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ノートはなんのために書く?〜『瞬読式ノート術』〜【1月仕事・時間術チャレンジ20】

今日で今月のチャレンジ、最後です。
ラストはコチラ。

『瞬読式ノート術』

仕事術・時間術をテーマに取り上げた今月は、本の選択に迷いました。仕事っていってもその人の仕事の内容によって仕事術は違うし、時間術となればいかに効率よく仕事を進めるかに着目したような内容ではあまりピンと来ず、突き詰めていくと物理学や量子力学の世界に入っていってしまうのです。今回は私も読み切れていないので取り上げなかった、サイエンス的な時間の本もありました。

年初ということで選んだテーマが実に奥深いものだった、ということです

そこで最後は仕事でも勉強でも必要になる、ノート術という側面から、『瞬読式ノート術』を取り上げました。一度時間術で取り上げた瞬読に関係する本です。

瞬読は確かに速読の一種ではありますが、速く目を動かすことに重きを置くのではなく、文字をイメージ化して内容をとらえることにより右脳を働かせ、言語脳たる左脳を使うよりもっと速くもっと多くの情報を処理することができる読書法です。さらに特筆すべきはアウトプットを重視していること。読書をした後に内容をアウトプットとして書き出すところまでが一セットとなっています。

そのアウトプットもイメージが沸く書き方、あるいは描き方をしておけばあとで見たときにも内容が脳裏によみがえりやすい、という話です。

たとえば、学生時代にどんなノートを取っていたでしょうか?

先生の板書を写していた?
きれいに整列させて文字を並べていた?

昭和型、というと語弊がありますが、正確に物事を記憶することを目指した文字だらけのノートだと、なかなか記憶にも残りにくいものです。

そこで瞬読式のノート術では、イラストなどちょっとした絵や図を多用し、さらにカラフルに仕上げます。線の太さも簡単に変えられるように筆ペンなどで書くのもよい、とおすすめされています。たとえば何かのセミナーだったら、講師の似顔絵をページの最初に描く、とか、いちばん印象に残ったことをひとつだけ絵に描いて残す、などそういったノートを作っておくと後から見返した時にセミナーの内容が脳内に再生されるはずです。

言語中枢があるといわれる左脳は論理的なこと、数字、文字化された情報などを扱い、正確さを司っています。しかしその反面、処理できるスピードや量は右脳に比べると少なめです。その右脳はイメージや創造性などを司り、一瞬で処理できる能力は膨大です。ですが、その能力、けっして使い切れてはいないようなのです。

文字から内容を読み取る「読字」の能力は人間にとってあくまで後天的に描くとする形質です。この能力によって自分の見たこともない、そこにないものでも想像する能力を育んでいくことができます。これは、9月に実用書チャレンジで取り上げた『プルーストとイカ』の中でウルフ博士が説明されていたことです。

たぶん、この「文字から内容をイメージで読み取る能力」は個人差があり、もともとできる人とあまり得意じゃない人がいるようなのですね。でもあくまで獲得形質なので、誰でも今より伸ばすことができる能力のはずなのです。その助けになるのが、おそらく瞬読です。

瞬読については、ここまでにしておきますが、今回のポイントは「右脳でとらえやすいノートを書くこと」です。ノートを取るときに自分の思ったこと、感じたことをちょっとしたイラストや図で表しておくのです。それだけでも見返した時の理解スピードに雲泥の差が出ます。人に見せる物ではないので、へったくそで構いません。私なんて人の形はアヤシい棒人間しか書けないし、他は丸や四角といった図形が関の山ってところです。要は自分に分かればよいのです。人に見られることは気にしないのがポイントです。

ある意味で右脳を究極的に使っているメモがあります。それは通訳者が仕事中に取るメモです。ビジネスの場面で通訳者が働くのを見た方なら分かる通り、通訳者は誰かが話すのをせっせとメモに書き留めているように見えます。

ですが、あれ、間違っても文字を一言一句書き留めているのではありません。同じ内容を書き留めるメモといっても、速記とは真逆に位置するものでしょう。通訳者のメモは、後から自分が訳すときの助けになるようなポイントしか書いていません(逐次通約の場合)。個人差はありますが、私の場合は内容の構造を把握するために矢印を多用します、〇やXもよく使いますし、箇条書きで表すことも多いですね。そして崩れてもいいので、漢字を入れます。ちょっと手間がかかっても漢字の方が後から意味が分かりやすいからです。カタカナだと日本語には同音異義語も多いので混ざるんですよねぇ。漢字はご存じの通り意味のある表意文字ですから、パッと見てすぐに意味が取れます。

通訳者のメモの話はこのぐらいにしておいて……ノート術として、私の理想はヨシタケシンスケさんの描かれるもの、ですね。イラストだけでエッセイになる、そんな表現がほんの少しでもできればノート作りがますます楽しくなりそうなのに。こういうときは己の画力の低さを恨みたくなります。

ノートは文字だけじゃなく、図やイラストも多用してカラフルに。そんな遊び気分でリラックスする方が記憶力も発揮できる、というものでしょう。

今月の仕事・時間術チャレンジをまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓

12月コミックチャレンジは、コチラ↓↓↓

11月読書本チャレンジは、コチラ↓↓↓

10月英語本チャレンジとまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓

9月実用書チャレンジをまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓

夏休み新書チャレンジをまとめたマガジンは、コチラ↓↓↓


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