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生きていれば色々な人に出会う。
笑わせてくれる人、涙を流してしまう人、
たくさんの人がいると思う。

そんな中で、私は 光 を見つけた。






2024年1月頃、私はいじめに悩まされていた。

いじめと言っても物理的に害があるものでは無かったけれど、私の心は段々すり減っていってしまっていて いつの日か笑うことすら無くなって
もう全てどうでも良くなって 死んでしまおうかと考えた日も少なくなかった。

何回も誰かに相談しようとしたけれど、誰かを巻き込むのも 親に心配をかけるのも いじめてきた人達に伝わるのが嫌だった。

その時のことを母に聞いたら、「休んでいいよ と言った時にホッとした顔をしたのが今も忘れられない。
あの時期は笑顔がほぼ無かった」と言っていた。


好きなものも好きな人も居なかった当時の私の生活は、多分相当つまらないものだったと思う。
唯一の楽しみと言えば、YouTubeで音楽を聞くことだった。

ある日、いつものように家に帰ってきてYouTubeを開くと おすすめに「MORE」という曲が流れてきた。
チャンネル名を見てみると「INI」と書いてあり、とりあえず見てみることに。
INIと言えば、少し前にCDTVで「HANA_花」を披露していたのをたまたま見かけて「綺麗なタイトルだな」と思った程度の記憶しかない。


再生してみると、まず金髪の人が目に入った。
それぞれ顔はよく分からないけど 多分みんなイケメンなんだろうなと思う。
次に目に入ったのは真っ赤な髪色の人。
こんなに赤すぎる赤があるのかと思ったぐらい赤くて、終わりまでずっとその人しか追ってなかった。
終わったあとに調べてみると、その人は許豊凡という名前で中国人らしい。周りは全員日本人だからきっと話すのも一苦労なんだなと思った。


見た当時の私はさほどINIに興味も示さず名前もなかなか覚えられずだったけど、日を重ねていくうちにあの赤髪の人が頭から離れなくなっていった。
確かに顔はタイプだった。
でもアイドルなんてね……当時二次元のキャラクターしか好きじゃなかったし、そもそも11人とか覚えられたもんじゃない。


数日後、TikTokにINI関連の動画が流れてくるようになった。多分無意識に見てたりしてたんだろうな。
まだメンバーの名前も知らないから、正直見てても分からなくてとりあえずスクロールをしていると、
一本のネックレスを大切そうに持った男の子が流れてきた。


"このネックレスは 僕からしたら普通のネックレスとは違って、世界に一つだけのネックレスなんですけど。  
昔飼ってためちゃくちゃ可愛い犬が死んじゃった時に焼いた後に残った骨をそこの人が「ネックレスに入れてずっと持っておくことが出来ますよ」って言うのを言っていただいて、すごい素敵やなと思って。
これを持っていると 近くにずっと居てくれる みたいな感情になれる 僕のお守りみたいなものでもあります。

この人の名前も、何をしてる人かも知らない。
けどなぜか 画面から目が離れなくて もっとこの人を知ってみたいという気持ちが湧いてきた。

この時のこの人の脳内には、きっと大好きな愛犬の姿が浮かんでいて 亡くなった時のこと、ネックレスを受け取った時のこと全部が蘇っているんだ。


調べてみるとその子は佐野雄大くんと言うらしく、改めてINIについて調べてみると どうもオーディションから出来たグループらしくて、私が見た動画もオーディション時代のものだったらしい。


雄大と出会ってから私の毎日は彩りはじめた。
帰ればあの笑顔が待っているから、学校も少しだけ行く気になれていた。

それでもいじめが無くなることはなかった。
廊下を通れば鋭い視線を向けられ、信用していた人には裏切られた。
割り切れたらそれでよかったけど、臆病な私は何も行動出来ずただポツリと悲しみで息をするだけ。

こんな私を見たら雄大くんはなんて言うのだろうか
話を聞いてくれるかな 寄り添ってくれるのかな
いや、違う 彼はきっと 気づかせようとしてくれるかもしれない。 私がどう変わるべきかを、考えてくれるかもしれない。

そう思った時には 既に私は行動していた。

担任にいじめの事を全て伝えたのだ。
誰もいない放課後の教室 部活をする生徒の声が少し聞こえる中で 私は小一時間話し続けた。

ありがとうございました、さようなら
とドアを閉めて振り返り、そのまま歩き出し
気づけば通学路の途中まで来ていて 横をふと見ると
夕日がとても綺麗だった。

誰にも言えないまま俯いて歩くわたしのままだったら見れなかった景色。
この景色も雄大くんが教えてくれたものだと考えたら、胸がいっぱいで涙が止まらなかった。

雄大くんはこうして沢山の人を助けてきたんだ。








優しくて純粋なその笑顔は、見る人皆を笑顔にする。
ずっと笑っていて欲しいと思える人に初めて出会えた感動と愛おしい存在が毎日を彩ってくれた。

挑戦する事が、誰かを敵に回すことが、失敗をしてしまう事が怖いと良く感じるけれど
雄大くんの存在があれば、私は失敗を恐れず挑戦が出来て 誰かを敵に回すことがあっても優しく寄り添える人間になれる。

雄大くんがそうだから。

先程も書いた「雄大くんはこうして沢山の人を助けてきたんだ」という言葉。
私は毎日実感しているよ。

果てしないと思っていてもいつか終わりは来る。
そんな毎日を大切にする事を教えてくれたのも雄大くんだった。

"代わりはいくらでもいる"んだったら、私はきっと雄大くんを好きでいられなかった。
その生き様が、想いやりが、その努力がこれからの雄大くんの全てに成っていって その優しさを、その共感力を今度はたくさんの人に分け与える。


雄大くんの言葉はきっと魔法で、欲しい言葉をくれて、色んな人の心を動かしてしまう。


そんな貴方が、私にとってのたった一つの光。
迷った時には暗闇に差し込む一本の光になり、
前に進む時には私を照らしてくれる光になる。



多分、どこに居ても貴方の声は届くし
これからも誰かを救い続けていくと思う。

そんな人を応援出来たこと、今貴方と同じ時代に
生きていられること

全てを奇跡だと感じながら、私は今日も胸を張る。

これからも、雄大くんがめいいっぱいの愛で包まれながら笑顔で居られますように。



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