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頭は使えば使うほどよくなる〜『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』〜【9月実用書チャレンジ17、18】

今日の本は、たくさんのことを学ばせてもらっている脳内科医・加藤俊徳先生の『一生頭がよくなり続けるすごい脳の使い方』です。青がモチーフの最初の本は2022年11月の出版。もう2年近く前ですね。そしてその続編『もっとすごい脳の使い方』が出たのが今年の5月のことでした。

印象的な表紙なので、書店で見かけたことがある方もいるのでは?
今でも平積みで置いてある書店がありますよ。

まず、前提として私たちの脳のピークは40歳後半から50歳代であり、死ぬまで脳は成長することができる、ということが最初の本で書かれています。「記憶力が落ちた。あれもこれも忘れる。歳だからしょうがない」ということはない。若いときと同じようなやり方で勉強しても、同じ結果は出ませんよ、ということが書かれていました。

とても勇気の出る話ですよね。脳は使えば使うほど鍛えられる。しかしその反面、使わない部位はせっかく舗装して高速道路になっていたとしても、草ぼうぼうのけもの道になってしまう。何歳になっても学びはじめるに遅いことはないですよ、ということでした。

しかし、「じゃあ、やるぞー!」と思ったものの、結局手を付けることができなくてズルズルきちゃっていませんか? それは脳の基礎体力が不足していますよ、というのが2冊目の続編で説かれています。基礎体力って? それはしっかり脳を使って準備運動しておくこと。つまり、脳の各部位をしっかりとファイアリングすることが大切です。

ファイアリングってカタカナで書くとピンと来ませんよね。専門用語でいうと「発火」といい、情報が伝わった神経が活性化することを指すのだそうです。きちんと使われて草むしりの終わった脳は、脳画像で見ると明らかに活性化されて回路が詰まった状態になります。それがすごい脳になる第一歩です。

ではそんな「すごい脳」になるにはどうしたらよいのでしょうか?
それにはまず脳には各部位でさまざまな役割を担っていることを理解する必要があります。加藤先生のおっしゃる「脳番地」ですね。実際に脳のこの辺りの部位は聴覚を担当、こちらは運動系、などほぼほぼ使われる場所が決まっているそうです。

その脳番地は、「視覚系」「聴覚系」「思考系」「理解系」「記憶系」「運動系」「感情系」「伝達系」と分かれています。そして人によって強い番地、弱い番地がどうしても存在するので、自分の得手不得手が分かればそこを鍛えることで「すごい脳」に近付いていけるのです。

先ほど脳の部位を活性化させる「ファイアリング」の話をしました。このファイアリングが強ければ強いほど大きな影響をもたらし、脳が自発的かつ持続的に活動することができます。目や耳から入力されてきた情報を理解して記憶する、という3ステップで強化されて記憶に残るのです。

面白いのは今月私が読んだ勉強法や記憶法に関する本に書いてあったことが、本書では脳科学的に脳の各部位のどういう働きでその学習法が効果的だ、ということが説明されているところです。

たとえば、『最高の勉強法』でいう「アクティブリコール」、『脳が一生忘れないインプット術』でいう「リトリーバル」という記憶メソッドがありました。それは長期記憶への門番となっている海馬に「これは重要ですよ? 何度も見てますよ?」とアピールする行動なのです。海馬はできれば怠けたいので、重要なものだけ覚えようとします。でもアピールが足りないと「あ、これたいしたことないんだ」と覚えるのをやめてしまうのです。ヤバいですね〜、くり返し復習することの大切さが分かります。

もうひとつ、なぜ睡眠が大切か、ということが本書でも説明されています。しっかりと夜は脳を休ませないといけないのですが、じゃあ、脳の中でとくに休ませないといけないのはどこでしょうか?

それは思考系です。一度ファイアリングして活性化された脳は疲れると働かなくなるのでいつかその発火をオフにしなくてはなりません。聞かないように見ないように、そして動かないようにと認識して感情や理解を止めることはできても、頭で考えることは意識がある状態ではオフにできません。それをオフにできるのが唯一睡眠なのです。

といっても夢を見たりするときは思考も動いているのでしょうけど。レム睡眠時に現実的にあり得ない、という夢を見るのはそのとき理性や常識は働かない思考が進んでいるからだ、という話が『熟睡者』にありましたね。睡眠、運動、どちらも脳の活動にとっては不可欠の条件のようです。

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