかもしれないし、あるアイコンを作ることかもしれない。エリアや部屋の呼び方を考えることかもしれない。それは建築のコンセプトや図面を含めたプロジェクトの中身を開けて、よくよく観察・検討してみるまで分かりません。空間を作る諸要素のバランスの中で、サインがどうすれば分かりやすくなり建築と人をすんなりと繋げるか、愛される空間にできるか、居心地良い空間になるか、いつも考えています。
このようなことを日々考えていますが、空間グラフィック、サインからの広がりとしてツール類を作ることもあります。診察券やラッピングバスを検討したこともあります。また、VIなどを担っているデザイナーさんがいる場合、連携してお仕事をする場合もあります。
経歴と主な実績
Instagramにもまとめています。https://www.instagram.com/inuyama_signdesign/
2005-2011 九州大学芸術工学部・大学院芸術工学府
建築設計を中心に
2011−2015 有限会社 エモーショナル・スペース・デザイン
慈恵医大葛飾医療センター
実践女子大学渋谷キャンパス
その他学校、病院、文化施設、複合施設など多くのプロジェクトに参加
2016−2023 株式会社 ダイスプロジェクト(パートナースタッフ)
葉籠
安心院農泊推進インバウンド向けツール
など、商業施設、公共施設・展示など多くのプロジェクトに参加
2016−現在 フリーランス
名古屋大学ジェンダー・リサーチ・ライブラリ
熊本駅前広場
三友機器・三友ボディー古賀⼯場
ポートフォリオや名刺
日常の中のサイン探し
Instagramで、日常や旅先で気になったサインについて書いています。
タグは#いぬの気になるサインや#福岡空間グラフィック事例集。
元々は自分が見返すためのメモですが、結構細かい部分を見て書いているので、普段こんなこと考えているんだなーと読んでいただけると嬉しいです。
今後noteでは?
仕事をしているときに考えていること、気になっていることを書いてまとめていこうと思います。まずは技術的なことが中心になると思いますが、その理由は今後の発信方法をまとめた別の記事で書く予定です。
例えばこんな感じの記事を書こうかと。1ヶ月に1度くらい更新するのを最初の目標にしようと思います。
サインに使う色の選び方(照明や景観系の条例の話も含めて)
インフォメーションカウンターのマーク、「i」「?」どっち?
サイン書体を選ぶとき考えていること
サインデザイナー的おすすめ本まとめ
とあるプロジェクトの進行、頭から最後まで
デジタルサイネージがうまくサインシステムに組み込まれた事例集
消火器や消火栓のサインに赤ベタがある場合、ない場合
福岡のおすすめサインデザインスポット
サインを専門にするデザイナー自体がそんなにいないんじゃないかな?と思いますので、もし気になったらフォローしていただけると嬉しいです。