特捜部、”安倍派”斬りこみに焦点当てる⁉ トップ不在で結束力欠く最大派閥の裏金にメス~年明けに大物国会議員”検挙”?
◆政治資金パーティー収入”過少記載”が裏金疑惑に~岸田政権ピンチ
今週発売の「週刊文春」(2023年12月7日号)に、かねてから燻っていた政治資金パーティー収入にかかわる自民党主要派閥の”過少記載”問題をクローズアップした大型記事(5ページ)が掲載された。曰く「特捜部が狙う”萩生田の舎弟” 安倍派23億円 裏金作りを暴く!」との記事だ。明らかに検察特捜関係者からのリークをもとに、独自取材内容を追加して書かれたと思われる。
記事の中で自民党5派閥のパーティー収入の過少記載について東京地検特捜部に刑事告発したという神戸学院大学教授の上脇博之氏が記事の中でこう語っている。
「各派閥は年に1回、政治資金パーティーを開催するのが通例です。パーティー券は2万円が相場ですが、企業や政治団体が計20万円を超える分(すなわち20万1円以上)のパー券を買った場合、派閥側は収支報告書に企業名などを記載する義務がありますが、それがなされていなかった。2018~21年の収支報告書において、主要5派閥の不記載の合計額は約4000万円にのぼります。政治資金規正法上の不記載・虚偽記入の容疑で告発しました」
この刑事告発により、自民党各派閥は大わらわで政治資金収支報告書を訂正しなくてはならない事態に陥った。岸田文雄首相は、総裁として党に「適切な対応」を指示したが、一昨年までの4年間の政治資金収支報告書で派閥が不記載にした約4000万円の内訳は、安倍派(清和政策研究会)がダントツで1900万円、二階派(志師会)が950万円、茂木派(平成研究会)が600万円、麻生派(志公会)400万円、岸田派(宏池会)200万円であった。
自民党の最大派閥(現在99人)である安倍派は、全体収入も大きく故・安倍晋三氏が首相に返り咲いた2013年から昨年までの収入総額は約23億円にもなる。そして、この度の政治資金報告書の訂正も、結果として54カ所と最も多く指摘に応じてなされなければならなかった。安倍派の場合、他の派閥に比べてパーティー券収入未記載も裏付け資料があいまい(辻褄が合わない)なものが多く、ノルマを超えたパーティー券販売の収入をキックバックしての”裏金作り”が如実に疑われるものが多く、検察から任意聴取を受けている派閥事務局長は冷や汗をかきっぱなしと言われている。
特捜部は主要派閥すべての事務局長らを任意で事情聴取しており、疑惑は自民党全体を覆うことになってしまった。ただでさえ、内閣支持率が20%台にまで落ち込んだ岸田政権にとっては、土台を揺さぶられる大ピンチとなっ ている。
◆焦点は”安倍派”~トップ不在で結束力低下の間隙を突かれる
「今回の特捜部が焦点を当てているのは、やはり最大派閥の安倍派だ。パーティー券収入不記載の額面が判明分の半分近くと突出している。おまけに、いまだ亡くなった安倍元首相の後継を立てられず、”集団指導体制”などというあいまいなリーダー割拠の状況で政治的な結束力を欠いている。今回の”政治とカネ”をめぐる検察の自民党斬りこみは、東京都江東区長選を巡る柿沢未途前法務副大臣の公職選挙法違反事件着手がきっかけでもあるば、約30人いる東京地検検事のうち、こちらは若手が担当し、ベテランのエース級は全てパーティー券収入不記載案件に集中させている。自民党関係者は、エース検事の厳しい追及に直面しタジタジだ」(法務省担当新聞記者)
そして、年明けの通常国会開会以前に、”大物国会議員”の検挙も狙われているのだという。
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