信頼を築く心理テクニック!アイメッセージとユーメッセージの使い分けとメリット2-⑧
はじめに
現代の職場や人間関係において、相手との信頼関係を築き、円滑にコミュニケーションを図ることはますます重要になっています。
特に、自分の意思を相手に伝える際に用いる言葉や表現には注意が必要です。
その手段として注目されるのが「アイメッセージ」と「ユーメッセージ」です。
この2つのテクニックは、一見似たように感じるかもしれませんが、実際には大きく異なり、効果も異なります。
本記事では、アイメッセージとユーメッセージについて、その特徴とメリットを詳しく解説します。
どのように使い分けるべきか、効果的に活用するためのポイントについてもご紹介します。
相手への配慮をしながら、自分の意思や感情をしっかり伝えるためのヒントをお伝えします。
アイメッセージとユーメッセージの概要
1. アイメッセージ(I message)とは
アイメッセージは「私」を主語にして自分の意思や感情を伝える方法です。
たとえば「私は~と思う」「私は~してほしいと感じている」といったように、「私」が主語になることで、相手に対して柔らかく自己主張することができます。
この方法を使うと、相手に無理に行動を強いることなく、自分の気持ちや考えを表現できるため、相手への配慮が感じられやすく、信頼関係を損ねにくいのが特徴です。
2. ユーメッセージ(You message)とは
ユーメッセージは「あなた」を主語にした伝え方で、相手に対して直接的な行動を求める際に使われます。
「あなたは○○してください」「あなたは○○すべきだ」というように、ストレートに意思を伝える方法です。
そのため、迅速に行動を促したい場面や、明確な指示が必要な状況に適しています。
ただし、ユーメッセージには命令的な印象がつきやすいため、場合によっては人間関係に悪影響を与えることもあります。
アイメッセージのメリット
アイメッセージの最大の利点は、他者を尊重しながら自分の気持ちを伝えられる点にあります。
ここでは、その具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
1. 柔らかい表現で相手に配慮できる
アイメッセージは「私は~と感じる」という形式で、自分の感情を伝えることに重点を置いています。
そのため、相手に対して無理に行動を押し付けることなく、自分の意図を伝えられます。
「私はもう少し考える時間がほしい」と言うことで、相手の行動を制約せずに自分の意思を示すことができます。
2. 相手の防衛本能を刺激せずに済む
ユーメッセージが使われると、相手は「命令」や「批判」を感じ、防衛的な態度をとりやすくなることがあります。
対照的に、アイメッセージは相手を否定せず、自分の感情や意見を述べるだけなので、相手が防衛的にならず、受け入れやすくなるのが特徴です。
3. 人間関係を円滑にしやすい
アイメッセージを使うことで、ミラーリング効果や返報性の原理が発揮されやすくなり、自然と相手も配慮した態度をとるようになります。
このため、コミュニケーションがスムーズに進み、互いに好意を抱きやすくなります。
ユーメッセージのメリット
ユーメッセージには、その直接性ゆえにアイメッセージとは異なるメリットがあります。
ユーメッセージの強みは、指示や要望を短く的確に伝えられることです。
1. 明確に指示を伝えられる
ユーメッセージは相手に直接「○○してほしい」という意思を明確に伝えられるため、行動を求める場面に最適です。
「あなたはこのタスクを明日までに完了してください」といった場合、相手は何をすべきか明確に理解できます。
2. 結果を重視した場面で有効
特に業務指示の場面では、相手の行動を強調することで、望む結果が得られる可能性が高まります。
上司から部下へ指示を出す場面など、上下関係の中で迅速な対応が必要な場合、ユーメッセージが効果的です。
アイメッセージとユーメッセージの使い分け方
アイメッセージとユーメッセージは、互いに補完し合う関係にあります。
状況に応じて、柔軟に使い分けることが大切です。
1. アイメッセージでの気持ちの伝え方
アイメッセージを使うことで、柔らかく自分の感情を伝えられます。
部下がミスをした場合、「私は、この件について少し心配しています」と言うと、相手に対して過度なプレッシャーを与えずに、自分の気持ちを示すことができます。
2. ユーメッセージでの指示
一方で、迅速に行動を促したい場面ではユーメッセージが有効です。
「あなたは、今すぐこのタスクを完了する必要があります」と言えば、指示が明確になり、相手も理解しやすくなります。
3. 表情や声色を意識して段階的に伝える
最初は表情や声色でアイメッセージを示し、反応がなければアイメッセージを言葉にして伝えます。
それでも反応がなければ、最終手段としてユーメッセージで強めに伝えることも考えられます。
アイメッセージとユーメッセージを使ったコミュニケーションの例
1. アイメッセージによる感謝の伝え方
「(私は)このように支えてもらえて、本当に助かっています」と伝えることで、相手に感謝の気持ちが伝わりやすくなります。
2. ユーメッセージによる明確な指示
「あなたは、今すぐこのプロジェクトに取り組んでください」と言えば、行動が求められていることが相手に明確に伝わります。
アイメッセージとユーメッセージのまとめ
人間関係を築くためには、アイメッセージとユーメッセージを状況に応じて使い分けることが重要です。
相手の気持ちや状況を尊重しつつ、自分の考えを伝えることで、関係はより良い方向へ進みやすくなります。
日常や仕事においてこれらのメッセージ方法を意識的に取り入れ、信頼関係を深める一助としてください。
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