犬田はじめ
とある中学校で常勤スクールソーシャルワーカーになってしまったおっさんの話です。 学校の中に「教えない先生」がいて、よくわかんないけど相談に乗り、やたらと家庭訪問します。そんなおっさんのボヤキです。
「中3になったから、ちょっと頑張らないとと思って」 彼女は中1の途中から基本家に引きこもっていました。ふろにも入らず外にも出ず、親が外出を誘っても応じるわけもなく。打開策がないままに、高校進学の資料、例えばこういう種類の学校があるよとか、この近くだとこんなところもあるみたいだねーとか、いくつかの名前を出してみて、自分で調べてみたらいいと委ねたのが4月のはじめ。 そこから自分である程度調べてみてようで、その中で興味のあった学校の説明会があることを知ります。行ったほうがいいかなと
今の学校は本当に小さいことを相談で拾うことが多い。小さいこととは言いながらも、当事者にとっては一大事なわけで、中には人生を左右するような超重大なアクシデントだと認識して相談室に来る生徒が大半を占める。内容は勉強に集中できない、友達に無視されているような気がする、友達のことが許せない、無気力で嫌になる等々、今すぐ世界が終ってしまうような話は少ないのだが、うちの生徒がすごいなと思うのは、こういうことにも「ちょっと聴いてくれ」と手を挙げられる生徒の多いところだ。普通、抱えて抱えて抱
意見が分かれることはもちろんある。立場、視点、役割、狙い、見立て、専門性云々と違える要素は盛りだくさん。しかも、とある大多数の集団の中にいる身としては、自分の専門性は何だ?自分の視点は何だ?と絶えず自問自答しながらたち振る舞う。自分の中で専門性が瓦解したその時点で、自分はもうソーシャルワーカーではない。よく似ている何かだと思う。真剣に熱量高くいなければ、異業種のど真ん中で生きていけない。 意見の相違はもちろんある。ただ、関わる全ての大人が「子どものために」と考えていることを
家族以外の他人に顔を合わせることがしばらく無かった子と、なんか知らないけど会えるってことが続いている。理由は特に見当たらないが、新年度に入って多少なりとも自分の中に変化が起きてるということなのだろうか。本人にも分からない、でも確実になにかが変わってきている。 目線が合う、会話が噛み合う、受け答えがしっかりする、笑顔が見られる、自分の意志をはっきり言える、そんな芽が小さくても見つけたなら、それを大切に大切に育てながら、やり取りを積み上げていくことになる。育てるのは学校の中ではな
今週は月から金まで朝一番で予期してない面談が飛び込んできた。泣きながら職員室前に立っている生徒を放っておくわけにはいかず、話を聴いたり家庭訪問したり。 5月病なんて言葉があるくらい、5月は誰だって不安定になる。それは社会人でも中学生でも同じで、スクールソーシャルワーカーだって例外ではない。現に、スクールソーシャルワーカーが不登校になったケースも残念ながらある。 自分に優しくなろう。他人に優しくあろう。 俺って最高だ!俺ってストロングだぜぇ! そして、俺ってバカだぁ!
スクールソーシャルワーカーなるお仕事をしている。この仕事、多くの自治体は教育委員会にデスクがあって、学校からの派遣要請があって派遣されるという形だが、私がいるのは中学校の職員室で、ここにあと2人のワーカーがいる。3人で周辺の学校をいくつも担当するというスタイルは、全国的に見てもほぼ例がない。 ということで先駆事例もなく、自分たちが考えて学校と相談してやることすべてが新しい取り組みとなる。「手探り」という言葉がまさに適しているような、試行錯誤の実験室の中に放り込まれたワーカー3
ご無沙汰しました。 この期間、いろいろと書いておきたいことも多いのですが、私は無事に?SSWを続けています。とはいえ、学校はいくつか変わり、一緒に働く人は増え、どうしてそうなったという環境の中で相変わらずわたわたしています。開拓地を開墾して畑にしたら、次の開拓地に送り込まれるような人事異動でした。 今の学校には、3人のワーカーがいて、周りの学校を何校も担当するスタイルです。ただ、4月から新たにスタートしたところなので、まだ積極的に外には出ておらず、いろんなところへの挨拶回り
今日は卒業式でした。この一年、あいつやこいつといろいろ面倒見た子たちも卒業式。すんなり出たのもいれば、どうしてもダメで会場後方に陣取ったのも、別の時間に別の部屋(校長室で式次第も作り直して!)でやったのも。いろいろ事情があってそうなる子たちに、うちの学校はとても柔軟に対応してくれるのでありがたいです。 何だか、肩の荷も少しばかりおりた気分になりました。SSWが抱えがちと言われながらも、卒業で一つの節目で、他機関にというのがオーソドックスな感じかと思います。 とある先生が「
SSW犬田です。今日は学校行かない子の集まりの日。午前中ですがたくさん来てました。 やってることはババ抜きUNOにバカ話。音を出さずに音ゲーやってたのもいたし、いきなり筋トレしはじめてたのもいたし、まあ自由です。 でも、「居場所は人だ」と思うのです。ずっとスマホでゲームしてるなら家でやればいいけど、そこに来てるってことは、家にはない何かがあるのでしょう。犬田はそれを人がいるからだと思ってます。 SSWがいるからたまたま学校と繋がってるだけで、それが近所のおっさんおばさんで
友人関係がこじれて学校にいけなくなった子がいました。クラス替えをするタイミングなら、少し配慮もしていただいたりすることがあると思い、SSWからそれを伝えていたのですが、 「このまま苦手なことから遠ざかると強くならないので、同じクラスにしました」と説明された親御さんがいたのです。親御さんが今日、打ち明けてくれました。クラス替えのとき、なんでこうなったのか疑問でしたが、ここまで気を使わせて黙らせてしまったことを、反省しました。 クラスの中でもサポート役を立てたりしたらしいのですが
ずっと学校に行ってない小学生がいます。この子、放課後の時間には会えまして、いろいろな話をしていました。 今日も放課後に行ったのですが、思い切って「ちょっと今から学校行ってみるか」と提案すると、すんなり行ってみるって返事でした。担任の先生がいましたので、そのまま教室に行ってしばらくお話。私は、あまり入らないようにしてました。 先生には先生の誘い方があるので、基本的には学校の中では私は黒子に徹するのですが、連れ出して放課後でも学校に来るまでは、頑張ってやってます。その代わり、学校
今日は学校行かないやつらの集まりの日。これをやっている噂をききつけて、不登校支援の団体から視察が来ました。でも、ホントに適当に集まって適当に遊んで話して冗談言い合ってるだけなので、見に来たところで参考にすらならない気がします。そこにいる子達は学校にほぼ行ってないけど、それなりに明るくて辛辣で優しくて冗談がわかる子たち。普通なのです。普通の子どもが集まって遊んでるだけ、そこにSSWがいるってだけです。 今日は寒くて参加者少なめでした。でも、こういう日は盛り上がります。かかわる
福祉の業界にいる方なら普通に出たりすることがあるケース会議ですが、学校の中でとなると必ずしも一般的ではないものです。 とある学校の校長先生にケース会議やりましょうとお願いしたら、校長、教頭、教務主任、学年主任、担任、栄養士、事務員まで呼ばれそうになったことがあります。これだとほぼ職員会議ですね。その時は教頭と担任にお願いしましたが、確か校長も同席したと思います。校長はそこでいろいろ情報を共有し、役割分担がされていくのを見て、うわーすごい!と感嘆してました。 生徒の学外、家
学年にはいろいろな生徒がいます。普通に学校に行く子、行かない子、行ってるけど教室が無理な子などなど、生徒の数だけパターンがあるのですが、毎日学校に行ってるのに問題がある子ってのは、表に出にくいなぁと思いました。先生の立場からすると「来ていればいい」とか「教室にいればいい」みたいな考えもチラチラするんですが、教室には座っているけどずっと消しゴムを練り続けていたり、学校は皆勤だけど集団がダメで別室とか保健室が定宿になっていたりなど、傍から見ると本当に大丈夫か?と思う子でもスルーさ
今日、担当している学校の先生が会いに来てくれました。小学校の不登校支援室を作るには?なんてテーマで論文書いてるとかで、いろいろと見てきた結果を書いてるとのことでした。見せていただいたんですが、納得するところがかなりありました。 例えば、校内に不登校支援室を作るとして、それは勉強をすることに重点を置くのか、それとも居場所的な機能を強くするのかということもあるし、学校の中に作るとどうしても勉強にウエイトが重くなるために活用しにくくなるとか、場所を用意しても倉庫の一角みたいなところ
あんまり学校行ってない子の集まりの日。 普段生徒がまだ授業をやってる時間帯に、学校の近所にある自治会館で集まっています。 市がやっているわけではなく、教育委員会がやっているわけではなく、sswが家庭訪問の延長でやっているような、要するにとてもゆるい集まりです。 今日もカードゲームをやりながら色々な話をしました。最近のニュースから好きなゲームの話題まで、振れ幅はすごいのですが、楽しくやれています。 ここが集まり始めておよそ1年。一番の古株が「中3になったら学校行こうと思う」と