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前田南強の桃太郎

犬山の郷土玩具作家、前田南強。
犬山橋近くの宝玉荘というお店で郷土玩具などを製造販売していた。
初めてお店へ行った時、南強さんは既に亡くなられ奥さんが店番をしていた、残された土人形を細々と商っているた。「近々新しい橋のが出来るので立ち退きする」のだという。次の機会は無いと思い、これは手に入れておかねばと、比較的大きな桃太郎の土人形を買って帰った。
ここから私の前田南強のコレクションが始まった。
はっきりと覚えていないが、おそらく1990年代のことだったと思う。
(当時犬山橋は鉄道道路併用橋で渋滞や車と電車との接触事故がおきてお
り、隣に車専用のツインブリッジが2000年に造られた。)
郷土玩具作家として愛好家の間では少しは知られ他存在ですが、一般的には無名の作家でした。犬山でも知っている人は少ないと思われます。

初めて手に入れた南強の土人形
南強土鈴の栞

南強の土鈴

南強は知る人ぞ知る土鈴作家。
狸、鬼、七福神、天狗など多岐にわたる。
狸は、栗栖地域の狸伝説にちなんだもので桃太郎屋敷の土を使っていた。

桃太郎土鈴
絵馬に取り付けられた土鈴
絵馬に取り付けられた土鈴

南強の土人形

印象は器用で多様な作風の作家。
郷土玩具の土人形の多くは、伝わる型があり一定の作品で彩色(特に顔の描き方)に作家の特徴が出る。
南強は造形の独自性がある。下の写真の桃太郎が手をかざして鬼が島を望む造形は型では作れないもの。

桃太郎3体
桃太郎の誕生
桃太郎凱旋
絵馬の土面
壁掛けの土面