【2021松本山雅】vs水戸(3/28)A レビュー 『緩急』
・水戸戦レビュー
松本 0-3 水戸
主審
榎本一慶
得点
中山仁斗
中山仁斗
安藤瑞季
警告
温井駿斗
痛い敗戦。
ハマったように思えたシステム変更も、いい時間に得点を得ることが出来ず失点。
失点後に大幅にパフォーマンスが落ちた山雅は、攻勢に出るどころかシステム変更の穴を突かれ劣勢になった挙句2点の追加を許した。
泥沼の5戦未勝利。
・両チームスタメン
松本山雅FC
前節から2人変更。
フォーメーションを3-4-2-1に変更して挑む。
水戸ホーリーホック
前節から1人変更。
フォーメーションは変わらず4-1-2-3。
・なんで点が取れないのか
今回の試合はこれが全てだろう。
そもそも論として、山雅の攻撃にどんな問題があったかを振り返りたい。
①縦に早すぎる
水戸の守備のマークが甘いのは確かであるが、この試合に関しては縦パスを送るのが早かったように感じた。
守備でプレスをかけ続ける戦略をとるからこそ、ゲームの緩急をコントロールする必要がある。
プレスこそ来ていたが、ポジショニングは悪くなく、フリーになった時に少し動かすなどの工夫があってもいいように感じた。
②サイドからの拙攻
やはりここでも落ち着きが足りなかった。
抜ききれていない段階で中を見ずクロスを上げることが多くなり、いい状態で中央にクロスを送ることは出来なかった。
水戸が撤退しているフェーズにおいては、もう少し落ち着いてボールを下げながら、より確実な得点機会を伺うのがベターだったように感じた。
上記2つの点をクリアするために必要なことは、緩急を意識することと、冷静さを失わないこと。
この2点でだいぶ変わるのではなかろうか。
疲れないという点でも、攻撃でペース配分をすることの意義はある。
バックパス(というかパス全般)のスピードが緩い点は新たな問題ともなりうるが、90分通して総合的に優位に立つサッカーへの転換を目指すことが迫られている。
もうひとつ、システム的なことをいうなれば、何故可変しないのかというところ。
3-1-4-2も3-4-2-1も少し選手が移動するだけで簡単に入れ替わることができることから、相手の目線を逸らして、プレスを回避するやり方に着手するべきであると感じた。
もちろん今後フォーメーションを変更する可能性はあるが、そのフォーメーションにおいても言えること。
今年の山雅は行けそうな戦術を繰り返し、対策した相手に対しても続けて沼にハマる傾向があるため、その部分を修正出来なければ、今後どのようなフォーメーションを選んでも同じことを繰り返す羽目になる。
・守備の緩み
中途半端に出てって入れ替わられたところから松崎と常田・佐藤が2対1で対応。
基本的に2対1なら左右で役割分担をするはずだが、常田が置いてかれた。
そもそもその手前で中山に釣られて常田がスペースを空けていたが、それは篠原がついていくべきではなかろうか。
連係ミスからポジションを大きく崩してなだれ込まれる形は、去年の前半を彷彿とさせる。
2点目も常田の対応。
今度も2対1で、ドリブルとパスの違いはあるものの縦方向に突破を許し、失点。
この2プレーで今節のプレッシングの意図が分かる。
山雅から見て右サイドの水戸SB(温井)に対しては表原が前向きでプレスをかけることが多かった(もちろん国友も来ていた)のに対し、左サイド(柳澤)は河合が対応することが多くなっていた。
恐らく、左サイドの柳澤に対して外山がプレスに行った場合、明確な弱点がある常田が松崎と対峙するのを避けたかったのだろう。
結果その形から2失点しているが…
・フォーメーション変更について
そうなるとやはり気になるのは、何故その弱点を補うプレスをかけていたのに、弱点を晒す4バックへと変更したのか。
正直なところ、分からない。
フォーメーション変更や交代の時間も含め、全てが後手後手になったと言わざるを得ないか。
そもそもやっているサッカーの都合、いくらヨーヨーテストをしたから、元々走れる選手を集めてきたから、と言ったところで、90分同じテンションを保てることはそうそうない。
何がベターだったかを後出しするのは簡単であるため、個別具体策は控えるが、今回は交代策がハマらなかったことが追いつけなかった要因であることには間違いない。
そこに対して一つあるとするならば、キャンプで4ー4ー2がハマらず急遽システム変更をして開幕を迎えてる上で、ハマらなかったフォーメーションに変えることはベターな選択肢ではなかったように思う。
千葉戦は相手が引いてきてコントロールできたから後ろの枚数を減らしても支障なかったわけであって、状況判断のミステイクがあったことは否めないか。
・現実的な路線変更をするのか
勝ちに行くのか、スタイル構築を優先するのか。
正直どちらを選択するかはまだ分からない。今現在どちらに気持ちが傾いているのかも分からない。
その中で、もしスタイル構築を優先するのであれば、次の昇格チャンスは2023年のリーグ(2024年にJ1)となる。
現在のスカッドの大半の選手が28歳、29歳、30歳となり、前回のJ1昇格時と似たような編成になることになる。
もちろん現在主力の選手が残ってくれる保証はない。
昨年だけでなく、今年も、そして場合によっては来年以降も転換期として様々なものを追い求める難しいシーズンになっていくだろう。
今現在、勝ち星が特効薬なのは紛れもない事実。
次節秋田との決戦で証明したい。
あと勝ち点81
得点83
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