”新たな脅威”は民生技術応用から~したたかに軍事技術向上へ西側技術採り入れる中国=艦艇用新型レーダー
◆最大4500km先までのあらゆる飛翔物を探知できる海軍艦艇レーダーを完成
太平洋地域の各国海軍関係者の間で話題を呼んでいるのが、中国海軍の艦艇搭載新型レーダーだ。すでに実戦配備されているという。
「中国海軍の最新型艦艇レーダーは、最大で4500km先の航空機はもちろん、巡航ミサイルや弾道ミサイルまで探知が可能。もちろん、衛星情報システムと結合して最大探知範囲内で複数の目標を追尾し、ミサイル攻撃をしかけるための探知・誘導サポートすることも出来る。2013年に、海上自衛隊艦艇への中国艦艇による火器管制レーダー照射事件があったが、新型レーダーによって日米の艦艇は数千km先から中国艦艇のレーダーによって攻撃対象としていつでも『ロックオン』されてしまう事態になる」(海自関係者)
この中国の新型レーダーシステムは、電源システムを含めた全体のバックアップ機構全体を含めた重量が1トン超ほどで、この小型化故に艦艇搭載用としては世界で最も高性能なものと見なされるものとなった。ちなみに、同システムが長距離、広域をカバーするために発生させる電磁パルスは30メガワットであり、現存するあらゆる艦艇用レーダーシステムを凌駕する。
例えば、これを超える32メガワット電磁パルスを発生させるレーダーは、米宇宙軍が保有するフロリダ州在の巨大なシステムで、システム全体をおさめた施設の床面積は2万3000平方メートル以上、なんとサッカー場3面分に達する。これが現状では「世界最強のレーダーシステム」と言われているが、中国の新システムは通常の戦闘艦艇にこれに準ずる性能のものとして搭載が可能となったものだ。
ちなみに、新システムを今後、中国海軍が最前線の戦闘艦艇に搭載を進めることで、偵察衛星システムや陸上設置のレーダーシステムとも合わせて、中国本土からグァム島までの太平洋域全体を立体的に把握し、飛翔体すべての追尾が可能とされるようになるという。
実は、重大なのはこうした画期的なレーダーシステムの開発が可能になったのは、民生用技術の移転、それも日本から提供された従来型の普及した電子技術が応用されたことによるということだ。
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