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日本人男児刺殺事件(深圳市)への抗議表明のSNS投稿多数を当局が削除~オンライン「追悼会」呼びかけ人も拘束~中国市民内での疑問の広がりに中国共産党が危機感


【画像① 深圳での男児刺殺事件を痛み、ろうそくを手に追悼集会を開いた日本在住の中国の人々。9月19日、新宿で。】




◆「微博」ウェイボなどで広がった中国市民の日本人男児刺殺事件と当局の対応への疑問と抗議




9月19日に深圳市の日本人学校に通う10歳の男児が44歳の中国人の男に刺殺事件が起きたことについて、中国でも衝撃が引き続き広がっている。中国版SNS「微博」などでは、事件が報道されて以降、海外在住者を含む中国知識人など200人以上が実名を明かして「中国公民(国民)として子供たちが”憎悪の国”で育つことを望んでいない」との趣旨の事件原因についてこれまでの中国国内における反日的な教育やメディアによる宣伝があることを含意する抗議声明をSNS上で発表した。


この声明は数時間以内に当局の手で消去されたが、わずかの時間で示された声明は連鎖的に広がり、中国国内ではオンライン「追悼会」の呼びかけもされ、実施されている。北京市在住の2人の大学教授は、次のように声明を出している。


「この事件について、私たちが声を上げないままで過ごしてしまえば、再び同じような事件が起きて、子供たちを犠牲にしてしまう。声を上げないのなら、私たちも殺人の共犯者なのです」


【画像② 深圳日本人学校に献花し、哀悼の意を示す中国住民。こうした人々の中には海外メディアからのインタビューに「もう憎悪教育(反日教育)はやめるべきだ」と怒りを込めて述べる人もいた。】




◆深圳日本人学校での中国住民の大量の献花はSNS声明の影響




事件後、現場となった深圳日本人学校には、中国住民が多数献花に訪れ、小さな子供の命を奪った事件について哀悼の意を示した。現在、対ロシア関係と同様に非常に悪化している日中両国関係を反映してか、こうした中国市民の動きに対して日本のメディアの中には「当局が事態の責任をあいまいにするため、やらせで動員したのではないか」との穿った見方を報道するところもあったが、実情は前述したようなオンライン上の公然とした呼びかけが多くの人々の心を揺り動かしたことが背景にあったということのようだ。


長年にわたり、深圳市と日本を行き来しているビジネスマンは次のように話している。


「中国の人々は、一般庶民に至るまでSNSをコミュニケーションや情報収集に用いることが日本人には想像もつかないほど一般化している。哀悼と献花のよびかけは、『沈黙と回避は暴力容認以外の何物でもない』『すべての中国人はこんなに痛ましい事件を憎まずにいられない』などの言葉が飛び交い、多くの人たちが声を上げた」


「なかには、『日本鬼子(リーベンクイズ)は出ていけ』みたいな投稿もチラチラあったが、9割以上は哀悼の気持ちと事件への怒りを示すものだった。事件の影響を打ち消したいためか、当局は必死に哀悼の意や抗議の声を示した投稿を消しているが、次から次へと投稿が続いた。日本人学校への大量の献花は、こうしたSNS上の呼びかけが影響してのことだ」


◆あまりの抗議の広がりに拘束者も…当局の焦り


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