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”存在感”を示したい⁉ 北朝鮮が7回目の核実験を準備~中国は「関係悪化必至」と警告だが…


【画像① 2017年9月3日、北朝鮮が6回目の核実験実施に際し発表した”現地指導”にあたる金正恩総書記の写真。小型の核融合実験装置らしきものを見て説明を受けている。この時の実験は、「水素爆弾の爆発」だったとされている。】




◆今度は戦術弾道ミサイルに搭載する「核弾頭実験」か?




北朝鮮が11月初旬に向けて同国にとって7回目となる核実験を準備中であることが、北京外交筋の情報で分かった。11月初旬に実施見通し、ということは当然、米大統領選開票日である同5日前後がターゲットであることは明らかだ。米国の新大統領が決まる中、北朝鮮の”存在感”を示したいとの狙いがあるのだろう。


ウクライナ戦争の長期化に伴い、米国に伍した超核大国であるロシアとの相互協力関係を深めた北朝鮮は、その存立基盤を強めロシアに対する弾薬や軍装備品供給、更にウクライナ東部のロシア併合地区での復興建設事業への参画で外貨や食糧を以前よりもふんだんに得ている。結果として、昨年来、ミサイル発射実験もひんぱんに実施されその技術的改善は著しいと見られている。


北朝鮮のミサイル分野でのこの間の特に重要な改善点は、搭載弾頭重量の飛躍的な拡大だ。これまで同国が戦術クラスの近~中距離ミサイルから大陸間弾道ミサイル(ICBM)に至るまで、最大のネックになっていたのが、「北朝鮮が実用化した4トン級の核爆弾を弾頭に搭載できるレベルのミサイル開発に至っていない」ということだった。しかし、先の9月19日に「金正恩朝鮮労働党総書記が直接指揮して発射実験を成功させた新型戦術弾道ミサイル『火星11号』」には、「重量4・5トンの超大型弾頭を搭載出来た」とされ、同国の実用核爆弾を搭載可能な大型弾頭が実用化されたことを示している。


【画像② 北朝鮮のICBM「火星17号」。2022年3月に公表。北朝鮮の各種弾道ミサイルは、このように自走式発射台に搭載されており、発射位置の事前特定が難しい。】




11月初旬めどに実施見通しの核実験は、この「火星11号」弾頭に搭載予定の戦術核弾頭の爆発実験と見られる。この間、過去6回にわたり同様の実験が行われてきた北朝鮮北東部の咸鏡北道金州郡、豊渓里(ブンゲリ)の実験場では4つある実験坑道のうち第3坑道の再整備がことし1月から継続して実施されていることが米偵察衛星情報などで分かっている。韓国国防省筋によると、坑道が地下400メートルまでの深さまで整備されれば、核実験可能な状態になるという。


北京外交筋によると、中国側は北朝鮮に対して「核実験強行なら、中朝関係は極度の悪化を迎える局面となる」と警告を伝えているが、北側は歯牙にもかけない態度だという。


◆「食糧・エネルギー資源援助と人的交流の停止措置」を示唆(中国)、韓国国会でも国情院が「米大統領選直後に実験見通し」と報告




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