パーティー券裏金捜査で安倍派内が動揺~「細田会長自殺説」と高木毅氏”裏切り”への疑念が浮上
◆池田佳隆衆院議員逮捕!捜査の進展につれ、安倍派内に広がる「細田会長自殺」、高木事務総長”裏切り”説
12日付「読売新聞」朝刊によると、パーティー券裏金問題でキックバック不記載議員数と額面が他派閥に比べて断然多い安倍派(清和政策研究会、所属議員98人)で所属議員の政治資金収支報告書を一斉に訂正することが検討されているという。「派閥の政治資金パーティー券販売を巡り、派閥から所属議員へのキックバック(還流)などで裏金化され、収支報告書に記載していなかった収入などが訂正の対象」だという。
つまり、事実上、派閥所属議員のほぼ全員にキックバック・裏金化があったと認めたのと同じである。同派の不記載額は2022年までの5年間で5億7000万円超に上るというのだから、むべなるかな、である。記事には、「訂正を行う時期は東京地検特捜部の捜査状況も踏まえ、最終的に判断」というから、これは勝手にやれば一種の証拠隠滅みたいなことになるので、捜査側との呼吸を図って(つまり意思を通じ合わせて)行うということである。
これは当然、捜査側と安倍派上層部、特に事務を取り仕切る事務総長(高木毅衆院議員)との話し合いの中でひとつの”落としどころ”として出てきたものだろう。既に「安倍派のパーティー券営業部長」の異名をとっていた池田佳隆衆院議員(愛知3区)が逮捕されたことを受け、さらなる逮捕の拡大を抑えるための取引という側面も持っているとみていい。こうした一連の動きは、一方で安倍派内の議員の間に不満を呼び起こしている。
「高木はまるで検察の回し者だ!」
安倍派の中堅議員たちが、裏でこう囁き合っているとの話が聞こえてくる。所属の参院議員は、こう述べている。
「共産党の『赤旗』に一昨年からいいように書かれて、それを材料に神戸学院大学の”バンダナ教授”(法学部教授の上脇博之氏のこと)が刑事告発していたのに、まったく放置して対応策を講じなかったのは、”安倍派5人組”の中でも特に事務総長の高木の責任だ」
こうした声の裏で、「高木は特捜部にすり寄って、自分だけ”いい子”になろうとしてるんじゃないか」「あいつはいろいろ脇が甘いから、捜査官に揺さぶられたんだな」などの話も飛び交っている。これについては後述する。
この他に、もう”過去の人”になった元安倍派会長、故・細田博之前衆院議長についても、ある噂が捜査の本格化と共に浮上している。「自殺説」だ。
◆「旧統一教会問題」と共にパーティー券裏金問題が二重の”重荷”になって…細田前衆院議長「自殺説」
実は、昨年11月10日に死去した直後から、細田氏については「自殺説」が浮上していた。表向きの説明では、死因は「多臓器不全」で11月8日夕に容態が急変し、同10日に入院先で死亡、享年79歳。しかし、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係を追及されて10月13日に衆院議長の辞任を会見で表明したばかりだった。
辞任記者会見でも、細田氏は「前立腺肥大のレーザー手術を受けて2年経過したが、7月には脳梗塞の初期症状が出た。血栓溶解剤を使うため、公務に支障が出る可能性があるので辞任する」と述べたが、旧統一教会問題での追及の焦点に置かれたことによる心労によるものであることは明白だった。そして、昨年秋にはパーティー券裏金問題についての関係者任意聴取などが始まり、当然、安倍派会長を務めた経緯のある細田氏の耳にも捜査側の動きが入っていたと思われ、その二重の心労で追い詰められての「自殺」ではないのか、との疑いが囁かれたのである。
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