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繰り返される”トランプ襲撃”~フロリダ州のゴルフコースで起こったトランプ前大統領暗殺未遂事件から見えること ①


【画像① ライアン・ウェズリー・ラウス(中央)。米南部フロリダ州マーティン郡でトランプ前大統領を暗殺しようとして、拘束された。】




◆2度目のトランプ氏暗殺未遂事件、発生




9月16日(日本時間)にフロリダ州のゴルフコースでトランプ前大統領に対する暗殺未遂事件が起きた。7月についで、2度目である。


「米南部フロリダ州で起きたトランプ前大統領を狙った2度目の暗殺未遂事件を受け、大統領警護隊(シークレットサービス)による警護態勢に再び疑念が生じている。容疑者が約12時間にわたり、現場周辺で待ち伏せしていた可能性も浮上。…事件は15日午後1時半(日本時間16日午前2時半)ごろ、フロリダ州ウエストパームビーチにあるトランプ氏所有のゴルフ場で発生。茂みの間から銃が出ているのを警護隊員が発見し、発砲した。プレー中だったトランプ氏にけがはなかった」


「連邦捜査局(FBI)は16日、銃の不法所持容疑で拘束していたライアン・ラウス容疑者(58)を訴追した。携帯電話の位置情報によって、15日午前2時ごろからゴルフ場付近にいたことが確認されており、トランプ氏を待ち伏せしていたとみられる。…ラウス容疑者は発砲しなかったが、潜んでいた茂みから照準器付きのSKS半自動小銃が押収された」


(参考)「警護態勢に再び疑念 現場周辺で12時間待ち伏せかー容疑者訴追・トランプ氏暗殺未遂」2024/9/17
時事ドットコムニュース(https://www.jiji.com/jc/article?k=2024091700647&g=int&utm_source=piano&utm_medium=email&utm_campaign=8697&pnespid=57SPnIhP4rDE8KO.9UGqp_QOtRQYoyptkVNwEls4sRGVKdHbaYSdHEultJlUCzNbRj5RrVlWtw)


【画像② ライアン・ウェズリー・ラウス容疑者がトランプ氏待ち伏せで所持していた7.62mm口径のSKSセミオートライフル。1940年代半ばに旧ソ連で開発された10連発の軍用小銃で、米国ではスポーツ射撃用として中国製コピーである56式半自動小銃として輸入販売されている。】





繰り返される暗殺未遂だが、今回も単独犯によるもののようだ。「インテリジェンス・ウェポン」リサーチ・チームは、日本での不十分な背景報道をふまえ、まず次の点を現地報道などを精査して得ようと考えた。



●そもそも犯人はなぜトランプ大統領を暗殺しようとしたのか?



●ゴルフ当日のトランプ前大統領の警備はどのようになっていたのか?



「ニューヨークタイムズ」などの現地を中心とした海外メディアでは、逮捕された犯人の背景や当日の警備体制について詳しく扱われており、考察がしやすい。そこで、今回から全4回に渡り、海外メディアを参照しながら、逮捕された犯人の背景を考えてみよう。



第1回目は、犯人ライアン・ウェズリー・ラウスが何者なのかについて。


【画像③ 9月16日夕刻、2度目の暗殺未遂事件の現場となったフロリダ州ウェストパームビーチにあるトランプ国際ゴルフクラブの外延部で警戒するFBI武装要員。】



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