【地震から建物を守るために❷】
日本人にとって一番の恐怖、地震。
地震から建物を守るために、何ができるのか。
幅広い視点から地震に強い建物を考えている宮本教授にお話を伺いました。
第2回
どうやって揺れを予測するのか
地震の揺れをどのように予測するのですか?
何百キロも離れた震源からどのように地震波が伝播してくるかを決定しないと、地震の揺れを予測することができません。
例えば南海トラフ地震が四国沖で起こるか、紀伊半島沖で起こるかで、揺れが全く違います。
あらゆるパターンで起こる可能性を考えなければなりません。
地震の揺れ方を決めることは難しいけれど、この揺れ方を決めないと建物の正確な揺れを想定した設計ができないので、まずその揺れ方をしっかり計算に載せられるように研究を進めています。
そういう意味では研究のエリアが広くなります。
まず震源から建物の建っている地盤までの研究が必要ですよね。
そして建物がどう揺れるかを考えようとすると、敷地からその
建物頂上までの揺れ方をシミュレーションする必要があります。
つまり、研究対象は震源から建物のトップまでを含めた範囲になるのです。
ふつう建物の設計と言ったら図面に線を描くイメージだけど、それ以前の設計をするために地震の大きさを決めている、と思ってもらえればいいと思います。