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「早バレ」の問題点

漫画を発売日前にインターネットで公開するいわゆる「早バレ」により、外国籍の2人が逮捕され、執行猶予(3年)の懲役刑(1年6月)と罰金刑(50万円)が言い渡されました。

「週刊少年ジャンプ」を正規ルートで入手し、これをスマホで撮影することで複製して、発売日より5日前に公開した疑いが持たれています。さらに、この漫画を英語やアラビア語に翻訳し、海外にも公開した疑いが持たれています。

「早バレ」は何が問題でしょうか?
発売日後に複製しても著作権侵害です。発売日の前後を問わず、複製すれば複製権侵害であり、ネットにアップロードすれば公衆送信権の侵害です。
「早バレ」だから著作権侵害なのではなく、むしろ早バレによる損害額が大きいことが問題になります。
 
「早バレ」サイトにより漫画販売の機会が奪われます。「早く読みたい」とのファン心理で早バレサイトを見て、結局は漫画を買わなくなることが予想されます。

つまり「早バレ」サイトは、読者を実際の購入を止めさせて、ネット上での閲覧に誘導することになります。実際に、「早バレ」サイトの訪問者数の方が多いといわれ、それだけ漫画購入の機会が奪われています。被害規模は数千億円とも言われています。さらにサイト運営者は広告収入も得ており、これも不正な利得であるといえます。

早バレサイトは、海賊版であることに加え、発売日よりも早い公開であるため、 二重の意味で雑誌購入者を奪ってしまう悪質なサイトであるといえます。

参考サイト

弁理士、株式会社インターブックス顧問 奥田百子
翻訳家、執筆家、弁理士(奥田国際特許事務所)
株式会社インターブックス顧問、バベル翻訳学校講師
2005〜2007年に工業所有権審議会臨時委員(弁理士試験委員)英検1級、専門は特許翻訳。アメーバブログ「英語の極意」連載、ChatGPTやDeepLを使った英語の学習法の指導なども行っている。『はじめての特許出願ガイド』(共著、中央経済社)、『特許翻訳のテクニック』(中央経済社)等、著書多数。