【中国語講座】知らんけど
有名になってきた大阪の言い回し「知らんけど」、ご存知でしょうか?
僕も関西出身なので、よく使っていました。人から何かを質問されて、それに答える時、最後に一言「知らんけど。」と付け加えるのです。
質問した人は、色々教えてくれていると思って聞いているのに、最後に「知らんけど」と言われ突き放された状態ですね(笑)。なので、「知らんのかい!」と突っ込みを入れたりするのですが、実は本当に知らなかったわけではなく、とても詳しく知っていても、とても正しい情報だったとしても、「知らんけど」とよく言うのです。「自分はそう思う、自分はそう理解している、他の人がどう言うかは知らんけど」ということなのでしょうかね。
責任を取りたくないのかな、知らんけど(笑)。面白い現象ですね。
さて、振り返って中国ではどうでしょう。
中国ではこういう「知らんけど」のような、ある意味弱気なことはあまり言わないようですよね。個人旅行で中国に行ったことのある人は、列車の切符の手配とかをしてくれる窓口で切符を頼んだら、自信満々に“好!没问题!”と言ってくれるのですが、実際数日たって切符を取りに行くと「ダメだった~。」と平気で言ってきます。
2018年くらいに大連に行った時はオンライン端末でパパっと発券してくれたので、最近はそんなこともないかもしれませんが、中国は相手が不安になるようなことはあまり言わない傾向にあるようではありますね。
それはさておき、中国語でも「知らない」という言い回し“不知道”というのがよく使われたりします。次の例を見てみてください。
不知道大家考得怎么样?
Bù zhīdào dàjiā kăode zěnmeyàng ?
これは、きっと皆さんもご存知の有名な中国語の先生L老師がX(旧Twitter)でおっしゃっていた言葉です。中国語検定試験日の直後のツイートで、「皆さん試験の出来栄えはいかがでしたかね~?」というような感じでしょう。
このツイートに対して、ある人が「皆さんがどんな成績か私は知りませんけど、みたいな冷たい感じがするけど、そんなニュアンスはないんですね?」と書き込んでおられました。
そう、このツイートを直訳してみると、確かに「皆さんの試験の出来栄えがどうだったか知らない」となります。見方によっては冷たいような、突き放すような感じに見えるかもしれませんが、そういうニュアンスはありません。「どうだったのかなぁ?」というような、自問するような感じかなと思います。そう、ちょうど英語の「I wonder ~(~だろうか、~かしら)」のような感じでしょうか。
不知道大家看过没有?
Bù zhīdào dàjiā kàguo méi yŏu ?
皆さん見たことありますかね~?
不知道他是不是喜欢我?
Bù zhīdào tā shì bu shì xĭhuan wŏ ?
彼は私のことが好きだろうか?
大阪人の「知らんけど」のように突き放したりはしていませんので、どうぞご安心ください。