詩ヘッダー8

孤独に満たされるとき


孤独にはふたつある

欠けていく孤独と満ちていく孤独


孤独は欠けると針になる

わたしはずっと孤独を削ってきた

かぎりなくゼロになるように


昨年の冬

宇宙がくるりと回転して

突然わたしはワープした


しかし孤独はやってきた

しかしそれは満ちてきた


この夏の夜も

路地裏のコンクリートから

蛍光灯が映るサッシのすきまから

寝汗でしめったシーツから


クーラーがよくきいてきた。

わたしは孤独のみぎわで

ちゃぷちゃぷあそぶ


孤独は満ちると海になる

青く美しい海になる









"Oyster at Moonshadows" photo by Chris Goldberg  license link

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