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北方領土交渉は絶望的?新任大使に「回復見通しなし」と言明させる日露関係の現状~ウクライナ戦争と対米従属の狭間で
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◆空席だった駐日大使にニコライ・ノズドレフ氏が着任
前任者ミハイル・ガルージン氏(現外務次官)が2022年11月に離任して以降、約1年半近くたった3月3日にようやく後任駐日大使としてニコライ・ノズドレフ氏が着任した。
「ノズドレフ氏は、1994年にロシア外務省に入省し、オーストラリアなどに駐任した後2018年からは、本省で日本などを担当する第3アジア局長をつとめ、ことし1月、プーチン大統領によって駐日大使に任命されました」
「日ロ関係をめぐっては、ウクライナ侵攻を受けて日本が制裁を科したことにロシアが反発し、平和条約交渉の中断を一方的に表明するなど、悪化した状況が続いています」
<林官房長官”何が国益に資するかという観点から適切に対応”>
「林(芳正)官房長官は…『ロシアによるウクライナ侵略は国際秩序の根幹を揺るがす暴挙で、引き続き厳しい制裁を行う。漁業など隣国として対処する必要がある事項には、何がわが国の国益に資するかという観点から適切に対応する』…『北方領土問題に関しては、領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針を堅持する。日本政府としては、ノズドレフ大使との間でもこうした方針のもと、外交上のやり取りを行って行きたい』と述べました」
(参考)「1年以上不在の新駐日ロシア大使 ノズドレフ氏 日本到着」2024/3/4 NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240304/k10014378341000.html
◆「いわゆる北方領土問題について、日本国民の感情は知ったことではない」~メドヴェージェフ前大統領がSNS投稿
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かつてない規模の制裁をしかけ、みずからロシアとの政治、経済的(そして文化的)交流を断ち切る動きをしながら、「領土問題を解決して平和条約を締結するとの方針を堅持」とは、ずいぶん虫がいい話を林長官もするものだが、表面上、ロシアの側は”揺さぶり”の意味もあるが、平和条約締結交渉については”完全に停止させる”という意思表示を繰り返している(ただし、最終的な決裁権を持つプーチン大統領が表明したことはない、ということは留保しておくことだ)。
「ロシアのメドベージェフ安全保障会議副議長(前大統領)は(1月)30日、『いわゆる北方領土について、日本国民の感情は知ったことではない。ロシア領だ』とSNSに投稿した。…北方領土問題はロシアの憲法に基づき『永久に解決済み』との考えを示し、ロシア領との前提であれば日本との平和条約に反対しないと表明した。…ロシアはウクライナへの軍事侵攻を開始した翌月となる2022年3月、北方領土問題を含む日ロの平和条約締結交渉を打ち切ると発表した」
(参考)「『北方領土はロシア領』 メドベージェフ前大統領が表明」2024/1/30 日本経済新聞(電子版)
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGR30CWE0Q4A130C2000000/
このメドヴェージェフ発言は、岸田文雄首相が1月30日に通常国会における施政方針演説で「領土問題を解決して日露の平和条約締結の方針を堅持する」と述べたことに対応したもので、かなり挑発的なものだ。この前には「サムライの切腹」にまで言及した発言までしていて、日本国民の反発を招いていた。まあ、確かに交戦相手(ウクライナ)を支援している国と「平和条約締結交渉」を語ることなど、出来るわけもないのだが、日露関係が”史上最悪”と言えるものであることを痛感させるものではある。
◆”絶望的な状況”に赴任した駐日大使の”絶望的発言”
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一方、最近になってロシア報道で新駐日大使ノズドレフ氏のインタビュー記事が掲載された。今後の日露関係の方向性、見通しについて同氏が述べたものだが、新任大使であるにも関わらず、「露日関係は回帰不能点を超えた」というような、”絶望的発言”がされている内容が衝撃的だった。
ちなみに、日本のメディアではまだ同氏のインタビューを詳細に行ったところはない。以下、リア・ノーボスチ通信のロシア語配信記事の概訳を紹介する。
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