2024年2月~3月初め 中古でゲトって良かった日本語ラップ+Mix CD
短めのまえがき
あけましておめでとうございます。デカめの犬と申します。
先月は渋谷と横浜を始めとしたディスクユニオンに行くことが増え、置かれている音源も良いものばかりで非常に実りのあるディグになったのでここにまとめておきます。
以降は「アーティスト名 / アルバム名 from レーベル名 (発売年)」の表記で紹介していきます。
日本語ラップ音源
①DINARY DELTA FORCE / SOUNDTRACK TO THE BED TOWN from DLiP RECORDS (2010.8.4)
藤沢発、煙たいビートが光るDINARY DELTAの1st Album!MVも上がっているtrack14「BED TOWN ANTHEM」だけでなく、個人的にはtrack7「WEESKY PARK」、track10「牛糞」なんかも相当カマせてると思う。今更平成日本語ラップを掘ってるようなヘッズ、特にMONJUを始めとするブーンバップに魅せられてる奴は必聴レベル!
これ以降のNAGMATICのビートは曲によってかなり好き嫌いが別れてしまうんだけど、このアルバムは全部ヤバい。というかDLiP界隈はこれとあとMILES WORD聴いておけばいい気がする。出来過ぎた長男を持つと…ってやつ。知らんけど。
②THINK TANK / BLACK SMOKER from BLACK SMOKER RECORDS (2002.4.28)
黒すぎ飛びすぎ煙たすぎ!どうあがいてもヤバすぎる一枚。なんでコレをちゃんと評価できてなかったんだろう…。昔見た動画を気まぐれに開いてみたらあまりにヤバい音がウーファーを震わせたために、これを○○で聴くのはさすがに失礼と思い即購入(「昔見た動画」についてはアルバム名で検索すると出てくる可能性があるがあくまで非推奨)。なんでか知らないけどまだ公式ストアで買えるらしいこれ!余談だけど初めて大〇をジャケに使った日本語ラップとのことで……。
THINK TANKは"言わずと知れた"日本語クラシックの部類。実質的なリーダーとも言えるK-BOMBは、今じゃレジェンドとも評されるBUDDHA BRANDの面々などともつながりがあり、音源ではNIPPSにフィーチャリングされたGod Birdなどが有名か。後述するDJ SASの回顧録によるとあくまでTHINK TANKのメンツは日本語クラシックレジェンドの面々の後輩的立ち位置だったらしいが。
表題曲のtrack6「BLACK SMOKER」は最も煙たい仕上がりで、これがtrack5までの純粋なクラシック感と、以降のTHINK TANK特有な咳込むような煙たい流れの分水嶺的存在になっている。track5「BBQ STYLE」、バースの移り変わりが流動的でK-BOMBが好き放題やってるtrack9「CHAIN SHOT」、シンプルなビートでかましてくれるtrack11「POT」、K-BOMBがやや早めビートの上をまるで"吸った"後の指のごとく粘っこくノり回すtrack12「HIMALAYAS ROAD RACE」も超良い。てかこんなんじゃとても言及しきれないボリューム。こんなんマンチで食べたら一撃で大満足しちゃうぜ?
track6のNoxパートとか超いいんだけど、THINK TANK自体はNox脱退によって事実上の解散になったっていう……。K-BOMBもあの人なりの音楽性を追求しすぎて、「もう他の奴らがノれないビートになっちゃった」つってたみたいだし。リスナーが望むクオリティでの復活はもう無いのかな~と、悲しいね。
③K-BOMB x OLIVE OIL / TRIPLE SIXXX from BLACK SMOKER, OILWORKS, WENOD RECORDS (2009.12.25?)
K-BOMBによるTRIPLE SIXをOlive Oilがリミックスした限定666枚の盤……のはずなのだが、黒色ケースの盤はシリアルが入っているのに対し黄色ケースの盤はシリアルが入っていないらしい。実際私が入手した黄色ケースの盤のシリアルは「XXX / 666」となっていた。どうやら黄色ケースは後発で売られたものらしく、666枚より多く販売されていたんだろうか?の疑問が思い浮かぶが、情報が少なすぎて詳しいことは不明。
THINK TANKでも共にラップしていたJUBEとのユニットTHE LEFTYによる、TRIPLE SIXtrack10「Clinic」は当時ライブでも既にキラーチューンと化していたようだが、このアルバムでのRemix、track9「Clinic…What About Bob?」はOlive OilがK-BOMBのグルーブ感を完璧に読み取った上でRemixしたような、目を見開いてしまうような仕上がり。電子音主体の暗めビートの上でラップが流れたと思えば、JUBEとK-BOMBが入れ替わり立ち代わりでラップするパートの下に、ジャズからのサンプリングであろうシックなピアノの音が流れ出す。鳥肌。track4「Mr.Kato」、track7「Bixyousicya」(「描写」?)なども筆舌に尽くしがたい。Instrumental音源も含まれている点も非常にありがたい。
Mix CD
④Budamunk / Feel Good Mix 3 from レーベル無し(WENOD, 手売り) (2014.3.28)
WENODの紹介文を引用する。
こんな一文で終わらせていいMixじゃないだろ!?!?元々私はBudamunkのFeel Good Mix 1(検索したら出てきます。法律を鑑みて"非推奨"と言っておきます)が大好きでこのシリーズを追っていたが、こと春の表現としてはこのMixは確実にvol.1を上回るMixに仕上がっていた。
「春を感じ」たい時とはいったいいつであろうか。お花見?確かにそうだ。野原に寝っ転がってそよ風を浴びている時?それも気持ちいいだろう!だけど違う。日本において「春を感じ」たい時とは、冬まっただ中だ。家のドアの鍵を閉め、駅まで歩き、やっと乗った電車の足元のヒーターの熱を感じながらこのMixを聴いたとき、そこには確実に「春」の本質がある。
最近になって気がついたが、BudamunkによるMixは曲の移り変わりによって情緒を表現するのが異様に上手い。MUROであれば曲のジャンルや何かしらの縛りを通してある一つのメッセージや想いを伝えるところを、BudamunkのFeel Good Mix系統では、ある一日の情緒の変化を的確に捉えているような構成になっており飽きが来ない印象だ。もちろん並のDJではこのディグ力+曲のつなぎ方は到底真似できないだろう。過去のビートのサンプリング元と同アルバムからの選曲など、DJとしての好みが見えるのもオタクとしては垂涎モノ。見かけたら是非買うべき。Feel Good Mix 2と4は見かけても買うなよ!俺まだ持ってねえから!
⑤MURO / DIGGIN' ICE 96 from 11154 (2016.7.30)
国内外のヘッズがKING of DIGGIN'と認めるMUROによる最名盤!気持ちいいと言う他ないグルーヴ感はもちろん、各曲も押さえておくべき名曲揃い。洋アーティストの中に山下達郎なんかもいて、音楽としての質を求めた上での黄金メンツといった構成。雰囲気的には午後の首都高、海の見えるエリアがドハマりだろうか、優しい陽射しを浴びながら聴きたい盤だ。CD音源は2016年に発売されたものだが1996年に出たカセットテープは希少すぎて市場にあまり出回らない。このカセットテープはKANDYTOWNのメンツも仲間内で回して聴いていた(元はKIKUMARUの所有物?だったが生前のYUSHIが電車内でクソデカいデッキで流していたり、現所有者はIOだったりする)ようで、彼らの秀でたグルーヴ感の根幹にコレがあると色々と納得がいく。
この盤ももちろん非推奨だが、検索してみるといいことがあるかもしれない。
余談だが、2024年3月5日時点で渋谷のディスクユニオンに同盤が3枚(私が購入したものを除いて2枚)、加えてMUROのCDリリースのMixがほとんど全て置かれていた。MUROについてサーチかけて何かの間違いでこのNoteにたどり着いた人間は今すぐ渋谷ユニオンへ向かった方がいいかもしれない。この点で意見や指摘がある場合はX(旧Twitter)まで連絡していただけるとありがたい。何か変化があった場合は追記にて修正したいと思う。
⑥MURO / Taste of Chocolate R&B Flavor vol.3 from 11154 (2005.12.22)
⑤と同様MUROによるMixシリーズ「Taste of Chocolate R&B Flavor」のVol.3!Vol.1は持っていたんだけどVol.2が異様に高くて断念……。結局Vol.3だけ買うっていう情けないことになったけど、内容的には大満足!
MURO's Blend名義でのR&Bの名盤のRemixを使っていたり、過去のMixにも使った曲のRemixを組んでいたりと、MUROのMixが好きな人間にはたまらない1枚。MUROファン即死!!
音はかなりアーバン寄りで、クラシックなR&Bの名盤で組んだVol.1を死ぬほど聴いた私にとってはかなり新鮮で楽しいMixだった。下手したら今後diggin' ice 96よりもリピートする盤になる可能性まである。必聴。
⑦dj SAS / COOK BOOK page #8 It's been a long time MIXCD from BLACK SMOKER (2019.4.30)
dj SASはクラシックな日本語ラップシーンでNaked Artzというクルーのメンバーを務めていたDJ。Naked Artzとしては1枚しかアルバムを出していないようで、今からするとややマイナーなアーティストになるだろうか。
ともかく、Mixとしてはカラフルでフルーティーという表現が最も合うだろうか、日本語ラップレジェンドが集まっていた伝説のレコード屋「CISCO」で買い付けを担当していたdj SASが聴いてきたであろう、「黄金のグルーヴ」をそのままリスナーにぶつけてくれるような1枚。多幸感に包まれること間違いなし。
これ系のMix見てて思ったけど、5lackのBlacksmokecar MixもレーベルBLACK SMOKERだったんだね。浅すぎて気づきませんでした。
⑧OLIVE OIL / HUMAN or HiGHeR from BLACK SMOKER RECORDS (不明、2010~2012?)
雰囲気は真っ黒、その上でOlive Oilのもはやおぞましいまでの極彩色なビート上にK-BOMBを始めとするラッパーのアカペラ音源などが置かれて行くMix CD。曲ごとの明確な区切りも存在せず、ただ、宇宙にある超空洞を揺蕩いながら遥か遠くの星の電波を受け取っているような気分になることもある。魔作と言う他ないが……その分、グルーヴ感に関しては無類。
BLACK SMOKER RECORDSのMixってことで衝動買いしたが、明らかに深すぎる1枚。急にTHINK TANKの音源の1バース目が始まったりするところも面白い。K-BOMBのラップとOlive Oilのトラックの親和性は③の時点で知っていたから、そりゃ~悪くなんて絶対ならないよなと思えた。知らんけどK-BOMB関連深めたいなら必聴な気がする。
番外
四街道ネイチャー / V.i.C Tommorrow
最近で言うJevaみたいな、下ネタとかも入れて、あくまで「しょーもない男性ひとりとしての心情」みたいなのを歌ってて、しかもtrack3「既に早まる死期」(検索非推奨)はJUSWANNAのメシアTHEフライ「東口のロータリー」と同ネタだったりしてかなり楽しいアルバムなんだけど、全体で聴くとどうしてもイマイチハマれない(ビートのせいでは決してない)。置いて変わる系の音源とも思えないけど、とりあえず少し置いておく。
Budamunk & Fitz Ambrose / BudaBrose mix
音が落ち着きすぎ。良いとは思うんだけど、Mixとして合う場面を探すことができなかった。
I-DeA / Da FRONT and BACK
ニコ動でしか聴けないJUSWANNA / Mad in Japan A.k.a Bad Ninjamanモクで購入。まだちゃんと全体を聴き込めていないので番外扱い。JUSWANNAのサブスク配信されてる曲聴いてからならガチ必聴!非推奨!!
あとがき
てーことでー、あざしたー。また書きたくなったら書きます。なんかあったらX@0ren1kamaunaの方に送ってください。
そんじゃ。デカめの犬でした。