米国司法試験合格日記 1
前置き・自己紹介
数年前に米国の司法試験に合格し、米国弁護士として勤務していますのでその際の受験記録、勉強方法を記憶を頼りに記載していきたいと思います。
まず前提として、私は純ドメスティックの日本人です。米国ロースクールに留学してLL.M.を取得しました。TOEICは合格時には900点代でした(これは留学した人はほとんどその位の点数になります)。
米国司法試験 (US Bar) の難易度
米国司法試験の難易度ですが結論から申し上げるとかなり難しいと思います。私の場合は特に英語が課題で最後まで悩まされました。ネイティブの人の6から7割の人が上がる試験とは言えまず分母はJDと呼ばれる3年間ロースクールに通った人々です。また彼らのほとんどが英語ネイティブです。私たち日本人LLM取得者は両方兼ね備えていないので大きなハンデがあると考えるべきです。どのように算出したか覚えていませんが海外のLLM生の司法試験合格率は5%程度だったと記憶しています。ロースクール内で聞いたところによれば米国司法試験も10年選手の方もいらっしゃるようです。
英語本当にネックでライバルであるJD生がストレスゼロで英文を読む間私たちは英文を読むだけで頭のエネルギーを消費すると共に、読む速度も1.5-2倍程度は遅くなるので大きなハンデを負います。米国のスクールに留学するかで米国司法試験の勉強をするにあたり英語力も多少上昇しますがそれでもかなりのハンデになります。つまりそれらのハンデを補うだけの法律知識が必要です。すなわち法律知識においてJD生よりも多くの知識が必要となります。
なので生半可な気持ちでLLMに来ると後々必ず後悔することになりますので米国弁護士試験まで受けるかどうかを含めて事前に検討すべきです。
米国弁護士の取得メリット
ただし、米国弁護士になれた際はそれなりのメリットを享受することができるといえるのでコストパフォーマンスに関しては日本の弁護士よりもかなり高いと考えています。逆に言えば日本の弁護士のコストパフォーマンスが低すぎると言わざるを得ません。
日本の弁護士は完全に市場が崩壊していて需要が低すぎるのにもかかわらず供給型に陥っており完全にレッドオーシャンで今から目指す価値は全くないといえます。具体的には日本は訴訟社会ではなくまた人口も減少傾向にありますので一般的には弁護士に関する授業は先細っていくと考えられます。にもかかわらず旧司法試験と支度して合格者を約2倍の数に増やしたため需要以上の供給が発生し市場の給料が下がり初任給300万円と言う弁護士も登場してきています。すなわち弁護士と言うだけでは安定した収入を得ることができず実務経験などの+ αが必要となってきます。
またそもそも日本国と言う国の信頼性も揺らいできています。現時点で某国が台湾に戦争を仕掛ける可能性が出てきていますがもしそうなると米国と某国との戦争になります。と言うことは日本と台湾が米国と某国との戦争の緩衝地帯となります。その戦争の結果いかんによっては日本と言う国自体なくなるまたは大きく国力が減少する可能性が大いにあります。日本法は日本でしか通用しないものですからもしそのような事態が発生すると日本弁護士の価値は大きく減少します。
以上に引き換え米国弁護士はどうでしょうか。確かに米国弁護士の数が非常に多いのですがそもそも米国が訴訟社会であり需要も非常に多いと言うのが特徴です。某皇室関係で米国司法試験を受験されていた方もプロフィールに記載されていた通り日本語ネイティブと言うのは大きな武器になります。実際に米国で米国弁護士として働く場合には基本的にJDが必要なのでLLMでは難しいのですが、日本企業で働いて再訪問を中心に行うと言う場合には米国弁護士は大きな武器になります。それを持っているだけで英語ができると言う証明にもなりバイタリティーがある、一定の高い能力があるということの証明にもなるからです。また、LLMでもあっても日系の弁護士事務所だったりツテがあれば十分に働く機会があります。
またアメリカと言う国ついてはどうでしょうか。アメリカは2022年時点現在において世界最強の国でありかなりピークをつけたとは言えまだ10年ぐらいは経済成長余地も残されています。某国との戦争等により国力が削がれたとしてもアメリカと言う国がなくなる事はないでしょう。すなわち、米国弁護士と言う資格について一定の需要が発生し続けるのです。
私は日本の弁護士をとっていないので何とも言えませんが一般的には米国弁護士司法試験の方が日本の司法試験よりも優しいとされています。そのことから米国弁護士の方が日本の弁護士に比べて圧倒的にコスパが高いといえます(少なくとも現時点では)。
長くなってしまったのでロースクールでの生活や米国司法試験の勉強は次回以降に続きます。
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