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失われるチャンス~戦争を終わらせられず、米国の言いなりでダラダラと断末魔状況が続くゼレンスキーのウクライナ


【画像① 昨年末訪米時のゼレンスキー大統領とバイデン大統領。大統領選の年に入った今年から、バイデン政権は議会での共和党の抵抗で新たなウクライナ支援予算を執行することが著しく困難となり、それがウクライナ軍の弾薬不足、防御システムの弱体化に直結している。』





◆”トコロ天式”にウクライナへ行く? 日本製パトリオット・ミサイル(PAC-3)、原産国(米)に輸出




もう昨年12月に話題になったことだが、日本でライセンス製造している多目的地対空ミサイル・システム、パトリオット(PAC-3)のミサイル本体部分を”原産国”である米国に輸出することになっている。


「輸出の背景にはウクライナが~2023年12月22日、日本政府はアメリカへ『パトリオット』地対空ミサイルを輸出すると発表しました。同日の閣議で防衛装備移転三原則と運用指針を改定し、武器の輸出制限を大幅に緩和したことを受けての決定です」


「このミサイルはアメリカの軍需企業であるレイセオンが開発し、日本では三菱重工が主契約会社としてライセンス生産されているものです。元々アメリカで開発されたものをなぜ輸出しようとしているのでしょうか。…それは、2022年2月からロシアによる侵攻を受けているウクライナへの支援に大きな関係があります」


「2023年12月現在、アメリカはウクライナ支援のための追加予算の議会承認が滞り、これまで供与していた武器弾薬がストップする可能性が出てきました。…そこでアメリカでは、日本からの輸出によってPAC-3の補充を図り、余剰となったPAC-3とPAC-2をウクライナに供給するという計画が考えられています。この方針は既に2023年8月、アメリカのキャンプデービッドで行われた日米韓の首脳会談でバイデン大統領と岸田文雄首相の間で話し合われたそうです」


(参考)「日本製ミサイル”輸出”へ 元々アメリカ製 わざわざパトリオットPAC-3弾をなぜ”逆輸入”するのか」2023/12/22 斎藤雅道
「乗りものニュース」

https://trafficnews.jp/post/130120



【画像② ウクライナの要地防空で活躍する多用途地対空ミサイル・システムPAC-3。空爆に出撃してきたロシア地上攻撃機やヘリコプター、巡航ミサイルの撃墜に威力を発揮しているという。】




パトリオットPAC-3ミサイルは、ウクライナでロシア軍による重要拠点への航空攻撃に対する防御手段として活用されている。上掲記事では、運用の様子を次のように続けて紹介している。



「供与された『パトリオット』は首都のキーウなど、重要拠点を守るために使用されており、2023年5月13日に私用された際、ロシアのブリャンスク州上空で、攻撃機のSu-34、マルチロール機のSu-35、電子戦ヘリコプターのMi-8MTPR-1、Mi-8輸送ヘリコプター2機の計5機を5分以内に撃墜し、ロシア軍はしばらく同地や黒海上空での軍事行動を控えたこともあります」


それくらい有効な地対空ミサイル・システムだが、それ故に”弾切れ”になってはレーダー追尾・照準システムやサイト、発射台などが無用の長物となってしまう。そして、その”弾切れ”が供給元のアメリカでの在庫不足で現実のものとなりつつあったのだ。ともかく本格開戦以来、空からはロシアから攻め立てられる一方のウクライナ軍が必要とするPAC-3ミサイル他の対空兵器用弾薬の数量は、現状の原産国生産力でもはるかに手にあまるものとなってしまっている。しかし、ゼレンスキー大統領は「これがなくては、負けてしまう」とばかり、援助している各国の軍隊の必要数すら削らねばならぬほどの供与要請をしているのだ。



【画像③ 自衛隊でも弾道ミサイル防衛や中~高高度の防空用に用いられているPAC-3。そのミサイルは三菱重工がライセンス生産権を得ているが、この度、日本での生産分を米国に”逆輸出”することとなった。これで浮いた配備中ミサイルを米国はウクライナに供与するものとしている。】





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