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「話は尽きない─チャットから始まった私たち」公募インタビュー#18

〈薫さん(仮名) 2020年8月中旬〉

薫さんは15年前にネット上で知り合った方と結婚して11年目。パートナーとの出会い方は少し特殊で、大っぴらに言いにくい部分もあるとのこと。誰かに質問された時に備えて “説明の仕方をシミュレーションしていた” けれど、言う機会のないまま時が過ぎたそう。
どんななれそめだったのか、知り合いに尋ねられた体でお答えいただくところから始めました。

※個人の経験に基づくお話です。

出会いは「チャットルーム」

──どこで知り合われたんですか?

薫さん 昔、インターネットのチャットルームというのがあったんですよ。ご存知ですか?

──聞いたことはあるけどどういうところかは全然わからないです。

薫さん 夫と出会ったのはオープンチャットで、誰でも入ったり出たりが自由で、そこに入ってみんなで基本的に文字だけで会話をするっていう場所でした。

──複数人で同時に会話をするんですか?

薫さん そうですね。

──この部屋はこういうテーマ、とかが決まってる?

薫さん えーと、そこは特になくて、みんな雑談というか好きなことを話したりして。

──ユーザーネームがあって?

薫さん そうですね、自分の本名とは全然違う名前で。当時はアイコンすらなかったですね。

──薫さんも旦那さんも全然違う名前でされていたんですね。例えばどこかにプロフィールが書いてあったりとかは?

薫さん ないです。ただチャットルームに入って、初めての人は「初めまして」とか言って、自己紹介するにしても年齢とか性別とかももう自分の好きなように、本当だったり嘘だったりでもいいし、言わなくてもいいし。私たちはほぼ本当の話をしていましたね。

──やっていくうちにだんだん馴染みの人ができてくる?

薫さん ずっといる人はいるし、新しく出入りする人も何人もいてみたいな、けっこう人が多いオープンチャットだったんで、まあ常時何人かいて話してる感じでしたね。

──使っていたチャットルームは今はない?

薫さん 今はないですねー、さすがにもう。

※ここで言う「チャットルーム」とは、主に2000年代に使われていたインターネット上のコミュニケーションサイトの形態で、やりとりの手段に文字を使い、リアルタイムでコミュニケーションをとったもの。参加者は気軽に「入室」/「退室」し、やりとりを楽しんだ。大手のYahooチャット、Exciteチャット、さくら通信などの他、漫画やゲームのファンサイトに併設されているものもあった。
当時はまだスマホやタブレット端末はなく、パソコンでなされていたコミュニケーションである。2000年代後半にほとんどが姿を消した。(インタビュアー田中調べ) 

楽しかった文字での会話/電話もするように

──薫さんがチャットルームを利用するようになってから旦那さんと出会うまでどれくらい?

薫さん 私がそこでチャットし始めてすぐ夫と話し始めたのかな。1ヶ月経ったか経ってないかぐらいかな。

※記事内において、お二人が電話で話す・対面で会う以前の「チャット」「話す」「会話」はすべて文字でのやりとり=テキストチャットを指します。

──チャットはどういう時間帯にされていた?

薫さん 私はその頃仕事をしていなかったので、時間がいっぱいあって。夫もちょうど手術を控えていて仕事をしていない時期で、(二人とも)暇があれば常にいるみたいな感じで。滞在時間が長ければ出会う確率、話す確率も増えますよね(笑)。なので出会ったっていう感じですね。

──最初の会話を覚えていますか?

薫さん いやー、全然覚えてないですね(笑)。

 新しく入ってきた人は「初めまして」みたいな感じで入ってきて、まあ最初大体雑談から入るんで、当たりさわりのない話をして。
 なんかやっぱり、文字だけでも相性ってあるじゃないですか。

──あるんですね。

薫さん リアルタイムでやりとりするから、タイピングの速さとか、慣れてるかとか、文章力とか、話す内容とかは人それぞれで、合う合わないがあって。だからいろいろチャットしてみて、夫とは相性が合ったのでよく話すようになったっていう感じですね。

──いろんな人とチャットしてて、ぴったりくる人はなかなかいないものなんですか?

薫さん 私個人の話になっちゃうんですけど、私は人とうまくやるのが得意ではなくて、チャットとかネットになってもそれはあまり変わらなくて(笑)。だから私は(チャットルームでも)すごく仲良くなれる人はいなかったんですよ。でも夫とは、わりと年も近くて趣味も合ったので、楽しく話せたっていうのが大きいですね。共通する部分が多くて、一番話していたのは音楽と漫画の話です。

 その後、オープンチャットでずっと話してるだけじゃなくて、個人的に連絡とろうかっていうことでMSNメッセンジャーのIDを教え合って、今で言うと何だろう、二人でLINEをしているような感じというか。当時はスマホもなくてパソコンしかなかったので(笑)、パソコンをつないだ時にメッセージがリアルタイムでやりとりできる、みたいな。

──その段階でも文字だけですか?

薫さん そうですね。電話すらもしたことなかったです。

 ネットの回線も今ほどなかったので、こういう風に画像でやりとり(※インタビューはビデオ通話で行った)とかもまだなくて。音声は(サービスとしては)あったんですけど、基本ずっと文字でしたね。そして半年くらい経って、電話もして。電話をするようになってからも文字でやりとりもしていましたが。

──文字だけじゃなくて電話で話そう、となったのは何かきっかけが?

薫さん 特にはないのですが、たぶん、すごく仲良くなってて。その時まだ写真も交換してなくてお互いの顔すらも知らないんですけど、たぶん夫から言ってきたと思うんですよね。私からは絶対言わないので(笑)。夫にかなり気に入られてたんだと思います(笑)。

──文字だけの会話で、ですよね。どこが良かったか、後からでも聞いたことあります?

薫さん いやーー、聞いたことないですね(笑)。でもたぶん、話してて単純にすごく楽しかったんだと思います。

──その段階では恋愛対象として意識していましたか?

薫さん 最初は全然ないですね。たぶん向こうにもなかったと思います。

──いつぐらいからそのような気持ちに?

薫さん (笑)どうなんですかね……。最初に(チャットルームで)話し始めたのが春ぐらいだったんですよ。しばらく話して、そういう恋愛みたいな話が出てきたのが、もう寒くなってたので、冬ぐらい(笑)。

──その頃お二人は離れたところにいらしたんですか?

薫さん 私が〇〇県にいて、夫が東京でした。(※飛行機で2時間ほどの距離の場所)

話は尽きない

──電話するようになり、そして会うことになったんでしょうか?

薫さん あれはいつだったんだろう……(笑)。最初に会ったのは夏だった気がします。

──じゃあ前の年の春にチャットで話し始めてから1年以上経ってますね。

薫さん それまではひたすらチャットと電話、だけでしたね。二人とも働いてなかったので、ほぼ毎日、ずーっと話してました

──話すことは尽きなかった?

薫さん 尽きなかったですね。15年経って、今も尽きないんで(笑)。

──へえー、すてきですねえ!

薫さん 二人でいるとひたすらしゃべってますね、ずーっと(笑)。

写真を交換/タイプではなかった

──実際会った時に初めてお互いの顔を見た?

薫さん いや、写真はその時は既にやりとりしてましたね。

──写真を送るのは抵抗はなく?

薫さん えーーと、その頃私は持病のアトピーがひどくなっていたんです。アトピーがすごく顔に出てて、当時20代前半ぐらいだったので外に出るのが嫌になっちゃったんですよ。外に出たくないから働けないし、実家で引きこもってたんですね。
 というのを夫にもずっと言ってなくて、それで夫から「写真見たい」って言われた時に「実は…」みたいな話をして。
 1年ぐらい家にいる間にアトピーもよくなってきて、ちょっと外にも出れるようになってきて、っていう感じの時でした。「顔はきたないよ」みたいな話をしたけど、当時は(携帯電話のカメラの)画素数も低くて(笑)、あんまり粗が見えない感じで撮って送った気がします。

──お互いに顔写真を見た後って何か感想を言うものなんですかね。どういう反応をするのかなと。

薫さん (笑)特にはなくて。はっきり言っちゃうと、私、夫の外見が全然タイプじゃなかったんですよ(笑)。私は人の容姿に興味がなくてあんまり気にしなくて、イメージと違ってびっくりしたとかはなかったけど、まあ別にタイプではないなと思いましたね(笑)。

──旦那さんは薫さんのお写真を見て特に感想はなく?

薫さん いや、夫は細い人が好みらしいんですよ。私はわりと細いので、そこはいいと言ってましたね。本気がどうかはわからないですけど。
 口がうまいんですよ、うちの夫。そういうことをすぐ言うんで(笑)。

──今でもほめてくれたりとか?

薫さん あー、今でも(笑)言われますね。結婚してもう10年以上経つし、私ももう40超えてて、なのに「嫁がかわいい」って言ってて(笑)。なのでまあ、「10年経ってもそう思えてよかったね」って言ってるんですよ(笑)。

──口がうまいっていう表現されましたけど、

薫さん 当時、オープンチャットでいろんな人が来るじゃないですか。そこで会う人会う人に、「好きです」とか「かわいいね」とか、「付き合って」とかすごいほめたりするタイプだったんで(笑)。当時は私だけにやってたわけではないですね(笑)。それは冗談というか。会話の潤滑油というか、ネタみたいな感じで。

──ちょっと戻りますけど、複数人でのチャットをやってて、その後二人だけでやりとりをするようになるのってよくあることなんですか?それとも特別感のあることなんですかね?

薫さん オープンチャット以外で個人的に話してたのは、私も夫だけじゃないし、夫も、他にも何人もいて、っていう感じでしたね。そんなに特別な感じじゃないですね。

──そうなんですね。やっていらしたのは、パートナーを求めてのチャットというわけではなく、ただのおしゃべり?

薫さん あー、で、そこ、そこなんですけど(笑)。

言えない部分

薫さん 大っぴらにはあんまり言えないなと思って、詳しく聞かれた時にどう答えたらいいのかなってずっとシミュレーションしてたんですけど、まあ聞かれることもなく(笑)ここまで来てしまったんですが、本当は出会ったところが、その……出会い目的?のところで。なんていうか……いわゆる「エロチャット」みたいな感じで。まあ、出会い系みたいなところですよね。

 その頃私はすごく暇で、(アトピーが顔に出て気になっていたので)誰かと会うことはできないけど、誰かと話したくて。でも当時、まだチャットをやってる人は少なくて、24時間必ず誰かがいるところってなかなかないんですよ。で、やっぱり一番人が多いのが、そういう、エロいところなんですね(笑)。

──なるほどねえ、面白いですね。一番、活発に動いてる場所だったと。

薫さん そこに行くと誰かは必ずいて、話せた。ってところで夫と会ったけど、そういう性的な目的?は私はほとんどなくて、メインは誰かと楽しく話したい、人が多いところに行きたいみたいな感じ。夫もたぶん……まあ夫のことは詳しく聞いてないんでわからないんですけど、私はそうでしたね。
 で、当時は女っていうだけで、男の人はいっぱい話しかけてきてくれるんで(笑)、話し相手には困らなかったです。

 でもまあ、話しかけてくる男の人はダイレクトに出会い目的の人が多くて、楽しい話はできず、みたいな人が多い中で、夫はそういうのとりあえず置いといて、趣味の話とか雑談で盛り上がった。それで仲良くなったっていうのが大きいですね。

緊張の対面

──電話をするようになり、写真をお互い見て、旦那さんが手術で入院する前に会うことになったんですね。どこで会ったんですか?

薫さん 私の住んでいた県に夫が来てくれました。

 なんかたぶん、その時は二人とも盛り上がってて、もう付き合おうか、みたいな話になっていたんですね。でもさすがに会ったこともないのに(笑)付き合うのもどうだろうと会いに来てくれて。で、会って、じゃあ付き合おうかっていうことになりましたね。

──会った時は待ち合わせ場所と時間を決めて?

薫さん えーと、夫が飛行機で来て、空港から電車に乗ってきたので、駅の改札で待ってたのかな、私は。

──写真の人だとすぐわかりました?

薫さん そうですね、すぐわかったと思います。たぶん、平日昼間でそんなに人もいなかったので(笑)。と思うんですけど。あまり覚えてないですね、むちゃくちゃ緊張してたことだけはすごく覚えてるんですけど(笑)。

──緊張しますよね。逃げ出したくはならなかったですか?

薫さん なりましたね(笑)。でもわざわざ来てくれたので。

──実際に会って話すと印象は違いました?

薫さん やっぱりちょっと違いましたね。でも、1年ぐらい(チャットや電話で)ずっと話してたから、そんなに違和感はなかったです。とは言え、しばらくは緊張でぎこちない感じではあったと思います。
 なんか…そうですね……あまずっぱかったですね(笑)。

──いい思い出?

薫さん えー、いい思い出なのかなあ、恥ずかしい思い出(笑)。

あまり考えず東京へ

──当時、同居していたご家族にはお付き合いしそうな人の存在については話してたんですか?

薫さん 当時は全然してないです。その後遠距離恋愛になりましたが、夫が手術後仕事を始めたので、私の県に来て数日滞在するのが難しくなったんですね。私はずっと無職だったので、私のほうが東京に1週間ぐらい行くっていう話になった時に、1週間も家を空けるのに家族に何も言わないのはあれだから、って言って、その前に夫がうちの両親に会ったのかな?

──その時は結婚の話は出ていて?

薫さん いや出ていないです、何も。

──お付き合いしてますというご挨拶ですね。ちゃんとしてらっしゃる。

薫さん 夫はめちゃくちゃ緊張してましたけど。出会ったきっかけもきっかけだし(笑)。
 両親は詳しくないので、こちらからは「出会い系で知り合った」とは言わず、「ぶらっとインターネットで会ったよ」という感じで言ったと思います。それでもあとで騙されてない?みたいな話はされましたし、心配はされましたね。親からしたら、そんなよく知らない人とお付き合いして大丈夫?と思ったみたいです。
 
 夫は夫で、周りの友達に本当に大丈夫?って心配されてたみたいですけど(笑)。

──結婚までお付き合いはどれくらい続いたんですか?

薫さん んーー、私が最後結局、夫の方に行くんですけど、それまでに遠距離恋愛の期間が2年半ぐらいかな。

──出会って4年後に一緒に住んだのは、距離が遠いのも大変だから住んじゃおうかと?それとも結婚を見据えて?

薫さん その時結婚の話は出てなくて、私は何も考えずに行きました
 私、高校卒業後の進学先がかなり遠方で、1回家を出てるんですね。なので家を出ることについてはハードルが高くなかったというか。私自身も両親も。お互いに(笑)。

結婚/糸口は保険証

──同棲して、そこから結婚の話が出始めるんですか?

薫さん 後から聞いたら、夫はもう同棲した時点で結婚する覚悟というか、呼んだからには責任をとるみたいな風に思ってたみたいです。

 私は元からそんなに結婚願望もなくて、夫とも別に結婚してもしなくてもどっちでもいいなと思いながら付き合っていました。

──薫さんはどっちでもよかったけれど、旦那様からプロポーズがあって結婚することに?

薫さん そう、えーとですね(笑)。同棲する前、私は父親の扶養に入って保険証を使っていたんですけど、(親と別居になり扶養から外れると保険証が)使えなくなるので、当時私は無職だからどうしようって話になって。調べたらいわゆる内縁関係でも扶養には入れるらしくて、結婚しなくても夫の扶養には入れるみたいだよっていう話を夫にしたんですね。そしたら夫から「そんなことするぐらいなら結婚すればいいじゃん」って言われたので、「じゃあ結婚しようか」って。

 私の誕生日が2月7日で、夫の誕生日が8月3日なんですよ。二人の誕生月と誕生日を足すと10月10日になるんです。それに気づいて、もし結婚するなら10月10日じゃない?みたいな話をそれまでになんとなくしてて(笑)。
 それで、やるなら10月10日までにやろうか、って言って準備が進んでいったんですよ。

 私が東京に来てから、半年ぐらいで結婚したということになりますね。

夫がいれば

──今でも知らない人とネット上でしゃべるようなことってありますか?

薫さん Twitterの趣味のアカウントでつながってる人が何人かいて、ちょっとやりとりするのはありますね。

──趣味のつながりで実際に会ったりもするんですか?

薫さん いや、会ってはないですね。やっぱりこう、性格ってネットでも出るんだなーと思って。やってはいるんですけど、結局仲の良い友達はそんなにできず(笑)。まあ知り合い程度はポツポツいるんですけど。

──薫さん、友達ができないタイプなので、って(事前のやりとりで)書いてくださってますけど、人付き合いはお嫌いじゃない感じですよね。

薫さん 私はとっつきづらいみたいで、あまり話しかけられることがなくて友達はできにくいです。
 ここ最近は、友達と会ったとしても、会った時は楽しめるんですけど、すごく疲れちゃうんですよ(笑)。私、人を気遣う事が苦手なんです。空気が読めなくて、気配りとか相手を思いやるとか全然出来なくて。でも好きな人には嫌われたくなくてがんばってやろうとするので、友達といるとすごく疲れてしまうんですね。なので、しょっちゅうは会えない。

 若い頃は友達はいっぱいいる方がいいみたいな、リア充がいいみたいな価値観があるじゃないですか。学生時代から友達ができるタイプでもなかったからそれで悩んだり、このままじゃいけないのかなと思ったことはあるんですけど、この年になると、週1で誰か友達と会って、ずっとLINEをやりとりしてみたいなことを考えると、それはやりたくないな(笑)と思って。

 それなら一人でいる方が楽だし、夫がいると夫で全部まかなえてしまうというか、なんか、もう、親友が夫なんですね(笑)。そこでもう満足するというか。とりあえず夫がいれば今のところいらないかな、って。

──本当に旦那様と仲がいいというか相性がいいというか。出会ってよかったなと思われます?

薫さん そうですね。元から結婚にこだわりもなかったので、たぶん、夫と出会ってなかったら結婚してないんだろうなと思いますね。

幸せにやっている人もいるよ

──ネット上の出会いについては、薫さんは経験からすると肯定的?

薫さん ああ……でもやっぱり、人によるかな(笑)。基本的にネットもリアルも変わらないと思うんですよ。リアルにも若い子にとっては危ないことはたくさんあるし、でもだからと言って知らない人と一切関わらないようにしなきゃいけないわけでもない。いい出会いもたくさんある。危ないことをちゃんと把握しとけば全然問題はないのかなとは思いますね。

 あ、でも、私たちがそういう風にネットで人と関わるようになったのは大人になってから、二十歳前後になってからでしたけど、今は低年齢化してきて全然状況が変わってるので、考えなきゃいけないことはありますよね。中学生高校生、10代の方がより危険なので、その辺は難しいとは思いますけど。

──今回応募してくださった時には、旦那様とのなれそめについて話す先を探して応募されたのか、それとも、インタビューに応募したいから何を話すか考えて今回のテーマを思いついたのか、どちらでしょうか?

薫さん ああ、えーと、そうですね、インタビューされてみたいと思って。たぶん、自分のことをすごく語りたかったんでしょうね(笑)。

 最初、迷ったんですよ。私、二十歳の頃からいろんな経験をしてるので、自分史みたいなのも語りたいなと思ったんですけど。
 
 でも、最近コロナがあってオンラインばかりで直接会えない人が増えてきて、っていう話を聞いて、ああ、なんか、私たちはそれを15年前にやってたな、と。まあ、私たちはそういうのに向いてるタイプだったというのはあると思いますけど、オンラインだけでも人と出会って結婚して、幸せに15年やるぐらいはできる人もいるよ、という風に思ったんです。

──だから今回のテーマで話してくださったんですね。“そういうのに向いているタイプ”というのは?

薫さん 文字を読んだり書いたりするのが苦にならないっていうのは大きいですよね。文章力かなあ?
  今はこういう風にZoomとかあって対面もわりとできるから、変わってきてるとは思うんですけど。

──今でも何か文字で表現することはある?

薫さん 今はもう、ツイートしかしてないですね(笑)。でも、夫とたまたま会社から帰る時間が一緒になった時に、電車の中でLINEのやりとりを二人でずっとしていたりするんです。そうやっていると「当時みたいだね」ってなったりして(笑)。「変わらないね」っていう話をしたりします。

(終わり)

話が尽きない相手が隣にいるって最高じゃないですか?出会いに万歳‼︎という気持ちになりました。

調べたら、新しくチャットのサービスがいろいろ始まっているようで、ちょっとやってみました。知らないたくさんの人とのおしゃべり、楽しいものですね…!

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