臨床開発モニターとのお付き合い
こんばんは、治験のいぬです。
今日は、僕たち治験コーディネーターのバディともいえる、臨床開発モニター (CRA : ※1) について、お話したいと思います。
僕のかつての先輩は言いました。
・・・血の気が多くて怖いですね。
僕はモニターと言い合いや殴り合いをしたことはなく、
案件が終わったあとも飲みに行く仲になることが多いですが、
モニターと”バトル”するCRCが多いのも事実です。
患者さんのことを守るために心を燃やすあまり、燃え上がった結果、モニターに飛び火するんですね。
…感情コントロール、本当に大事ですね。
さて、僕の認識は…先輩とは少し違います。
モニターとは、
「試験のことをよく知ってくれている、ビジネスパートナー」です。
医療機関に来てくれただけで嬉しいし、
一緒に医療機関に最適な運用を考えたい。
CRCは一度に10件程度の治験を常に並行して抱えていますが(僕だけ?)、
モニターは1つの治験を長期間担当するので、知識量が圧倒的です。
こんな人が医療機関に来てくれたら、何から何まで聞きたくなってしまいます (最低限調べよう・・・)。
僕はテニス以外のスポーツは未経験なのですが、CRCとモニターの関係性は、基本的なルールを知っている人と同じレベル感で試合する感覚に似ています。
もちろん、勝ち負けは無いのですが、一緒に対戦することで楽しさや「やるなぁ」と感じることがありますよね。
そんな感覚に似ています。
もちろん、僕は関連法規にまだ習熟しきっていないモニターも大歓迎です。
そういった場合には、僭越ながら、
僕がお伝えする立場を担うこともあります。
これもスポーツと一緒ですね。下を育てる素地もある。……ある場所には、ある。
臨床開発モニターというくらいなので、
監視するためにはルールや法規を知っていないとダメだと思われがちですが、
最初から完璧な人はいません。
そもそも、彼らの仕事は「医療機関で治験が適切に実施されているかどうかをモニタリングする」なので、
医療機関で治験が適切に実施されていることは大前提なんですよね。
実務上、ルールや法規・運用に詳しくなければならないのは、
どちらかというとCRCということになります。
業界としては、ベテランCRCには新人CRA、
新人CRCにはベテランCRAを付けるという雰囲気もあります。
CRCもCRAも2人とも関連法規を知らない場合、
重大な法規違反を見逃し、患者さんの不利益につながるからです。
僕が新人の頃にお世話になったモニターさんは、5年を過ぎた中堅さんでした。
穏やかで、何を聞いても頼りになる、そんな方でした。
今も激務をこなしているのでしょうか…。
今では僕がCRC側の新人指導をする立場になりましたが、
いつかまた一緒にお仕事をして、その時には彼に恩返しをしたいと思っています。
CRCは仕事の特性上、「社内で自分の仕事に一番詳しいのが自分」という状況になりがちです。
そのような状況で、社外であっても自分と同程度に詳しい人が居るというのは、とても心強いものです。
(自分の試験で手こずると、上司よりも先にCRAに連絡することが多いです)
いつだってモニターに思いを馳せながら (?) 仕事をしています。
やっぱりモニターは僕たちの最高のバディなんだなぁと思いました。
最近はモニターさん達に心を動かされる経験も多いですが、
変わらずお付き合いを続けていけたら良いなぁと思っています。
*Clinical Research Associate : 臨床開発モニター。単にモニターとも。医療機関で適切に治験が実施されていることを確認し、その報告書を作成する。薬学系や看護系の出身者が多い。
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