習近平氏”終身最高指導者”に向け、党総書記4期目続投を内定へ~中国共産党中央委員会総会で異例の秘密決議
◆中国共産党第20期中央委員会第3回総会(3中総会)で異例の秘密決議
7月15~18日にかけて北京で開催された中国共産党第20期中央委員会第3回総会(3中総会)では、現在深刻になっている中国での経済不振打開に向けていかなる方針を打ち出すかが注目された。
「共産党の重要会議・第20期中央委員会第3回総会(3中総会)は15日、北京で始まった。会議は非公開で、…中長期の経済政策などを審議し、最終日に新華社(※引用者注、国営通信社)などを通じて結果が公表される」
「今回の3中総会は、中国が抱える不動産不況や本格化する人口減といった構造的な問題に対し、具体的な解決策が示されるかが注目されている。新華社によると、15日は習近平総書記(国家主席)が主要テーマとなる『さらなる改革の全面的な深化』と米欧とは異なる発展モデル『中国現代化』の推進について説明した」
(参考)「中国共産党『3中総会』開幕…中長期の経済政策を審議、不動産不況や人口減の『解決策』にも注目」2024/7/15 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240715-OYT1T50049/
「中国共産党の重要会議・第20期中央委員会第3回総会(3中総会)は18日、米欧とは異なる発展モデル『中国式現代化』の推進に向けた改革任務を建国80年の2029年までに完成させるとの目標を設定し、閉幕した。27年に3期目の任期満了を迎える習近平総書記(国家主席)が、4期目続投に向け布石を打った形だ」
「決定の全文は公表されておらず、改革の具体的内容は不明だが、声明は従来路線を踏襲する内容が目立つ。『国家の安全』を『中国式現代化の重要な基礎』と明記し、スパイ摘発などの統制がさらに強まりそうだ」
(参考)「中国共産党の3中総会、米欧とは異なる『中国式現代化』推進に向け目標を設定し閉幕」2024/7/19 読売新聞オンライン
https://www.yomiuri.co.jp/world/20240719-OYT1T50000/
読売新聞の上記記事では、習近平総書記の3期目任期末の2027年を超えた29年までの「改革任務完成」を決定したことで、習氏の4期目続投の布石を打ったとの判断を示している。実は、記事にある「全文は公表されて」いない決定の中に、習氏の4期目以降の総書記(最高指導者)続投という趣旨の秘密決議が含まれているとの情報が、北京の外交筋からもたらされた。
この秘密決議は、経済政策など基本路線にかかわる諸決議すべての採択後、李強首相が「緊急提案」に立ち、「改革任務の完成を建国80周年に実現するためにも、この時期以降まで習近平同志が総書記の職務を継続されることを望む」と述べ、中央委員に同意を求めたことに対し、総会参加者が拍手で応えることで”決議された”とみなされたのだという(多数の拍手、であり全員の賛意は確認されていない)。
そして、3中総会後の党政治局会議(政治局員24名)で李首相提案の内容と拍手による確認も、3中総会における秘密決議として記録することが承認されたともされる。党中央委員会総会で秘密決議がされることは、極めて異例で、過去に例がない。
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