真の英語力を身に付けるには欠かせない味方〜『英英辞典の底力』〜【10月英語本チャレンジ10】
さて。今月の英語本チャレンジ、先日までとはうって変わってちょっと実用路線に走ります。『英英辞典の底力』です。
英英辞典ってみなさん使いますか?
いえ、そもそもふだん辞書使ってますか?
英語だけじゃなくて、辞書は素晴らしいものだと常々思っています。ふつうに生きていたら分からない言葉の定義が人に一生より長い間の分、蓄積されているのですから。知の結晶、とは辞書のことなのです、きっと。
辞書への賛辞はともかく、英英辞典です。英語力をあげようと思えば不可欠な存在、といえます。それは、どうしてか? 私の持論では日本語と英語では、言葉の守備範囲がかなり異なっているからです。
たとえば「ナイーブ」という言葉をあげてみましょう。日本語だとなんだか繊細で華奢ないいイメージではないですか? でもこれは英語で"naive"となると、どちらかといえば「世間知らず」など悪いイメージのある言葉です。今年公開された映画『オッペンハイマー』では、軽はずみに共産運動へ首を突っ込んでいく主人公に友人が、「お前は"naive"だ」という感じでたたみかけるセリフがありました。つい先日仕事でも、新しく組織に参加した人が意見をいうときに自分のことを"naive"と表現しているところがあり、おっ、と思いました。
「定義が違うとしても、日本語で説明している英和辞典でもいいではないか?」と思われるかもしれません。しかし、日本語で説明されてしまうと、あくまで日本語で定義された範囲に限定されてしまう傾向があるのです。「字面に引きずられる」と私はよく表現するのですが、単語を単語に置き換えただけではない、本当に英語という言語の語感をつかむためには、英英辞典の定義が欠かせません。
本書は英英辞典を使うとどんな点で学習者にとって役に立つか、いろいろな角度から説明しています。オンラインの辞書やアプリなど無料で使えるものもたくさん紹介しているので、ぜひ参考にして欲しいと思います。
ちなみに。
私が最初に使い込んだ英英辞典は大学のときに使っていたCollins Cobuild Dictionaryでした。
もう紙の辞書を引くこともないのですが、捨てられません。今見ると、字も小さくてローガンズには厳しい……Collins Cobuildの辞書は表現にちょっと特徴があって、辞書の定義が他の辞書と違っています。たとえば、nodを引くと、
If you nod, you move your head quickly down and up to show that you are answering 'yes' to a question, or to show agreement.
と書いてあります。「うなずくとは〇〇」と書いてあるのではなくて、「あなたがうなずくとしたら、頭を上下に素早く動かし、「はい」と返事したり、同意していることを示している」と説明されています。辞書を"word to word"で使うものと思っているとまどろっこしく感じるかもしれませんが、頭の中にその英単語のイメージをきれいに思い浮かべるには私としては最適でした。
他にもいろんな英英辞典があるので試してみてくださいね。ネイティブ向けではなく、学習用英英辞典がおすすめです。
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