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北朝鮮ミサイル「ウクライナでの実戦使用」で精度向上を企図❓ミサイル固形燃料製造用の材料輸入が倍化
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◆ウクライナ戦線に現れた北朝鮮製短距離弾道ミサイル「火星23/24」
北朝鮮製の弾道ミサイルがロシアに供与され、ウクライナへの攻撃に使われているとの報道が相次いでいる。
「ロシア軍がウクライナへの攻撃に使用している北朝鮮製の短距離弾道ミサイルについて、ウクライナの研究所は、精度は低いものの爆発力の強さが脅威になるとの見方を示しました。…ウクライナはこれまで60発近くを使用したと見ています」
「ロシア軍のミサイルや無人機の分析を行っているキーウの犯罪科学研究所は(12月)5日、NHKの取材に応じ、キーウ州で回収した『KN23』と呼ばれる北朝鮮製の短距離弾道ミサイルだとする破片を公開しました。…使われている金属や破片に記された番号などから北朝鮮製だと特定したとし、日本製やアメリカ製の部品も含まれていたと指摘しました」
(参考)「ロシア軍が使用 北朝鮮製のミサイル ”爆発力の強さが脅威に”」2024/12/6 NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241206/k10014659971000.html
「KN23」は北朝鮮で「火星23」とも呼ばれ、より射程の短い「KN24」(火星24)もロシアに供与され、ウクライナで使用されたことが確認されているという。ウクライナ国防省は「北朝鮮から100発以上のミサイルがロシアに引き渡されている」と発表し、ゼレンスキー大統領は西部ロシア(クルスク州など)でのロシア側の反撃に北朝鮮兵士が投入されていることと併せて北朝鮮が戦闘に関与していることを非難している(自分たちがNATO供与兵器をNATO軍将兵の監理下で使用していることを棚上げしてよく言えたもんだ)。
一方で、冷静な北朝鮮ウォッチャーが注目しているのは、この間、北朝鮮が最大の注力を行って開発してきたミサイル兵器が実戦使用によってますます性能向上が図られるのではないか、ということだ。北朝鮮ミサイルを長年分析してきたアナリストは、次のように述べている。
「兵器は実際の戦場で運用してこそ、真の欠陥や改良点が見つかる。ロシア軍に供与されてこの度使われた『火星23』『火星24』は、旧ソ連時代の技術をベースにしており精度が劣ることから目標地の命中界が広く、それを補うために弾頭炸薬量を大きくして爆発力を大きくしている。このやり方は、民間施設などに与える損失を最低限に抑えてピンポイントで軍事目標を狙う今日のあり方には適合しないため、より高精度が求められるようになるのだが、今回の使用で精度の許容範囲を狭めるための改良を施すためのデータも収集されることになるだろう」
「今日の北朝鮮製ミサイルの命中精度の低さの要因に、日本や欧米で製造されたパーツのコピー模造品が十分な品質でないことがある。この度のミサイル残骸からもこうした模造パーツが見つかっている。これらパーツのより高度なコピー努力や、第三国を通じた真正品の大量購入がウクライナでの実戦教訓から展開されるようになると思われる」
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◆ミサイル量産体制の整備へ、必要資材の輸入を拡大
北朝鮮ミサイルに使用される日本を含めた西側諸国製パーツは、輸出規制品ではないという。これまで、限られた財源でミサイル開発や量産に努めてきた北朝鮮では、しかしながらこれらの精度の高いパーツをミサイル量産に必要な数だけ揃えられず、安価な模造品(一部は中国製)に頼らざるを得なかったのだ。
しかし、現在、ロシアが高額で北朝鮮製装備を買い取り、北朝鮮兵士派遣についても1人あたり邦貨換算で30万円以上/月の支払い(派遣兵員数全体から言うと、月34億円程度になる)をしている状況で、真正パーツの必要量を購入出来るだけの資金が得られる見通しなのだという。そして、その兆候はすでに出ている。
中国外交筋から得られたデータによると、ミサイル固形燃料製造やウラン濃縮用の遠心分離機製造に使われる資材の輸入がことしに入って急増しているのだ。
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