アリエルは怖い
リトルマーメードの名シーンと言えば、
フォークでアリエルが髪をとくシーン、
あそこ一択やと思ってんですよ。
食事会で出されたフォークで、
嬉々として髪をとくアリエル。
これは子供の俺には衝撃やったんですよね。
あのシーンの流れとしては、
アリエルは人間界にずっと憧れてて、
見つけたんか貰ったんか、
フォークを手に入れるんすよ。
アリエルはそれを持って、
物知りカモメに「これなんどい?」と聞く。
「アリエルよ。」
ほんで、物知りカモメは言うわけですよ。
「これは、長い髪をとくものじゃ!」
パァこいてんのに、自信満々で。
凄い水売りつけてくるジジイよりタチ悪い。
それを信じたアリエルは人間になった後、
大好きな王子様との食事会で、
イキり倒してしまうんすよ。
見たことない人は一回見てくださいよ。
イキり過ぎて、首掻っ切って死ぬんかな?
と思う表情してますから。
案の定アリエルは、
大恥をかくことになります。
食事会で出されたフォークで髪といてるんですから当然ですわ。
俺もトリキで女の子が
フォークとナイフ使い出したら笑ろてまうもん。
このシーンの何が衝撃かって、
アリエルは、正しいはずの事で恥をかいてるんよね。
フォークは極端やけど、
立ち振る舞いや話の内容なんかにも、
ある程度正解ってのはあるやないですか。
元気に挨拶をする、
宗教の悪口を言わない、
それが基本的な正解で無難。
子供の頃の俺は、
その自分が思う正解が
正解じゃないかもしれない事に
震えたんよね。
最近その事をふと思い出したんやけど、
正解は環境によって変わるってことは
この歳では当たり前のことやと思うんですよ。
でもさ、自分が持っている正解は
これまでの人生で培った、
限られた環境のものなんやと思うと、
改めて震えてしまう。
俺の中のカモメが
意気揚々と教えてくれたことを
自信満々に振る舞うけど、
それはフォークで髪をとくような事
かもしれないんやね。
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