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本当の敵は獣ではない

日々、鳥獣駆除の依頼を受けて捕獲を行なっている。
被害を受けている人は害獣たちを敵だと認識しているが、私からすれば本当の敵は有害な猟師である。


「縄張り」というものがある。
それは獣にもあるが猟師にもある。

私も幾つかの猟場を持ち縄張りとしている。

私の場合は、依頼を受けて成果を上げることで依頼主(地主)に信用されて、必然的にその猟場が私の縄張りとなっている。

しかし、中には「そこはワシの縄張りだ」と主張するだけで何も駆除をしない猟師もいる。

これが私は本当の敵だと感じている。

なぜならば、他の猟師が駆除の依頼を受けて依頼主の敷地内で業務に当ろうとしても、一方的に縄張りを主張する何もしない猟師に邪魔されることで、駆除が進まないからだ。

これでは、獣害に喘いでいる地域住民の方が困るだけである。

だが、まともな理屈を言ってもその手の厄介な猟師は理解しようとしない。

「ワシのだ。だからやるな」と言うだけで、法的根拠も何もないのだ。

むしろ、駆除業務を妨害されているので、こちら側が行政に相談をする形になっている。


ここまで書けばわかると思うが、かく言う私も縄張りばかりを主張する厄介な猟師に困っている。

いや、私自身は他にも猟場や依頼があるので良いのだ。

ただ、地域住民の方々が可哀想なのだ。

頼むから駆除してほしいと言われても、あの面倒な猟師がいるからできないと断っている。

住民からすれば意味がわからないだろう。
理不尽だと思うだろう。

事実、何人もの方が私に依頼を断られ、その口だけの猟師に憤慨している。


ここまで読んでいただいた方はこう思うだろうか?

ならば、猟友会や行政に相談すれば良いのではないかと。

ところが、特に猟友会は古い体質で客観的な思考よりも今までそうしてきたからという理由でまともに取り合わないことが常である。
これは行政にも言えることだ。

そんなことをしてきたから、獣害が増えたことは火を見るよりも明らかであるが動こうとは全くしない。


だからこそ私はこう思う。

本当の敵はやる気のないプライドだけある猟師であると。


早く皆が獣害に怯えずに過ごせるように私は頑張る。
理不尽なことをする輩には負けない。
いつかこの努力が実るように、今日も獲物を追う。

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