【データで見る】EURO2020イタリア-イングランド プレビュー
こんにちは!TORAです🐯
みなさん、EURO見ておりますでしょうか!?
僕はセリエA好きなので、必然、イタリアを応援しています。
私事ですが、最近バタついてましてレビューやデータ考察など、アウトプットできなかったのですが、ついにファイナル!ということで、無理やり筆を取った次第ですw
EURO=全世界注目の国際大会!ということで、戦術的な部分は割と各所で擦られているような印象なので、今回は僕らしくデータに比重を置いたプレビューを展開していきます!
本日のポイントはこちら!
スタッツは全て1試合平均値で算出(延長分も漏れなく加味しています)
では早速見ていきましょう!
●ボール保持-パッと見 同じだけど、中身は全然ちがうよ
まずはこちらをご覧ください。
ポゼッション率とパス総回数を比較
保持における分かりやすいスタッツをパッと見ると、両チーム非常に似ていますね。
「あれ、イタリアの方が数値が低いんだ!?」
と思ったそこの貴方は非常に鋭い。
実際はイタリアの方がよりポゼッション型のチームです。
にも関わらず、イタリアが低い値になっているのは、ポゼッション面で大きく劣ったセミファイナル スペイン戦の影響です。
FBrefによるとこの試合のポゼッション率は
イタリア 31%:69% スペイン
もう少し踏み込んでみると、特徴がまったく異なるチームだということが分かります。
ボールタッチ回数とエリアごとの割合を算出し、比較
ボールタッチ数もイタリアとイングランドは似通っていますが、ボールをタッチする=保持する≒ポゼッション。なので、これは当然です。
おかげで比較しやすい!データプレビューしやすいのが助かりますw
さて、データを見てみると、イタリアはアタッキングサード、つまり前線。
イングランドはミドルサード、つまりピッチ中央付近でのタッチが多いことが分かります。
特にイタリアの値はスペインに並び、大会最大値。
つまり、よりゴールに近い位置でプレーしているのがイタリアだと読み取れます。
これを後押しするように、チャンスクリエイト的なスタッツも軒並みイタリアが優位。
Progressive Passes、SCA(Shot Creating Actions)とGCA(Goal Creating Actions)を比較
どれだけ効果的なボール前進パスを出しているかの指標となるプログレッシブパス、シュートとゴール直前のプレーをカウントする、シュートクリエイティングアクションズ、ゴールクリエイティングアクションズ。
いずれもイタリアに軍配が上がります。
スタッツ定義(読み飛ばしても問題ないです)
Progressive Passes:①ボールを少なくとも9メートル以上ゴールに向かって進めたパス。②PA内へのパス。③ただし、ピッチの自陣40%内は対象外。
SCA:シュート直前の2つのプレー関与。シュートに繋がるドリブル・パス・シュート(ポストに当たったり、途中で味方に当たる、などのケース)、セットプレーからシュートに繋がった被ファウルを指す。
GCA:↑のゴールバージョン。
チャンスクリエイト的なスタッツが多いということは、もちろんシュート数も多くなる訳ですが、イタリアのスタッツはスペインに次ぐ、全チーム2位の値です。
一方、イングランドは実は全チームワースト5位の少なさで、堅守速攻のイメージが強いスウェーデンよりも低い値になります。
ただし、これを「悪し!よくない!」と解釈するのはNG。
イングランドはシュート数の割にゴールが多い傾向にあり、言い換えれば、イタリアよりもコスパ良くゴールを奪っています。
セミファイナルの試合展開がイメージしやすいかもしれません。
僕はスイス戦のイングランドは試合を塩漬けにし、勝負できる局面を個の力でゴールに昇華させたという感想を持っていますが、ミドルサードに特化したボールタッチ、シュート数の割にゴールが多いという結果は、ここに紐づいていると考えます。
イタリアの手数か、イングランドの一撃か
■ボール保持まとめ
✔︎イタリアは前線、イングランドはピッチ中央でのタッチ割合が多い。
✔︎チャンスクリエイト、シュート数はイタリアが優位。
✔︎イングランドは少ないチャンス、シュート数を効率良くゴールに結びつけている。
●ボール非保持-フェーズがはっきりイタリアvs後ろ重ためイングランド
重複になりますが、セミファイナルでは、スペイン相手に今大会はじめてポゼッションを譲ったイタリア。
必然、撤退守備も目立ちましたが、今大会のイタリアといえば、前からのプレスの積極性も特徴のひとつですよね。
ここもデータで見ていきましょう。
プレス回数とエリアごとの割合を算出し、比較
目を見張るのはイタリアのアタッキングサードでのプレス回数でしょうか。
アタッキングサードでのプレス割合は大会No.1です(回数ではなく割合)。
実のところ、スペイン戦でもその回数は決して少なくありません。
実際の試合でもハイプレスのフェーズはしっかりとありましたよね。それを裏付ける結果と言えるでしょう。
ゆえ、イタリアは縦の強度が求められます。
スペイン戦のみならず、イタリアの非保持は前からプレスだけでなく、撤退守備の練度もストロングポイント。
これを両立させるためには縦の強度が必須。
で、イタリアは両立できていて、フェーズがハッキリしているのが特徴と見ています。
個人的にイタリアは前からプレスを突破された際のディレイがめちゃくちゃうまい印象なので、スプリントの回数は比較的多くないかもしれませんが、物理的に縦の走行距離は積み重なります。
幼稚っぽい表現かもですが、シンプルに言えばスタミナが非常に重要視されるでしょう。
実際、イタリアはベスト8に残ったチームにおいて走行距離が多いチームです。
大会の累計走行距離(横軸)と1試合平均の走行距離(縦軸)
横軸は累計なので、試合数・延長数が多いチームの値が大きくなるのは当然です。
その点、決勝トーナメントで延長1試合分のイングランドよりも延長2試合分のイタリアが横軸が多めは「そりゃそうだ!」となるのですが、縦軸、つまり1試合平均値で見ても値が大きい。
つまり、額面上は「イングランドよりもイタリアが走っている!」と言えます。
がしかし。
ここがイタリア推しの僕としては懸念点です。
ⅰ)チームというマクロではなく、選手というミクロで見ると、僕はなんとなーくイングランドの選手たちが強度が高いようなイメージ。
ⅱ)走行距離が多いという結果そのものは評価できる一方で、短期決戦では「疲れてるよね〜」と想定せざるを得ない。
ファイナルという舞台はもう戦術を超えた戦いで、気持ちがなによりも重要だと思いますが、その気持ちを振り絞るためのフィジカルは目を背けられないファクトでしょう。
イタリアはフェーズはっきりを保てるか
■ボール非保持まとめ
✔︎イタリアのアタッキングサードでのプレス割合は全チームNo.1。
✔︎イングランドよりもイタリアの方が”走っている”。
✔︎だからこそ、イタリア疲れてない?
●まとめと予想
■ボール保持まとめ
✔︎イタリアは前線、イングランドはピッチ中央でのタッチ割合が多い。
✔︎チャンスクリエイト、シュート数はイタリアが優位。
✔︎イングランドは少ないチャンス、シュート数を効率良くゴールに結びつけている。コスパよし。
■ボール非保持まとめ
✔︎イタリアのアタッキングサードでのプレス割合は全チームNo.1。
✔︎イングランドよりもイタリアの方が”走っている”。
✔︎だからこそ、イタリア疲れてない?
本記事を短いセンテンスで要約すると
イングランドよりもイタリアが前がかり
に尽きます。
あくまで個人的な意見ですが「いやいや。実際の試合を見ればイングランドの方が前がかりだよ!アグレッシブだよ!」と反論する方は比較的少ないんじゃないかと思います。
また、前項でも触れた通り、イタリアはただ前がかりなだけではなく、4-3-3(4-5-1)の”グループ”で守れる撤退守備の質も見逃せませんが、それは走行距離という土台があるということをデータで示せたと思います。
「で、どっちが勝つの?」
僕は実際の試合と本記事のスタッツ、記事外のスタッツの印象ではイタリアが優位であると断じます!(イングランドファンの方、申し訳ありません)
上述の通り、イタリアにフィジカル的な懸念があるので(中一日の有利はあるけれども)、スペイン戦の前半のような展開になると、旗色が悪くなると見ていますが、イングランドにスペインの戦い方が体現できるとは僕はイメージし難く、十中八九、試合を殺しつつのカウンターがメインになってくると睨んでいます。
イングランドは今大会失点がたったの1と堅守を誇りますが、それでもイタリアの火力は抑えられないんじゃないか、というのが主な理由です。
ベルギー戦とスペイン戦の内容(イタリアの出来というよりも試合そのものの質)から、どうしても優勝を期待しちゃいますね。
優勝!優勝!!優勝!!!
■スコア予想
イタリア1-0イングランド
FORZA! AZZURRIIIIIIIIII!!!
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