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通訳をやっていて面白いと思うこと
通訳者として看板を掲げてから、かれこれもう20年以上にはなるでしょうか。
最初は「通訳です」と名乗るのも恥ずかしくてできませんでした。だって、スポーツ大会のスタッフときどき通訳、するかもしれない? ってな感じの仕事でしたもん。
だから「看板」を出せなかった頃からすると、もう30年近くになるのかも?
うへぇ、もうそんなに経ってるのかぁ。
どんな場面でもそうですか、通訳という仕事の醍醐味は
完全に部外者なのに内部に入り込めちゃうこと
です。仕事には基本守秘義務があるので全部話す訳にはいかないのですが、いろいろなことを知る立場にあるのは確かです。
といっても、私は国際会議や政府系の仕事をする通訳ではないので、主に企業の内部事情に多少詳しくなる程度ですが……
コロナ禍より、通訳もリモート化が進んだおかげで、私が東京でフリーランスをしていた頃にとても好きだった仕事が自宅で可能になりました。それが、IR通訳です。
IRとはInvestors Relationsの略で、海外の機関投資家が日本の企業に訪問して広報やIR担当の方と面談をします。それが実際に企業を訪問するのではなく、オンライン会議で行われるものがとても多くなった、という訳です。
その機関投資家は必ずしもその企業の株主ではありません。今から投資したいと思っている場合は会社概要の全体的なプレゼンが多くなりますし、すでに何年も保有している投資家だと、業績の浮き沈みから各事業分野の細かいところまできっちり突っ込んでくる密な会議になります。
通訳者としても、内容を落とさないように、でも話が伝わりやすいように、とあの手この手で頭をフル回転させます。そのときにはメモを取ってそれから再生するのですが、こんな端から見たら謎の文字の羅列となります笑笑
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当然、企業の方が受け身になってビミョーな回答をしたり、それを投資家の方が詰問したり、ということもあり得ます。そうなると、オソロシイ!
でも大変さがあっても、それ以上に好奇心をくすぐられる話の方がやっぱり多いですねぇ。
「え? この会社そんなものまで作ってたんだ!」
と事前に資料を読んでいたけど読み切れなかった点まで話が掘り下げられたり、
「あれ? 世間ではアレ、相当ニュースになってるけど、企業側も投資家側も気にしてないんだ?」
と意外に思ったり、とまあ、とにかくいろいろです。
「日本経済、ヤバい!」
とか
「物づくり大国、オワタ!」
とか、巷には煽動的なニュースも多々あるけれど、やっぱり日本の企業ってまだまだ各分野で頑張ってる会社、多いよね、とこの仕事をしていると、思います。
リモートでの面談は100%対面を代替するものではないにしても、地方在住の私のような通訳者にとってはありがたいことには違いありません。
日本企業の3月決算に向けた会議が今月から来月にかけて目白押しです。
お仕事いただけてありがたや〜!
そして毎回いろんなことが知れて楽し〜!
IR会議の仕事はまだまだ続きます。