「マンション寄越せデモ」頻発~習近平体制ゆるがす中国不動産不況の引き続く深刻な状況
◆中国経済全体を下降コースへ引っ張る不動産不況
中国最大手の不動産開発企業、恒大集団の資金繰りが2年前から悪化し、22年末現在で約2兆4374億元(約51兆円)の累積負債額となって経営危機に直面して以降、同国は未曾有の不動産不況に見舞われている。中国国家統計局のデータによると、中国の国内総生産(GDP)の3割を不動産市場が占めているのだが、10月度の新築住宅価格指数がほとんどの都市で前月より下落している。
中国主要70都市のうち、前月より不動産価格が下落したのは56都市と全体の8割に及ぶ。中国では「かつて1990年代の日本が経験したような不動産バブル崩壊に直面するのではないか」と危惧されているという。これは、中国共産党政府が不動産投資を煽って経済成長のエンジンとしてきたことに由来するもので、不動産不況の深刻化がそのまま中国経済全体を下降コースへと引っ張ることにつながるという失政そのものといえる。
◆「代金支払ったのに完成しないマンション」に買い手の怒り沸騰~「マンション寄越せデモ」頻発
”経済評論”風に書けば、上記のようなものだが、実際に懸命に働きながら貯金し、一時金あるいは全額をデベロッパーに支払ってマンションの完成・入居待ちをしていた人々にとっては人生を台無しにされかねない大問題になっている。昨年らい、恒大集団本社にマンション投資家や入居希望で購入した人々が押しかける騒ぎが何度も報道されているが、現在は更に中国各地の多くの都市で購入者による「マンション寄越せデモ」が頻発し、治安当局との衝突が伝えられている。
中国では不動産購入に際して、買い手は建設前に代金の一部または全額を支払うのが一般的で、居住希望者は完成後に入居する。ところが資金繰りがショートした恒大集団の開発物件、更に連鎖して広がった不動産不況でもう1つの大手不動産デベロッパーである碧桂園控股が建設している物件は未完のまま放置され、買い手への引き渡しが期限の見通しのないまま先送りされてしまっている。
マンションが建築途中で工事がストップしてしまえば、当然、風雨にさらされた未完成物件は日に日に傷んでいくことになり、また人生設計の中で入居予定を立てていた多くの買い手にとって気が気ではない状況になってしまう。地方政府や共産党の地方機関に”救済”を申し立てても、何の手だても打ってもらえない。そうなると、やり場のない怒りが爆発し、各地でやぶれかぶれの「マンション寄越せデモ」が頻発することにつながっているのだ。
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