【事前メモ】連続講座「面とはどんなアトリエか?」第3回
2023年7月2日(日)に、映画監督の七里圭さんと、いぬのせなか座第一期メンバーの鈴木一平、そして私(山本浩貴)の3人で、連続講座「面とはどんなアトリエか?」第3回を開催します。
今回の主たるテーマは、映画と「版」について。七里さんが映画をめぐり続けられてきた講座や作品群、約10年分を、七里さん自ら一気に振り返った上で、「面」と拮抗するワードとして「版」を問題提起、3人で多角的に議論します。
七里さんいわく、「版」は近代を形作った様式、価値観であり、それは言葉から始まった……これまでの2回のトークは言語表現を主な中心としてきましたが、今回は映画に議論の軸を移しつつ、そこに留まらない展開があるはずです。
第1回の概要
第1回は2023年1月27日(金)に開催されました。
イベントページ
連続講座全体の背景まとめ
3時間半近くに及んだトークは、山本による発表が大半を占めるものでした。大まかな概要は発表メモをご覧ください。
その後、記録映像を七里さんが編集し、トーク全編をアーカイブ動画として現在販売中です。
第2回の概要
第2回は鈴木一平が中心となり、ここ百数十年ほどの現代詩の歴史を概観、そこにおける「面」のありようを検討しました。
またその上で、七里さんが近年協働している詩人・吉増剛造のパフォーマンス(とそれを撮影した映像作品)を、実際の映像を見つつ議論していきました。
大まかな発表内容は事前メモをご覧ください。
また、第2回に関しても、七里さんによる編集のもと全編アーカイブが制作・販売されています。
第3回の中心となる発表概要
さて、第3回は、冒頭で記した通り、七里圭さんが近年映画をめぐり続けられてきた講座や作品群、約10年分を、七里さん自ら一気に振り返った上で、「面」と拮抗するワードとして「版」を問題提起する発表が、軸となります。
七里さんより届いた全体概要は以下の通りです。
版なき世界の「面」について
0 はじめに
1 私のこの十年
○ボディ・スナッチャー
○連続講座「映画以内、映画以後、映画辺境」とは
○フィルムからデジタルへ、実証作品としての『DUBHOUSE』
○表象体系の変質・弱体化?
○ポストメディウム的状況
○新しい知覚をどのように
○その他の論点
○「音から作る映画」プロジェクト(2014~2018)とは
○「シネマの再創造」とは
○映像とはそもそも何か
2 最近、考えていること
○ゴダール追悼号の原稿を書いていて
○ニエプスのヘリオグラフィhéliographie(太陽で描く)
○写し取り、複製するために、版を作る
○面とリアルのあいだの版
○版による面の更新
七里さんがこの10年ほどに展開してきたものは膨大ですが、それらが一気に振り返られる貴重な機会かと思います。
またその上で提示される「版」という概念は、私がこの連続講座を企画するにあたって提案し、ここまで議論の焦点となってきた「面」を、さらに深く展開していくものになるのではないかと感じています。
改めて七里さんからの言葉を記すなら、「版」は近代を形作った様式、価値観であり、それは言葉から始まった。言語表現と映画という、ふたつの表現ジャンルを繋ぐ場所が、同時に過去と現在を繋ぐポイントとして見えてくるのではないかと思っています。
第3回は7/2開催!
連続講座「面とはどんなアトリエか?」第3回は、7/2(日)開催です。
第1回、第2回に参加していない(アーカイブも見れていない)という方でもまったく問題ありません。気軽にお越しください。
また当日は、トーク前に、七里さんの作品『The cleaning lady after 100 years : Spectre』が上映されます。まだあまり上映されていない作品ですので、お時間ある方は是非。
(ちなみに毎回4時間近くトークの行われるこのイベントですが、今回は17時からトークを始めて20時ごろには終え、そのまま会場ですこし懇親会のようなかたちにしたいと思っています。質疑応答をぐぐっと続けていくようなイメージです。こちらもお時間あるかたは是非。)
7/2、三鷹SCOOLにてお会いしましょう。
山本浩貴(いぬのせなか座)
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