結局シンプルな動詞をいかに使えるかがミソ〜『give・getとtake・make 英語のすべてはこれで決まる』『GetとGiveだけで英語は通じる』〜【10月英語本チャレンジ20】
今日は松本道弘先生の本を取り上げます。2年ほど前に残念ながら他界されてしまわれました。載っているのは、getにgive、それにtakeにmakeと思いっきり日本人が苦手な句動詞が山ほどある単語ですね。
"give up"とか"take out"など、カタカナにもなってるような語句ならともかく、"give in"とか一見単語の意味から離れているように思えるものがあるのが句動詞だと思う。考えたら分かる、ぐらいの理解では実践では使えない。
しかし、上記の二冊に書かれているのはそんな「覚えていれば分かること」ではない。英語のロジックを肌感覚でつかむにはどうしたらよいか? 松本先生の答えは、「giveとgetを学べ」という訳ですね。
まず、"give"ですが『give・getとtake・make 英語のすべてはこれで決まる』によると、基本概念は「譲る」です。"Give me a break!"は、「breakを私に譲って」という意味から、「カンベンしてよ〜!」になるし、"Given that ~"で始まる文章は、「〜を譲るとすれば」が転じて「〜だったとすれば」という仮定の表現になります。
"get"は「ゲッチュ〜!」というカタカナ英語から「何かを取る」という意味に取られがちですが、そもそもは「受ける」という意味です。"I don't get it."なら「分かりません=それを受けません」だし、他にも使役動詞として「〜に〜してもらう」的な用法もありますね。
"take"は責任を持って受け取る(返さない、もう逃げられない)の意味。そして、"make"は「作る、実る」など何かを「生み出す」ことにつながる意味があります。こういった基本のシンプルな動詞の意味は日本語と守備範囲が違う上に広い、でもその中には一本筋が通っている、つまりロジックがあるのです。だからこの4単語で英語はすべて決まる、と言い切っているのでしょう。非常に有意な見解だと思います。
私が英語力を磨き上げているころ、実は松本先生の本をあまり読んでいませんでした。ただ、『松本道弘の同時通訳の英語: 秘密特訓』 という本だけは本棚にありました。ちょうど通訳の修行をしていた頃です。でも今回あげたような他の本もしっかり読んでいれば、同時通訳がもう少し早く上達したかもしれないと思います。
通訳、というと「専門用語が大変でしょう?」と言われることが多いのですが、それよりも手持ちのカードを使いこなすスピードの方が大事だったりします。もちろん、難しい言葉でも理解できる語彙力や文法力も必要です。しかし、特に日英においてはネイティブじゃない自分には、メッセージをいかに過不足なく伝えるかが至上命題な訳です。getやgiveといったシンプルでさっと口から出せる表現と日本語が結びついていれば何より強力な武器となります。美麗な太刀一本持つより、小刀数本の方がよく、さらにいえば暗器も複数仕込めていれば最高というところでしょうか。
「どうも日常会話で言いたいことが言えなくて……」と悩んでいるなら、一度読んでみるといいですよ。考えの枠組みが定まればきっと分かりやすくなります。また、松本先生が関わられた辞書もあります。
私が持っているのは旧版ですが、2021年に最新版へと改訂されているようです。こちらもとてもただの和英辞典と趣が違い、役に立つ辞書ですよ。
それでは今日の投稿で10月英語本チャレンジは一段落つけようと思います。読みたかった本を全部読み切った訳ではありませんが、区切りの最後に本書を持って来れてよかったです。英語関連の本もまたよい本があればご紹介したいと思います。
10月英語本チャレンジとまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓
9月実用書チャレンジをまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓
夏休み新書チャレンジをまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓