【哲学者は面白い!?❷】

哲学者は何を考えているかわからない?
そんな印象を持っている人も多いはず。
でも話を聞いてみると、なんだか面白い!

今回はそんな記事をお届けします。


哲学者は面白い!?②

幽霊との共生 その1


 共生の問題で言えば、「共生」って普通、人間と人間の共生と思うじゃない。

 だけど例えば、すでに死んでいる人との共生もやっぱり共生の問題だよね。 

 また原発問題とか、温暖化の問題でもそうだけど、千年とか一万年とか、原発の廃棄物なんて四万年影響があるわけで、そういう意味では未来の人との共生も問題になってきていますよね。


 他には猫とか犬とか、あるいはこれは認知科学の大きなテーマだけど、人工知能とか人工生命みたいなモノがどんどん溢れてくる中で、それらとの共生もあります。



 共生と言うと、「異文化の人とうまく付き合いましょう」とかね、ものすごく定型化されたイメージにとらわれちゃうけど、それだけじゃないんだよね。
   


 死んじゃった人との共生は興味深いですよね。

 昨日も授業で幽霊の話をしたんですが、3.11 のあとの被災者の話、聞いたことないですか?


 これ NHK とか朝日新聞で正式に取り上げられた話なんだけどね。

 夜中に渋滞するはずのないところで道路が渋滞していて、何事かと思って一番前で止まっている車の人に話しかけてみたら、「いや、人がいま道を通っていますから」って言うんだって。

 誰もいないのに、ジーっと “ 人 ” が通るのを待っていたんです。


 他にもタクシー運転手さんの有名な話があって、石巻で夜中に女の人が乗ってきて、「どこそこに行ってください」と言われたと。

 「でもそこ津波で全部やられちゃったから、何もないですよ」って言おうとしたけれど、「あ、そういうことなんだ」と思ってそこまで連れて行ってあげて、後ろを見てみたら誰もいなかった、とかね。

 その手の話が山のようにあるんですよ。



 それはもう、それだけ聞くとオカルト話にしか聞こえないけど、それを専門に調べている社会学者がいて、彼が問題にしているのは「科学的に幽霊がいるかいないか」ではないんですよね。

 科学的に幽霊がいるかって言ったら、多分いないんだけど、問題はどうして
そんな現象が起こるのか。

 さっきの話はある意味簡単で、一種の心的外傷が原因で “ 色々なもの ” が見えてしまうということなんだろうけど。



 そしてなぜ人々がそういう幽霊話を話すかというと、話すことによって自分自身のあり方を納得させているというか、バランスを回復させているんだろうね。

 人間が根本的に持っている機能として。

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