【中国語講座】搭配
最近中国語検定3級の試験問題を見る機会がありました。
中国語検定3級は、穴埋め問題が出ますね。短文の一部が空欄になっており、そこに入るべき単語を選択肢の中から選ぶ問題です。この問題の傾向を見ていると、今まではあまりなかったはずの“搭配”を問う問題が増えているような印象を持ちました。
“搭配dāpèi”ってご存知ですかね?
単語の組み合わせとでも言いましょうか。この名詞はよくこういう動詞と結びついて使われる、というような組み合わせです。最近はよく「コロケーション」と言われたりしますね。
例えば日本語で考えてみると、「サラダ」は「食べる」ですが、「薬」は「食べる」だと変ですよね。同じような行為(口に入れて飲み込む)をするにもかかわらず、「サラダ」だと「食べる」なのに「薬」だと「食べる」ではなく「飲む」となります。こういうの、中国語(に限らずあらゆる言語)でもあるわけですが、外国語を勉強していると、必ずぶち当たる壁の1つと言ってもいいかもしれません。
まぁ3級で狙われているのは、言葉の意味を知っているかどうかという感じで、並んでいる選択肢は、明らかに意味や用法が違う単語が並んでいるので、そう難しいわけではないのですが、次の2級に向けての踏み台という感じなのでしょうかね。
今日はちょっと“搭配”の話でもしようかと思います。
覚えておいたほうがいいなと思うものは、まず身に着けるものでしょうかね。
「シャツ」「ジャケット」「ズボン」「スカート」など衣類の場合、日本語は上半身だと「着る」ですが、下半身は「穿く」ですね。
中国語だと上半身・下半身ともに“穿chuān”となります。
さらに、日本語だと「履く(はく)」と表記する「靴」や「靴下」は中国語ではどう言うでしょうか?
そう、「靴」も「靴下」も“穿”です!
この“穿”という字は「うがつ」とも読みますね。日本語の辞書を見ると「穴をあける、通り抜けていく」という意味が書いてあります。つまり、服の穴(首のところや手のところ、足のところ)に首や手足を突っ込むイメージなのでしょう。靴下や靴もそこに突っ込むイメージということでしょうね。
でも、靴下と似たような感じの手袋は、実は“穿”ではありません。“戴dài”です。
この“戴”という動詞は、衣服以外で身につける物に使います。帽子、手袋、アクセサリーなどは“戴”を使うのですね。
次に、楽器もある程度覚えておくといいでしょう。
楽器を演奏する時にどんな動詞を使うか。万能なのは“演奏yănzòu”ですが、ちょっと硬いですので、日常会話で使う動詞を覚えておくべきかと思います。
演奏する時の動作で整理しておくといいでしょうかね。
吹奏楽器(フルート、クラリネット、オーボエ、サックス、トランペット、トロンボーン等)は、息を吹き込んで音を鳴らしますから、“吹chuī”を使います。
弓を使って音を鳴らす弦楽器(バイオリン、ビオラ、チェロ、コントラバス、二胡等)は、弓を動かす動作(引っ張っている感じ)から「引く」という意味の“拉lā”を使います。
弦をはじいて音を鳴らす弦楽器(ギター等)と、指で鍵盤を押して音を鳴らす鍵盤楽器(ピアノ、オルガン等)は、指ではじくようなイメージなのでしょうか、“弹tán”を使います。日本語と似ていますが、日本語はバイオリン等も「弾く(ひく)」で、ギターやピアノと同じなのですよね。日本語と中国語を比較すると面白いです。
他の“搭配”も漢字の意味を感じながら覚えていくと面白いですよ。またいつか、他の場合を取り上げてみようと思います。