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林芳正氏、官房長官就任は岸田首相の”安倍派封じ込め”仕上げをめざすか~故・安倍晋三元首相の地盤掌握へ”追い風”
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◆「上はもう総理しかない」~安倍派官房長官=松野博一氏”失脚”で格上げ”再任用”の林芳正氏
「いまどき親中派の外務大臣はまずいよ」~そんな”自民党重鎮”のささやきを聞いた岸田文雄首相によって、9月13日の内閣改造で外相から下された林芳正氏。ところが、折から湧き上がった”パーティー券キックバック裏金”問題で特捜部からもマスコミからも党内最大派閥=安倍派(清和政策研究会)への集中攻撃で同派から官房長官に出ていた松野博一氏が”失脚”したことによって、突如、外務大臣よりも格上げでその座を引き継ぐことになった。
「衆院山口3区選出の林芳正氏が官房長官に起用された14日、地元山口県では、岸田内閣の要職に就くことに『上は総理しかない』と支援者から期待する声が上がった。…平成以降に官房長官を経験した30人のうち首相になったのは4人。その一人は昨年7月に亡くなった安倍晋三元首相だった。『安倍氏に続く9人目の宰相に』。山口ではそう期待する声もある」
(参考)「困った時の林さん、官房長官就任に『上はもう総理しかない』 内閣支持率低迷続く中の就任は吉か凶か…地元山口では期待と懸念と」2023/12/15 中國新聞デジタル
https://news.yahoo.co.jp/articles/6089bc81e1224fa64574a9e7a2d6ef12bdff470a
”困った時の林さん”と言われるのは、過去も閣僚がスキャンダルなどで更迭を余儀なくされた際に、ピンチヒッターのように後任を引き受けたり、難局に直面した際の閣僚に抜擢されてきた実績があるからだという。たとえば2015年にはやはり政治資金問題で辞職した農相の後任をつとめ、17年には加計学園問題が浮上している際に文科相就任、更に外相にも21年に党幹事長交代劇(二階俊博氏から茂木敏充氏へ)の煽りを受けて茂木氏後任で就いたものだった。
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分野の異なる問題を所掌する大臣を渡り歩いた感があるが、その都度、役職をそつなくこなすことで、「問題を理解し処理する能力に長けている」とその有能ぶりを褒める声が自民党内にはある。上記の地元新聞は、”身びいき”もあって総理就任への”一里塚”のように今回の官房長官就任を受け止めている節が感じられる。しかし、実はその山口県で”安倍元首相亡き後”に起きている状況を見ると、それ以上の意味があるのではないか、今回の”安倍派官房長官の失脚”を奇貨として、岸田首相が林氏を”格上げ”することで”安倍派封じ込め”の仕上げをめざしているのではないか、ととるべきではないかと思わせるものがあるのだ。
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