ラバストを作ってもらいました
ホットモバイリー @GoodsYeさんのキャンペーンに当選してオリジナルラバーストラップキーホルダーを作ってもらったので、ラバストデータ制作の過程を記録しておきます。
1.データを作る
ホットモバイリーさんは基本的にAIファイル入稿なので、イラストレーターを初導入してパスデータを作りました。
ホットモバイリーさんにはホットモバイリーファンというラバスト10個9900円(税込・送料込・トレース代込)という業界最小ロット最安コースがあり、今回のキャンペーンもPNGやJPG画像データを送れば無料でかなり高精度にトレースしてもらえるはずなんですが、この下絵は線の間隔などを全然考えておらず、描き直したい部分が結構あったので、途中途中で線を減らしたり増やしたり試行錯誤しました。
途中で一回紙に何パターンかの大きさのものを出力して、切り取ってどのサイズが一番いいか確認したりもしています。今回は左下の65mmでいくことにしました。
セブンイレブンの富士フィルムのネットプリントは、自動縮小をオフにすると正確な等倍で印刷してくれるので重宝しています。色が薄く出る場合は黒をオーバーレイ20%くらいで乗せるとよいと思います。
ホットモバイリーさんは動画でデータ制作方法を説明してくれるので、イラレが初めての人間でもパスデータの引き方がわかります。わかるけどそれはそれとしてパスほんとめちゃくちゃ難しいので、これからの人生で特にパスと仲良くなる予定がなければトレース依頼したほうがいいと思います。
Youtubeにはラバーの金型を作って色を流し込む過程も動画化されているので、めちゃくちゃ細かい型に手作業でラバーを流し込んでいるんだなあということも、映像によって具体的に理解できます。
ホットモバイリーさんは注文品を生産実績としてガンガンサイトに掲載したり宣伝素材にがっつり組み込んでいく印刷屋さんなのですが、作品を使用されたくない場合は、注文時に「掲載を許可する許可しない」の項目にチェックを入れれば大丈夫です。ほかにも要望や心配ごとなどあれば、注文時に連絡事項を書いておくと反映してもらえると思います。
そして出来上がったのがこちらのデータ。細い線は線幅最小限界の0.35mm(350dpiだと5px)、エラの線は0.5mm(7px)、周りのフチは1mm(14px)です。色が入る部分の最小幅も0.35mmらしいのですが、ヒレの条線を絶対途切れさせたくなかったので、余裕を取って0.5mmくらいにしています。
元の絵と比較すると、だいぶ線や周りのカットラインを丸くしています。魚がちょっと太りました。
密集していた線を少し減らして、幅が出来るだけ均等になるように調整しています。色も彩度を落としました。
こちらは実際のサイズと色指定です。テンプレートの限界は70mm、色指定はスタンダードコースとファンコースなら12色、プレミアムなら15色まで可能です。
この魚は金魚ではなくベタという種類の熱帯魚なのですが、かなり実寸に近いです。体色が非常にカラフルで、赤いやつは誇張抜きでこのようにぺったりした原色の赤色をしています。
ラバストの色指定はPANTONEあるいはDICで指定します。黒と白はそのままBlackとWhiteで指定できる様子。
PANTONE公式の色一覧でおおまかな色味は把握できますが、モニタ設定でかなり差が出るので信用は全然できないです。色味にこだわりたい場合はPANTONEの色見本を購入して確認したほうがいいと思います。
今回はメインの赤色に2347Cを使ったのですが、色番号で画像検索をして2347Cが使われているとおぼしき印刷物を写真で複数確認してみて、まあそんなにイメージから外れることは無さそうだな…という雑な勘で決定しています。
肌色などは特に土気色になりがちなので、印刷屋さんにおすすめ肌色配色見本とか出してもらえると嬉しいです。DICのほうがフレッシュな色味が使えるらしいんですが、モニタ越しだと全然わからないですね…。
2.図面
5/24にデータを送って、翌日5/25にPDFで確認図面が返ってきました。
下のほうは3Dで立体構造を確認できるようになっています。指定ミスなどに気が付いて変更したい部分があればここでやりとりをします。
改版番号と日付が毎回左上に記載されているので分かりやすいです。
細かい線がリテイクされるかと思いましたが、右上にある背びれと尾びれの間の切込みを、少しだけ浅めに修正されたのみで決定稿になりました。あと金具をナスカンに変更したいと伝えたら無料でやっていただけました、大変ありがたいです。
3.製品到着
決定稿を送られてきてから少し経って納品日は6/24になるというメールをいただき、予定通りの日付で製品が到着しました。
これは…かなりとてもかわいいのではないでしょうか!!以下細かいところをクローズアップします。
サイズは仕様書どおり約65mm。厚さは地のラバーが3mm+乗せられた赤色のラバーが1mm=約4mmです。ヒレの切り込みや尾ヒレの段差もなめらかにカットされています。細かい条線もきれいにラバーが流し込まれていて、触ると線が一本一本感じられて嬉しいです。
尾ヒレの条線の分岐点は細くなりすぎてラバーが入りきらず▲になっていますが、これは予想通りの仕様。腹ビレの条線は大体1mm刻みで並んでいます。線幅がガチャついているのはイラレの整列機能がどこにあるのかわからなかったからです。機能、使いこなしたい。
尾ヒレは主線0.35mm、色部分0.5mmを非常にきれいに形作ってもらっています。(定規の目盛りは0.5mm刻み)
髪の毛の先などはよくラバーが途切れている印象ですが、角度や幅を工夫すれば、きっちり流し込めるデータを作れそう。
色味はモニタと比べるとこのような感じです。かなり再現されていると思いますが室内光と日光でもまた違うので、色設定はとにかく奥が深い。
目のところは凹ではなくちゃんと別の色を流し込んでもらっています。周りの地のラバーの色は7428Cで、瞳の黒は濃い茶色の7645Cです。水色のさし色298Cもいい感じ。細かい指定まで再現していただいてありがとうございます。
比べてみると本当に再現度が高いです。データを作ってるときはどうなるのか全然わかりませんでしたが、出来上がりが本当に丁寧で嬉しいです。
今度は自費でラバストを作ってみたいんですけど、オリジナル品だとどうやって10個~捌いたらいいのかわからなくてやはり悩むところ。イベントが復活すれば出たいです。ある日突然すごいハイセンスが落ちてきて作ったグッズが通販に出したら一瞬で100個完売するようになりたい。
あとイラレは少しずつ使っていってパスと仲良くなりたいと思います。
ホットモバイリーさん本当にありがとうございました!ホットモバイリーさんは中国に自社工場があり、フィルム保護つきのアクリルキーホルダーとかも小ロットから作れたりするので、これからの展開に期待しています。
ただ二次創作系のグッズはサイトの生産実績から外したほうがよいのではないかと思います。印刷屋さんの版権とグッズへの姿勢わりと難しいんですが、サイトに置くのはオリジナル作品のみ、みたいに区切りをつけてるところが多い気がします。ツイッターでも版権作品はRTだけに留めていくみたいな印象…。
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