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「読み」に熟達するとはこういうことか〜『英文読解を極める』〜【10月英語本チャレンジ5】

昨日はニュース英語、つまり時事英語を読む話でしたが、今日はジャンル問わず英文読解を「極める」という本です。

「英文読解」という言葉自体、高校生ぐらいのときに苦しめられた経験のある方もいるのではないでしょうか? 私もサマセット・モームやバートランド・ラッセルなどの名前を聞くと反射的に「うっ!」となってしまう傾向があります。

本書では英文をスラスラ読むためのヒントが書き連ねてあるのですが、まず英語の文章特有の「後置修飾」という点に触れています。これ、私自身は今となっては逆手に取っていますが、高校生の頃をふり買ってみるとあんまりよく理解できてなかったな、と思います。

後置修飾とは文字通り、文章の後からどんどん修飾語が追加されていく文です。日本語は動詞が最後に来るので、その動詞の後からあれやこれやと内容を追加されてくるような文章構成に不慣れです。中学校レベルでも、"Can I have something cold to drink?" (何か冷たい飲み物をもらえますか?)という感じの文章が出てきます。冷たいも飲むも後ろからかかっています。昔、中学生の息子に説明しにくかったですね、これ。

関係代名詞だったり、前置詞だったり、と英文ではこのように後ろから修飾する文章がたくさんあります。感覚をつかむにはたくさん読むしかない、のですが、本書では「違和感」を逆手にとるべし、と説いています。

どういうことかというと、英語では後からデコレーションしてもらうのが当然の流れなので、もし最初の部分を読んだだけなら要素が不足した文章になっているはずなのです。

本書の例文をひとつ引っ張ってくると、

They did so (because they believed those scores were best indicators).

カッコの外の部分だけだと、「彼らはそうした」だけです。「だから何をしたわけ??」と思いますよね、カッコ内がないと。その違和感を感じたら、後に何か来るよ? と注意しましょう、というのがポイントです。

ちなみに。
この後置修飾を覚えると、スピーキングにも効きます。すごくそれっぽく響く上に考えていることを後から追加できちゃう訳ですからね。同時通訳ではこの先話をどう持っていくのかは分からなくても、とりあえずS+Vを出しておいて、後置修飾で後から内容をくっつける、という技となります。S+Vの予測が悪いとキレイな文章にはなりませんが、それは同時通訳ではある程度仕方ないことです。もちろん、それに甘んじていてはプロとは言えないので、できる限りよい文章を作れるように精度を上げるための準備をするのですけど。

英文読解が苦手、と思っている人が一段上に登るための本になると思います。いやあ、それにしても英文読解も深いですねぇ! 私ももっと英文読まなくっちゃ。

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