サウジアラビアへ行った話【Part4/4】2023サウジ遠征
「人間の身体はエコノミークラスでの10時間フライトに耐えられる構造をしていない」。私はそう声高に主張したい。
東京~マニラ~リヤド
東京からサウジアラビア国内への直行便は運行されていないため、私たちはマニラのニノイ・アキノ国際空港で乗り継ぐプランを選択した。
ところが!人間の身体はエコノミークラスでの10時間フライトに耐えられる構造をしていないのだ。
マニラからリヤドまで10時間、隣は延々と貧乏ゆすりに勤しむ外国人という状態は、夜行バスでの移動に慣れた私でもさすがに音を上げたくなる。
足元は寒いし、腰は悲鳴をあげているし、背中は蒸れるし、お腹は空いたし……
アマプラ、dアニメストアとLINEミュージックをお供に耐え切った自分を褒めてあげたい。皆さんも黙って見てないで褒めてください。
同じ飛行機には、サッカーチームを応援するためだけにサウジアラビアへ行く頭のおかしい方々が乗っておられた。私もだが。
中継のマニラでは、主張の強い柄をしたネックピローを購入した。この子のおかげで私の首と肩は一命をとりとめたと言っても過言ではない。
「I❤ MANILA」の呪力がなければ、10時間フライトの途中で私の胴体と頭は分離していたことだろう。
サウジの交通事情
リヤドの公共交通機関は絶望的なまでに貧弱(というより無)なので、移動は専らUberタクシーに頼ることとなる。サウジ政府、金あるんだからどうにかしてくれ。
普通のタクシーもあるが、(特に気の弱そうな日本人は)ぼったくられることがあるという。よって、走った分の料金だけクレジットカードで自動決済できるUberタクシーのほうが安心だし、何より運賃が驚くほど安い。ホテルからキング・ハーリド国際空港まで約40キロを乗車して、たったの3,300円である。ただし、運転がとても荒い。
そう。運転がとても荒いのだ。一般道で当然のように80キロも出しているのを見て卒倒しそうになった。急な割込みもブレーキも頻繁にあり、常にクラクションの嵐。車線変更でウインカーを出す車はせいぜい2割といったところ。道路の整備が追い付いていないようで、渋滞もひどい。
正直、強盗の類に襲われるよりも交通事故に遭う可能性のほうが高そうである。
次に行くときには、多少でもマシになっているだろうか。
ちなみに、地下鉄を建設中とのことだが、果たして。
リヤド~マニラ~東京
「帰るまでがアウェイ遠征」。Jリーグのサポーターはよくそう言う。
私たちはもう一度気を引き締めて帰路についた。
リヤド~マニラは、HISツアー(飛行機や宿の手配をしてくれる)の方々と同じフライトで、知った顔もいた。免税店でお土産(といってもデーツくらいしかない)を買って、自動販売機で水を買おうと並んでいると……
長身のアラビア紳士が水を買って、後ろに並んでいた私たちに渡してきた……!なんと、見知らぬ外国人である私たちに5リヤル(約190円)もする水をプレゼントしてくれたのだ。しかも、超スマートに。やっぱり心に余裕のある大人は違うなあと感心してしまった。オチはありません。
絶対またサウジアラビアへ行く話
サウジアラビアは暑いけれど、想像していたよりもずっといいところだった。サウジアラビア人は紳士で、運転は荒いけれど親切で、夜行性だった。
今回の旅では、サウジアラビアの首都リヤドとその周辺しか訪れていない。次にサウジアラビアへ行くときは、ジェッダやメディナにも寄ってみたい。
サウジアラビアへ行った話、そして絶対またサウジアラビアへ行く話でした。またね、サウジ。