しらけと悲哀感漂う志位和夫氏”自画自賛”の党大会~異論弾圧と除名処分の他に日本共産党第29回党大会を彩ったもの…筆坂秀世
ことし1月に「史上初の女性党委員長を選出」した第29回党大会を開いた創立101年超えの日本共産党が、どうも冴えない。「自民党のパーティー券キックバック裏金問題を『赤旗』がスクープ」などと、自己宣伝しても、国会論議のイニシアティブを握っているようには見えないし、岸田文雄政権が米バイデン政権のいいなりで事実上、”巨額の戦費支援”をウクライナや後ろ盾となっているNATOに対して行い、世界戦争の危機や経済的な混乱を深めているのに、「ウクライナ支援」の提灯持ちをしているばかりだ。
停滞した党勢を逆転させるために「党首公選制の導入を」と訴えた党員(元中央委員会の安保外交政策担当者だった松竹伸幸氏と党京都府常任委員だった鈴木元氏)を除名処分にし、「再審査」を求めた松竹氏の請求を党大会で却下。そのうえ、「松竹氏の除名処分はおかしい」と党大会で述べた代議員を、大会後まで寄ってたかって非難し続けるなど、異論を一切認めない異常な党員締め付けを恥も外聞もなく継続している。
一方で、議長に”昇格”した志位和夫氏は、かつては見られなかったような自画自賛を始めているという。かつて、不破哲三氏、志位和夫氏の側近として日本共産党指導部で活躍してきた同党元参院議員で政策委員長、書記局長代行(在職時は党ナンバー4と言われた)の筆坂秀世さんから、志位氏の変化を軸に迷走する日本共産党のいまに光をあてる論考を提供していただいた(以下)。
◆空しい志位氏の自画自賛と漂う悲哀感
今年1月の日本共産党第29回党大会で一番の眼目は何だったと言えるのか。松竹伸幸の除名再審査請求を却下したことも話題になっているが、私は新たに中央委員会議長に就任した志位和夫が、やたらと自画自賛を繰り返すようになったことが際立っていると思う。これは90歳を過ぎても常任幹部会委員として居座り、影響力を行使してきた不破哲三氏が、全ての役職から降りて、文字通り引退したことも関係しているのかも知れない。
<志位氏が”党史上の2大カリスマ”=宮本顕治/不破哲三を凌駕したというのか?>
まず一例を挙げよう。2月6日に行なわれた全国都道府県委員長会議で志位氏は次のように語った。
「(これまでに)11回の党大会の決議案の作成にかかわってきました。そういう経験に照らしても、私は、今回の党大会決定ほど、多面的で豊かで充実した決定はそうはない、と言っても過言ではないと思います」
この志位氏の発言部分の見出しには、「綱領路線を発展させた社会科学の文献」と書かれている。
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