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2025年「講書始の儀」で取り上げられた飛鳥~奈良時代の女性天皇6人8代…新時代の女性天皇実現可能性を示唆?


【画像① 1月10日の「講書始の儀」で御進講を受ける天皇皇后両陛下と敬宮愛子内親王殿下。】





◆「人文科学」で取り上げられた「礼服」に見る女性皇位継承の時代的受容性


1月10日、皇居で行われる新年恒例行事の1つ「講書始の儀」で、大阪大学名誉教授(服飾史・女性史)の武田佐知子氏が御進講で取り上げた奈良時代前後の女性天皇に焦点をあてた「礼服」などに着眼しての考察が注目を集めた。「講書始の儀」は、明治天皇が学問奨励を目途に明治2年から始めた「御講釈始」に由来するもので、現在は毎年1月10日前後に「人文科学」「社会科学」「自然科学」の3分野からその時期でそれぞれ先端的な研究到達を収めたと見られる権威者を招き、それぞれから15分ずつの御進講を天皇が受けるというもので、皇后以下の皇族や衆参両院議長、文部科学大臣、更に各界有識者も招かれて聴講する。


武田佐知子氏の講義は、奈良時代前後の女性天皇に焦点を当て、服飾史的な観点からその時代が女性を皇位継承させる受容性を社会として持っていたことを明らかにした。これは、従来の「女性天皇は中継ぎ的存在」とされてきた説を脱却し、そもそも初めから皇位継承が男性皇族だけではなく女性皇族にも、性別を超えて想定されていたという当時のコモンセンスを明瞭にさせるものである。


そして、その史的な事実に基づく考察は、現在は皇室典範で皇位継承の対象から排除されている女性皇族が天皇になる道が、歴史上正当であったことをも想起させるもので、皇統の危機に際して皇室典範改正が求められるようになった今日の議論に対して大きなメッセージ性を持つものである。それ故にメディアからもこの講義は注目を集めており、筆者もYouTube配信で取り上げたところ、かなりの反響を得た。


(参考映像)「終わりがもうすぐ男系男子!!!典範改正・女性天皇が実現するのはもうじきというその根拠について」2025/1/13配信 古是三春_篠原常一郎

https://www.youtube.com/live/bQOy3eNCGqc?si=JmECOI2uT2nj_ROk


◆前天皇・皇后、女性天皇の親子3代の男女で同じ「白礼服」をまとった東大寺大物開眼供養


【画像② 大阪大学名誉教授・武田佐知子氏。】





15分というごく短い時間の中で武田氏が取り上げたのは、およそ次のような内容だ。

奈良時代には6人8代の女性天皇が存在し、そのいずれもが日本の安定と発展に寄与してきた。その時代は男女が共通の礼服を身にまとい、性別の違いを超越した権威を表現していた。具体例として挙げられたのは、聖武太上天皇(父)、光明皇太后(母)、孝謙天皇(娘)が東大寺大仏開眼供養(752年)の際、いずれも同じ形式の白い礼服を着用し、性別を超えた皇位の象徴性を示していた事実だ。


(以下、有料版)

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