intoxicate映画情報(8~9月公開作品)
ナミビアの砂漠
わずか19歳という若さで撮影、初監督した『あみこ』(2017)は、各国の映画祭で評判となり、坂本龍一もその才能に惚れ込むなど、その名を世に知らしめた山中瑶子監督。その山中の本格的な長編第一作となる本作で、主役に抜擢されたのは、飛ぶ鳥を落とす勢いの新時代のアイコン、河合優実。今年のカンヌ国際映画祭にて、女性監督としては最年少で国際映画批評家連盟賞を受賞する快挙を成し遂げた、要注目作品がいよいよ公開に。
箱男
原作は作家・安部公房が1973年に発表した小説。幾度かヨーロッパやハリウッドの著名な映画監督が映画化を試みたが、安部公房サイドから許諾が下りず、企画が立ち上がっては消えるなどを繰り返していた。最終的に安部公房本人から直接映画化を託されたのは、鬼才・石井岳龍(当時は石井聰亙)だった。1997年には一度製作が頓挫したが、くしくも安部公房生誕100年の年に映画『箱男』が遂に解禁!主演には27年前と同じ永瀬正敏。
美食家ダリのレストラン
本作は、“もし、サルバドール・ダリと伝説的な三ツ星レストラン「エル・ブリ」の料理長、フェラン・アドリアという2人の天才が、同じ時代に活躍していたとしたら...?”そんな斬新かつ興味深いアイデアから生まれた。舞台は1974年、フランコ政権末期のスペイン。脚本も兼ねたダビッド・プジョル監督は、美術と料理という双方の要素を最大限に取り入れ、それらを融合する魔法のようなレストラン・エンタテイメントを完成させた。
至福のレストラン 三つ星トロワグロ
94歳の巨匠フレデリック・ワイズマン監督の最高傑作。フランス・パリからロアンヌへ列車と車を乗り継いで、4時間の旅。樹々や湖に囲まれた印象派の絵画のような村ウーシュに、世界の美食家たちが、生涯に一度は訪れたいと夢見る三つ星レストラン、「トロワグロ」がある。親子3代で55年間ミシュランの三つ星を持ち続け、グリーンスターに輝く「トロワグロ」。その驚異の秘密に迫るドキュメンタリー。
きみの色
社会現象を巻き起こした『映画けいおん!』(11年)、国内外問わず高い評価を受けた名作『映画 聲の形』(16年)、両作品の監督を務めた山田尚子は、稀有な映像センスと、小さな心の揺れ動きさえ表現していく繊細な演出で、全世界から最も脚光を浴びるアニメーション監督の一人。待望の最新作となる『きみの色』は、山田監督が最も得意とする「音楽×青春」の物語。主題歌はMr.Childrenが、本作のために書き下ろした「in the pocket」。
パリのちいさなオーケストラ
指揮者を目指すアルジェリア系のザイア・ジウアニが、パリの音楽院への編入をきっかけに、元ベルリン・フィル首席指揮者であるセルジュ・チェリビダッケに指導を受け、時に厳しく時に温かく対話を重ね、音楽を学ぶ。本作は現在も精力的に活躍の場を広げているディヴェルティメント・オーケストラを立ち上げた一人の少女と仲間たちの物語。数々の美しい音楽が、実際に演奏しながら撮影され、ライヴ感溢れ心躍る感動作が完成した。
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