潰さない特化型美容室の作り方
ご存知のとおり、日本に美容院はめちゃくちゃ多い。
コンビニより多いなんてのは朝飯前で、日本中の全ての信号機の数より多いというから驚きだ。
そんな超・飽和状態の中で自分の店を見つけ、選んでもらうことは容易でないことは明らかだ。
利用者側からしても、行きたい美容院を「選べない」「見つけられない」というのが現状だろう。
要するにこれから美容院が生き残っていくには
「見つけてもらう」
そして、その中から
「選んでもらう」
という2つが美容院経営のポイントになる。
この2つを叶える有効な方法に、
【特化】するという手法がある。
ではどのようして特化した美容院を作っていけばよいのか。
『薄毛』に特化することで、現在10店舗にまで拡大・成長を遂げた薄毛専門美容院INTI(インティ)代表の宮本が特化型美容院の作り方を自身の経験を踏まえまとめてみた。
特化することのメリット3選
まず最初に『特化』することの主なメリットを3つお伝えしたいと思う。
特化することの恩恵は多岐に渡り3つどころではないのだが、まずはイメージしやすいものだけに絞って紹介する。
①集客力があがる
例えば弊社の場合、集客は全て自社メディアのみとなっており、ホットペッパー等への掲載は一切していない。
それでも月200名以上の新規のお客様が来店する。
では、なぜ特化すると新規が呼べるのか。
それは『薄毛』に特化したことにより、露出が増えお客様の目に止まりやすくなったからだ。
・検索サイトに見つけられやすくなった
・お客様が見つけやすくなった
・メディア媒体にも見つけられやすくなった
ということだ。
順を追って説明する。
まず、
特化したことによりINTIのホームページ上の至る所に『薄毛』というワードが散りばめられ、検索エンジンに認識されやすくなった。
実際に『薄毛』『美容院』で検索するとINTIはトップに出てくる。
そうすると、
お客様に見つけられやすくなった。
特にコンプレックスの悩みを抱える方が、ホットペッパーで美容院を検索することはないだろう。
きっと、Yahoo!やGoogle、YouTubeのような検索エンジンで、『〇〇(コンプレックスなこと)』『髪型』や『美容院』で検索するのではないだろうか。
さらに、
新しい情報を探しているのは薄毛に悩む方だけではない。
各メディアも新しいネタはないものかとネット中を探している。
見つけやすくなっている状態であれば、メディア露出の確率も飛躍的に上がり、さらに新規集客に拍車がかかる。
②再来率が高くなる
特化しているとお客様が求めているサービスがはじめから明確になりやすい。
男性専用薄毛専門美容院に特化しているINTIで例えるなら、来店されるお客様は100%男性かつ、100%薄毛で悩まれている。
そうなると提供すべきサービスを明確にすることができる。
一方で多くの美容院は、そのお客様のニーズを探るという行程から始まる。
前者と後者。
お客様の心を掴むことができる確率が高いのはどちらかは明白である。
それは現に数字に現れる。
一般的な美容院の新規リターン率が50%(クーポンサイト利用してるサロンだと20〜30%ではないだろうか)行ったら凄いと言われているが、INTIの場合は70%を超える。
これはINTIだから特別というわけではなく、特化することでお客様のニーズと美容院が提供するサービスのマッチング率が高くなることにある。
③美容師寿命が長くなる
特化するというのは何かを突き詰めていくということ。
一般的な美容院では『今』の技術が好まれるが、特化型美容院の場合は『匠』の技術が好まれる場合が多い。
年齢を重ねても流行りを追い続ける必要はなく、その技術の匠となった美容師は永く指名され、一般的な美容師より長く一線で活躍できることだろう。
特化型美容室のつくり方3step
特化することのメリットはご理解いただけただろうか。
私はここ数年の間に、何かに特化する美容院がますます増えていくと予想している。
特化する美容院が増えれば、その中でも競争が起き、上手くいくお店とそうでないお店に二極化していくことだろう。
ここでは、どのように進めれば競争に勝てる特化型美容院を作ることができるかを、私の経験を交えながらお伝えできればと思う。
①何に特化するかを決める
これはずばり『悩み』にフォーカスしたほうが良いだろう。
美容院の悩みは
「薄毛」「くせ毛」「白髪」のような直接髪に関わるものもあれば、
「子連れ」「介護」「犬連れ」など生活環境に関わるもの。
それ以外にも
「お金」「性別」「年齢」など美容院を選ぶ時に障壁となっているものは意外と多い。
それらの中から何に特化するかを選んでいくのだが、なるべく自分がそのペルソナとなりうるものを選んだ方が良い。
特化するものを決めたら次にペルソナを設定していく必要があるが、そのペルソナが自分とかけ離れてしまっていると全て想像で考えていくしかない。
「たぶん」や「だろう」などの想像ほど当てにならないものはないので、自分がリアルに困っていることやターゲットの心情が理解できるものにしておく方が無難だ。
②ペルソナを決める
次にその店に来店するであろう、もしくはして欲しいターゲットの人物像(ペルソナ)を決めていく。
年齢や性別、背格好、住んでいるところ、年収、よく聞く音楽などその人物があたかもそこにいるかのようなイメージが湧くほどにまで、なるべく細かく設定をしていく。
このペルソナが今後とても重要になってくるので、しっかりと設定して欲しい。
前述したが「たぶん」や「だろう」は当てにならない。
自分がわからなかったらそのペルソナと近い人にヒアリングするなどして情報収集をはかろう。
③提供するサービスを決める
特化するものとペルソナが決まれば、次は提供するサービスを決めていく。
あれこれ盛り込みすぎると、何に特化してるのかがぼんやりしてくるためあまり付け足さない方が良い。
ペルソナが必要なサービスにはとことんこだわり、不要なサービスは極力排除しよう。
出店場所や店内音楽、ホームページも含め、決めることの全てをペルソナのために設定していく。
特化型サロンをつくるなら自分の趣味嗜好は入れない方が良い。
自分好みの「趣味の店」になってしまうからだ。
そうなると勝ち目はない。
最後に
どうだっただろうか。
細かく書き出すと本当にキリがないのでザックリとだがまとめてみた。
これからサロンを出店する人や、集客に苦戦している人はぜひ『特化』することも検討してみて欲しい。
まだ美容業界で手をつけられていないブルーオーシャンはきっと『特化(そこ)』にある。