惚れっぽいのに恋愛が苦手な私が演劇の稽古でそれを克服できると気付いた

私は恋愛が苦手である。惚れっぽい気質であるが、その対象は相手の好みは私じゃないだろうなと思われる、恋愛関係になりそうにない人に惚れやすい。その一方で私に気がありそうな人には冷たくしてしまう、自意識過剰な面倒くさい女である。

そんな私は演劇で女らしいヒロイン（真夏の世の夢のハーミアとか、ロミオとジュリエットのジュリエットとか）を演じるのが苦手だ。

だけど、そういったことを演劇では疑似体験して苦手克服することが可能だと思う。実際にインプロ（即興劇）の稽古で生じた面白かった事を紹介したい。

インプロ（即興劇）とは

演劇・音楽・アートなど芸術分野における表現手法のひとつで、台本なしで「その場で創作する」こと。思考と創作が同時に行われます。

アメリカでは、教育者・社会学者であるネバ・ボイド（Neva L. Boyd）によって、精神的・社会的に問題のある人々対して、インプロが用いられていました。そのゲームたちは、自己発見やコミュニケーション能力の開発として使われており、社会学、生理学、心理学の理論の基づいた、すばらしいものでした。この理論を、１９８０年代にイギリスではクライブ・パーカー（Clive Barker =「シアター・ゲーム」著者）が、アメリカではヴィオラ・スポーリン（Viola Spolin =「Improvisation for the Theatre」著者）が、「シアター・ゲーム」という名前で、演劇人向けの"カリキュラム"として紹介してから、インプロは、社会学、生理学、心理学の理論を内包して、さらに深く発展していったのです。

ま、そういう訳で自分の苦手だなと思う感情や状況をインプロで疑似体験することで、実生活に対して免疫をつける事が出来るんじゃないかと思う。

苦手克服に向けて

実際にはインプロの稽古でそれに触れるつもりはなかったのだが、稽古しているうちにそこに辿り着いたので、よし！やるぞ！って覚悟をしたり、どうなっちゃうのかな？とおびえたりと言うとはなく、気付いたらそうだったって感じだったので、余計に良かったと思う。

やったのは、二人でインプロでシーンを作り上げていく過程で生まれた。それはこんな物語。インプロだから正確に覚えていないけど、記憶を辿ってみた。

男「あ，こんばんは。」

男は現れた女に丁寧にしかしどこかよそよそしく挨拶した。

女「・・・」

女は無言のまま頭を下げ、じっと男を見る。男もどうしようかと女を見返す。しばらく沈黙が続く。その間、お互いに相手を観察したり、何か思いついたり、言おうかどうかためらったりしつつ、でも言葉を発しない。

男「・・・何か言いたいことがおありですか？」
女「それはそっちでしょ？」
男「いや，私は何も。」
女「あら，そう？」

女の眉が片方だけピクッと上がり、じっと男を見据える。

男「ええ、私の方からは何も。」
女「そう。あれだけの事をしておいてね。」
男「と言いますと？」
女「ほんとうにしらばっくれるのね。あなたのおかげでうちの会社がどれだけ損害を被ったか。」
男「いや、私は・・・。」
女「経理の女の子を騙して、5億ものお金をあなたの銀行口座に振り込ませたじゃない。」
男「いえ、私ではありません。私も被害者なんですよ、今はこんなですし。」
女「そうね。」
男「会社の方はどうなったんですか？」
女「潰れたわよ。でも私はあれを元に『こうやって私は騙された！こんな男には気を付けて！』って書籍も出したし、講演にも回って今はセレブな暮らしが出来ているわ。」
男「え？じゃぁ。」
女「私が20年前にあなたにお金を振り込んだ経理の女の子よ！」
男「斧研さん？」
女「そうよ！」
男「いや、ホントに僕は…。」
女「ねぇ、英雄さん。あの時、私は貴方がカリスマのようで、凄い格好良くてビジネスの拡がりに協力してくれるって言うからやったのよ。」
男「僕も騙されたんだ。僕は500万しか貰っていない！」
女「そう。100分の1ね。」

女は突然カメラを見据えて。

女「皆さぁん。いいですか？騙す男って言うのは、こう言う風に巧妙に自分が被害者だと思わせるんですよ。」

どうやらこの遣り取りは配信されている様子だ。

女「貴方をここへ呼んだのは、皆に分かって貰うためよ。」
男「いや、私も自分の経験談を皆さんにお伝えしようとここへ来たんだ。」

女は呆れたように男を見据える。男はその視線を避けるように視線を外す。

女「何故あんなことをしたの？」
男「それは…」

（ここでインプロの講師からアドバイスが入って）

男「君の事が好きだった。」
女「だった？今は？」
男「今でも好きだ。」
女「ねえ、しっかり私の目を見てそれを言って。」
男「好きだ。」
女「…そう。」
男「君は？」
女「え？」
男「君はどう思っているんだ？僕の事。」
女「分からない？」
男「分からない。」
女「貴方を探していたわ。でも、探し出せなかった。だから、こんな番組の力を使って貴方を探し出したの。」
男「何故？」
女「本当に分からないの？」
男「復讐か？」

女は酷く胸が傷んで涙ぐんだ…。

稽古を終えて

終了の合図があって、私は大爆笑した。

メンバーは
「目を見て言って！とかw」
「やるなぁ」
「（何故か涙ぐんでいる）」
と面白がっていた。

私もまさかこんな展開になるとは思わなかったけど、なんだかすんなりと自分の恋しい気持ちを味わい、相手に求める事が出来た。こんな私が居たなんてビックリだ。

終わってしまえば相手に対して持っていた恋心は霧散したし、別に気持ちが引き摺る事もない。

実生活だとこの後も色々と摩擦があったり、葛藤があったりするんだけど、稽古ならそれがなく気持ちが楽だ。
一種の乙女ゲームのようだな。
それを実際の人間を相手にやれるから、より現実に近いわけだ。

演劇の稽古は日常の稽古だ

そんな訳で日常で苦手だなぁと思う事を、これは稽古だからと逃げ道を作ることで自分に素直になれる。
稽古では如何に自分の感性を素直に出せるかが大切だから、これは良いことだ。
そして、稽古で擬似体験することで、言わば日常の練習をしておくことが可能だ。
シュミレーションゲームをする感覚で貴方も体験してみると楽しいと思う。

インプロの稽古を覗けます

私が参加しているインプロの稽古では、最終日にショーイングと称して公開している。
案内は以下の通り。

------------------------------------------------------------------------------------こんにちは。
ロクディムりょーちんです。

長野県内で活動している役者の皆さんに、9月から11月にかけて即興芝居のオンラインワークショップを実施してきました。
今までのワークで培ってきたこと、そして自分の枠をさらに広げていくチャレンジしてくれました。
そして、最終日の11月25日水曜日に、ワークショップに参加されている方だけでなく、即興芝居にご興味のある方、参加されている皆さんのパフォーマンスが見たいという方にも観ていただこうと、ショーイングを行うことにいたしました。

ZOOMというアプリを使い、オンライン上で行います。（観ていただく皆さんは無料です）
そして、ワークショップも兼ねていますので、振り返りも行いつつ、進めていきます。

是非、参加される皆さんを応援に、そして楽しみにいらしてください。
お待ちしています。

★ロクディムりょーちん即興芝居オンラインワークショップ in 長野★
●スケジュール
11月25日水曜日
20時〜22時まで
（19時55分から、入室頂けます）

●料金
無料です。

●条件
PC、スマホ、タブレットのいずれかを持っているかた。
※wifi推奨

Zoomアプリのダウンロードの仕方（無料です）
①PCの方
https://zoom.us/download#client_4meeting
「ミーティング用Zoomクライアント」　からダウンロード
②スマホ、タブレットの方
App Store
「ZOOM Cloud Meetings」をダウンロード
Google Play ストア
「ZOOM Cloud Meetings」をダウンロード

●お申し込み
ryochin.6dim@gmail.com
①お名前 ②ご連絡先
を明記の上、ご連絡ください。

※申し込み後、観劇していただくためのIDとパスワードをお送りします。

ロクディムりょーちん

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是非貴方に観に来て欲しい。

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ライブインタラクション®コーチの斧研雅子です。
ライブインタラクションは私の敬愛する三輪えり花さんが、英国王立演劇学校（RADA）を教師の通訳をされながら、現場でその指導方法を見聞きされ、通訳した先生方から「あなたもこの学びをどんどんと教えてください」と言われたそうです。
私はその三輪えり花さんに役者として、演出家としてお教えを受けている時に、ライブインタラクションについて学びコーチとなりました。
現在は国際ライブインタラクション研究所の認定コーチです。芝居という私の大好きなアイテムを使って、周りが幸せになれたらいい。そのためにコーチになろうと思ったのです。
ライブインタラクションについてはこちらを！https://note.com/interaction_0369/n/n423eaa67f4fd
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国際ライブインタラクション研究所では、ライブインタラクションの基本的なレッスンを、どなたにも体験していただけるよう、無料のPDFレッスンテキストを配布しています。
https://lit.iki-world.com/japan/institute/
また、代表の三輪えり花から7日間の無料メールが受けられるシステムにもなっています。
https://elicamiwa.us10.list-manage.com/subscribe?u=991440b1b066da1ca0957817e&id=c1896d0a5f
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