歌詞とかじゃない、変なアニソン

この世の中に、ヒットソングより難解なモノって無いと思うんですよ。

定義とすれば「売れた曲」と非常にシンプルではありますが、どうしてその曲が売れて、どう作ればヒット曲になるのかと言うのは、他のどんなものと比べても、難解だと思ってるんですね。

例えば俺は競馬や株が好きで、色々とデータを集めたり予想したりはしていますが、それぞれパターンや指標があって、ある程度の法則に則って予想する事ができます。

芸人も同じです。おじさん芸人、第七世代など、流れが始まるタイミングは難しいですが、流れがわかれば次来る芸人はなんとなく見えてきますし、ひな壇の発言センス、ネタのクオリティなんかで、もうすぐ売れるとかはなんとなく見えたりするんですよ。

ただヒットソングだけは、流れやセンスだけで、予想がしにくいジャンルやと思うんですね。

アイドルが売れてるからアイドルソングがヒットソングになる、と思っていても、地下アイドルで括られてニッチな市場になってしまったり、逆に「お前が第二のYOASOBI！？」みたいな人が出てくることもあります。

ヒット曲を出した人がまたヒット曲を作るだろう、と言うことは予想できても、くすぶってるアーティストがヒット曲を出すかどうかほど、難しいものってないと思うんですよね。

そして、もう一つこの話を難しくさせているのが、曲の質なんですよ。

というのも、ヒット曲必ずしも王道ではない訳ですよ。あいみょんの歌詞なんて、まぁぶっ飛んだこと言うてますし、そもそもマツケンサンバがヒットする時代があったんですからね。サルサやのに。

そこで本日は、ヒット曲の中でもアニメソングで変な曲。

しかも、歌詞ではなく曲がぶっ飛んでる曲をいくつか紹介していきたいと思います。

1.お料理行進曲

懐かしのキテレツ大百科からのヒット曲、お料理行進曲でございます。

「いざ進めやキッチン、目指すはジャガイモ」と歌詞の世界観の独特さは周知のことかと思います。歌詞でも少し変な曲ではありますが、そんな事忘れさせてくれるくらい、よく聞くとこの曲、変なんですよね。

皆さんも久々に聴いていただければと思います。きっとまず思うはずです。

思ったより、遅い。

行進曲って言うくせに、まぁまぁゆっくりなんすよ。多分コレで行進したら、おばあちゃんくらいのスピードにしかならんですよ。

ただそんなの別にどうってことありません。曲が進んでコロッケが出来上がり、「キャベツーはどうしたー！！」と言われます。

2番はナポリタンというのは、地味に有名かと思いますが、そこにいくまでに間奏が入るんですけどね。

この曲何を思ったのか。

間奏が、一番フルコーラスの鬼長尺なんすわ。

子供向けアニソンに、歌無しの長すぎる間奏が入ってるんですよ。こんなもんカラオケで歌ったら、地獄の2分間ですよ。なぜ間奏でフルコーラス演奏してしまうのか、なぜもう一品作らなかったのか、てんで解らないんですよね。

そのくせに、あっさり終わる2番も含めて、この曲は本当に変やと思える名曲でございます。

2.うまぴょい伝説

先日先輩に、「変な曲あるぞ」と教えてもらい、そこから死ぬ程聞いているうまぴょい伝説でございます。

大ヒットスマホアプリ、ウマ娘のテーマソングになるんですかね。競走馬が擬人化されたアイドルが歌う、ノリもテンポも良い曲なんですけど、この曲もまぁ変なんですわ。

ただこの曲、1番2番は普通に良い曲なんですよ。最近のバンド系アイドルソングを彷彿とさせるノリの良さと、ギザミ・追っかけの気持ちよさは圧巻で、「そりゃ流行るよな」と思わざるを得ない、悔しくもハマるアイドルソングではあるんですよ。

ただ一点だけ。それだけ完成度が高いからこそ、ものすごく目立つんですよ。

この曲、ラスサビの拍が、全然合ってないんすよ。

文字にすると拍とか、拍子とか、かたっくるしくなっちゃうんですけど、一旦聞いてみてほしいんですよ。

ラスサビ入りの始まりは、結構聞かせる入りしてくるんですね。

この気持ちー　届くならー

落ち着いた雰囲気でサビが始まりまして、

君のいろーにそーまーるーよー

鬼の伸ばし棒歌詞が続きます。

こんなー　あたしじゃー　だーめだよねー

そして大サビに続くブリッジが来るんですが。

うーーーーー（ばっきゅん）

ここ。

ビビるくらい、リズムが合わんのよ。

理屈とか、理論とか、そんな難しい事じゃなくて、単純に変なんよ。拍が合ってないからさ、どうやっても合わないんすよ。合わせようがないんですわ。

そしてこの曲は、ここ一点だけで、とてつもなく変を感じれる、良い曲でございます。

3.おしりかじり虫

近年稀に見るクレイジーソング、おしりかじり虫でございます。

おしりかじり虫は、そもそもタイトルの「おしりかじり虫」の時点で変な曲の称号を欲しいがままにしています。

それでいて更に。

おしりとおしりでお知り合い
カバとカバでかばいあい

歌詞も全く意味がわからない。

急に打順が回ってきたカバは、どんな気持ちなのか。

それでいて曲としても恐ろしく変なのが、この曲なんですよ。まず何と言っても凄いのが、この曲一音も音が合ってないんすよね。

そもそも音程という概念が、おしりかじり虫に無いのかもしれません。大体原曲の音が当たってないから、外しているのが正しい音程とも言えます。ただ、周りの音から考えて、曲中に当てるべき音が、全然合ってないんですよ。知らん曲やのに音痴なんですわ。

しかもこの曲、一生転調してるんですよ。

ひと回し終われば調が上がり、またひと回し終われば調が上がる。それでいてガンガン転調を繰り返す中で、たまに戻ったりするから、今どこの音階にいるのか全然わからんのですわ。

しかも音外してるでしょ？

もう迷宮入りですよ。　

そんな曲がヒットソングになったことも含めて、この曲はレジェンド級の変な曲でございます。改めて聞く価値のある、ある意味名曲でございます。

同じ曲がふたつとない時点で、ある種全ての曲は変と言えるのかもしれません。

ただその中でも、特に突飛なもの、とりわけそれでいて流行ったものは、流行の不思議さ、面白さを知れるとても良いコンテンツだと思います。

変で流行った変わり曲、皆さんもそういう目線で音楽を楽しんでみてはいかがでしょうか。