フォーエバー現代美術館

WACOL STUDYHALL KYOTOで行われている、
「神楽岡 久美 個展 身体と世界の対話 vol.2」に行くつもりが、
タイミングが合わず、代わりに、
2019年2月28日(木)をもって、閉館してしまう、
京都は祗園にある、フォーエバー現代美術館(https://fmoca.jp)へ行って参りました。

こちらでは、草間彌生「永遠の南瓜展」が開催されておりましたので、
そちらのレポートをいたします。

初期の作品から、昨今の作品まで幅広く展示されていました。
そんな中でも、展覧会名になっている南瓜の作品が数多く展示。

≪かぼちゃのひるね≫1993年 シルクスクリーン
https://fmoca.jp/display/pumpkin_foreverより引用

独特なドットで形成された南瓜ですが、ドットといえばアーティスト・草間彌生さんの代表的なモチーフ。
草間さんが幼少期から頻繁に目にしていた幻覚や強迫観念が根底にあると言います。
「ある日、一面に、窓ガラスにも柱にも同じ赤い花の形が張りついている。部屋中、体中、全宇宙を埋め尽くされて、遂に私は自己消滅し、永遠の時と無限の空間の絶対の中に回帰し、還元されてしまう。」(わが魂の遍歴と闘い『芸術新潮』1961年)
自らが絵画としてドットを構成することで、そんな恐怖から解放される気がするとのこと。

作品を鑑賞していて、1つ、私なりの発見がありました。

草間さんの初期作品で重要な“ネットペインティング”シリーズ。


インフィニティネット1953-1984(黄色)
http://ec.tagboat.com/eccube_jp/html/products/detail.php?product_id=19819より引用

1960年代に制作されたこのシリーズは、その時代、
一世を風靡していた“ミニマリズム”の影響を存分に受けて生まれたシリーズであります。

その後、南瓜の作品を発表していきます。

よく見ると、南瓜の背景が、
ネット・ペインティングなのです。

ネット単体だけではなく、南瓜単体だけでなく、
2つを掛け合わせることで、作品はより深みを増しています。

それは、
作家の求心力と、
世の中の理解度が良いバランスが成り立っているのです。

草間さんの例で行くと、
ネットシリーズだけだと、求心力のみで、世の中の理解度が追いつけません。(とがった作品と言っても良いかもしれない。)
一方、かぼちゃだけだと、この得も言われぬ宇宙の広がり感は、薄まるでしょう。
絶妙なバランスでなりたつことで、爆発的な魅力を発揮しているのです。

次号では、その他の現代アートを、
求心力と世の中の理解度を起点に見ていきたいと思います。


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