「告発者自死」で湧き上がるパワハラ知事の腰巾着への”脅迫疑惑”~兵庫県・斎藤元彦知事の周辺の不可解
◆兵庫県議会「百条委員会」設置、第一回委員会開かれる
兵庫県の斎藤元彦知事(46)のパワハラや”おねだり”疑惑、側近幹部たちの違法行為について内部告発があり、その内部告発者(元西播磨県民局長)が自死するという重大事態を経て、同県議会では地方自治法に基づく調査特別委員会(百条委員会)が設置され、第一回委員会が7月19日に開かれた。この委員会には、告発文を書いた元県民局長が証人として出席する予定だったのに、前述の通りの事態となったために開会に際して委員が弔意を評して黙とうするという異常な状況となった。
「奥谷(謙一)委員長の弔意はおよそ5分に及び、最後にこうまとめた。…『願わくば、天上より私たちの処し方、行く末を見守っていただけますように、切にお願いし、贈る言葉に代えさせていただきます』…全員が黙とうをして会合が始まった」
「元県民局長が記した陳述書が配布され、知事の発言とされるワインをおねだりする音声が議場に流された。そして、これから実施される県職員アンケートが当初の7000人から任用職員を加え9700人を対象とすること、アンケートの回答にあたって個人情報の保護が重要であることも確認された」
(参考)「【斎藤知事のパワハラ疑惑】 百条委員会で露呈…真相解明を妨害する県庁職員局と維新の会県議」2024/7/20 デイリー新潮/Yahooニュース
https://news.yahoo.co.jp/articles/47d3bb2893c8cb639e061eaff820d6244edc353d
この記事には、「百条委員会」が開催されるに至る事態に及んでも、県庁内の部局の一部が真相解明を妨害するために、職員らに圧力を有形無形にかけていることが議員発言の紹介の形で取り上げられてもいる。委員会での上野英一県議(ひょうご県民連合)の次のような発言である。
「上野:このところ職員局はおかしい。本来、職員を守るべきが、逆のことをやっている。元県民局長が嫌っていたプライバシーの部分、それも公益通報者保護法違反の調査をやった上で手にした情報を流布したり、それでもって脅しをかけたりしている。結果、追い込まれた元県民局長はああいう結果(※自死)になったわけですから、…私、4月初旬の代表者会議で人事局長が説明したときに、『あんたらそれは人事権の乱用、あるいは組織的パワハラやぞ』と申し上げたことがあるんですけれども、全然その観点が抜けていると思うんで、改めて公益通報者保護法をしっかり頭にたたきこんでほしい…」
職員が証人として「百条委員会」などに呼ばれる場合、上司の承認が必要だというような圧力が掛けられていたというのである。それでは、証言で「報復人事」がされかねないと(実際に自死した元県民局長はそのようにされていた)、恐れて誰も真実を語れなくなってしまい、真相解明など不可能になるだろう。一方、渦中の斎藤知事を推薦して当選させる上で大きな役割を果たした維新の会の県議(副委員長)は、上野県議らとは逆の方向で真相解明を遅らせるような言動を繰り返していたという。
詳しくは「デイリー新潮」記事を参照していただきたいが、どうも県庁内、特に斎藤知事に近いところから、陰に陽に同知事のパワハラや”おねだり”に関する真相解明、更にその尻馬に乗るような幹部たちの違法行為の告発を抑えようとする動きが露骨なようだ。
◆副知事が辞職を表明
渦中の斎藤知事は、「県政を前に進めることが責任の果たし方と考えている」と、辞職する気がないことを表明しているが(7月24日午後の会見)、既に12日には「誰かが責任をとらないと県政は動かない」として片山安孝副知事(64)が辞意を表明している。この際、片山副知事は、こうも述べている。
「斎藤知事にも5回にわたって辞職を進言したが、応じなかった」
実は、片山氏の動きについて兵庫県庁の中では、「知事に切られた腹いせだな」との受けとめが広がっていた。というのは、同氏は知事の側近中の側近で、これまで”汚れ役”の全てを引き受ける”腰巾着”と言われてきたからである。
「今回の事態でも、元県民局長の扱いを片山氏が一手に引き受けていた。圧力を直接かけていたのだ。それを知っているのに、斎藤知事は元局長の『自死』という事態に直面して、その責任をすべて片山氏に押し付けて切り捨てようとしていたのだ」
◆「元局長の自死は副知事との接触に関係がある」(県庁職員)
この記事が気に入ったらチップで応援してみませんか?